米国消化器病学会(AGA)が発表し、「Gastroenterology」10月号に掲載された診療ガイドラインで、胃不全麻痺の診断と管理に関する条件付きの推奨事項が示された。 米マサチューセッツ総合病院と米ハーバード大学医学大学院のKyle Staller氏らは、エビデンスを評価し、特発性胃不全麻痺または糖尿病性胃不全麻痺患者の正確な診断と管理を確実に実践するための推奨事項を策定した。 ガイドライン策定委員会は、12の推奨事項の合意に至った。胃不全麻痺が疑われる患者に対する2時間の胃内容排出検査を条件付き非推奨とし、4時間の同検査を条件付き推奨とした。胃不全麻痺患者へのメトクロプラミドとエリスロマイシンの使用を条件付き推奨、ドンペリドン、プルカロプリド、アプレピタント、ノルトリプチリン、ブスピロン、カンナビジオールの第一選択薬としての使用を条件付き非推奨とした。さらに、胃不全麻痺患者に対する経口内視鏡的胃幽門輪筋層切開術および胃電気刺激のルーチンでの実施を推奨せず、これらの治療は薬物療法が奏効しない一部の患者にのみ実施すべきであるとした。幽門筋切開術と幽門形成術の実施に関する推奨事項は策定されなかった。 Staller氏は、「これらは絶対的な可否を示す規則ではない。治療が『非推奨』とされていても、一部の患者にとっては適切な場合があり、決して実施してはならないという意味ではない。本ガイドラインの目的は、患者と医療従事者がベネフィット、リスク、個々の患者の目標をはかりにかけて判断できるようにすることだ」と述べている。(HealthDay News 2025年9月29日) https://www.healthday.com/healthpro-news/digestive-system/recommendations-issued-for-diagnosing-managing-gastroparesis Abstract/Full Texthttps://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(25)05857-3/fulltext Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock