口蓋裂を有する児では、鼓膜換気チューブ留置術により聴力アウトカムが改善するという研究結果が、「Ear, Nose & Throat Journal」に9月25日掲載された。 マーストリヒト大学医療センター(オランダ)のNina Wijnants氏らは、一期的一次手術を受けた非症候群性の児44人を対象に後ろ向きコホート研究を実施し、鼓膜換気チューブ留置術の有効性を検討した。 対象患児の88.6%に滲出性中耳炎(OME)の既往があった。また、31.8%に伝音性難聴があり、4.5%に感音性難聴があった。解析の結果、介入後に平均14.13dBの有意な改善が認められた。右耳と左耳の間に有意差は見られなかった。患者個人レベルでのランダム切片分散は49.07であり、大きな個人差が示された。繰り返しチューブ留置術を受けた患者では鼓膜の異常が観察されたが、長期的な聴力低下は認められなかった。 著者らは、「本研究の結果は、口蓋裂を有する児における鼓膜換気チューブ留置術が聴力アウトカムの改善に有効であることを示しており、先行研究のエビデンスを補強するものである。OMEおよびその続発症は依然として一般的であるが、口蓋裂修復術時にOMEが存在する場合、または再発性OMEや急性中耳炎の既往が記録されている場合には、伝音性難聴を軽減するため鼓膜換気チューブの同時留置を検討すべきである」と述べている。(HealthDay News 2025年10月10日) https://www.healthday.com/healthpro-news/ear-nose-and-throat/tympanostomy-tube-placement-improves-hearing-for-children-with-cleft-palate Abstract/Full Texthttps://journals.sagepub.com/doi/10.1177/01455613251376792 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock