高温は、腎臓の健康に対する有害金属類の影響を変化させる可能性があるという研究結果が、「Environmental Research」11月15日号に掲載された。 米アリゾナ大学のRietta S. Wagoner氏らは、縦断研究の一環で、金属類と高温への同時曝露が、急性腎障害および腎機能にどのように影響するかを経時的に検討した。対象はメキシコのブドウ農場で働く男性労働者77人(平均年齢29歳)で、作業シーズンの開始時(ベースライン時)と終了時(追跡時)に生物学的サンプルが採取され、アンケートが実施された。尿サンプルでは金属類、比重、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(uNGAL)が測定され、血清からは推算糸球体濾過量(eGFR)が算出された。 解析の結果、尿中ヒ素、カドミウム、クロムの上昇はuNGALの上昇と関連した(それぞれβ=0.35、0.27、0.54)。尿中ウランの上昇はeGFRの低下と関連した(β=-2.45)。層別モデルでは、これらの影響は弱まった。慢性的な高温曝露は、ヒ素およびカドミウムの影響を増幅したが、急性の高温ストレスでは有意な相互作用は認められなかった。 Wagoner氏は、「典型的なリスク因子を持たない若者でも、特に高温の地域で腎疾患の増加が見られている。高温、農薬、金属への曝露がそれぞれ影響を及ぼしており、特に高温は有害な曝露による影響を増幅させている可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2025年9月30日) https://www.healthday.com/healthpro-news/kidney-health/heat-may-modify-impact-of-toxic-metalloids-on-kidney-health Abstract/Full Texthttps://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0013935125017852 Copyright © 2025 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock