脳血管疾患はLOEのリスク増大と関連のあることが知られている。血管疾患はしばしば全身性であり、冠動脈狭窄などが同一患者に併存することが多い。このため、LOEの有無が全身の血管イベントのリスクマーカーとなる可能性が考えられるが、そのような視点での研究はこれまでほとんど行われていない。米ブリガム・ヤング大学のEvan L. Thacker氏らは、住民ベースの疫学研究「ノーザンマンハッタン研究(NOMAS)」のデータを用いてこの点を検討。結果の詳細が「Neurology」12月9日号に掲載された。 NOMASは、1993~2008年にかけてニューヨーク市マンハッタン北部の40歳以上の居住者を対象に行われたコホート研究。登録時点で脳卒中、心筋梗塞、てんかんの既往のない参加者3,174人(平均年齢69.1±10.4歳、女性63.5%)を2023年5月まで最長30年(平均14年)前向きに追跡した。追跡期間中に296人(9.3%)が心筋梗塞を発症し、120人(3.8%)がLOEを発症。脳卒中以外の血管性疾患による死亡は794人(25.0%)だった。 心筋梗塞の既往がない期間のLOE発症率は1,000人年当り2.49であるのに対して、心筋梗塞発症後は同7.02だった。交絡因子(年齢、性別、人種/民族、職業、保険加入状況、糖尿病、喫煙状況、BMIカテゴリーなど)を調整後、心筋梗塞発症後はLOEリスクが有意に高いことが示された(調整ハザード比〔aHR〕2.12〔95%信頼区間1.06~4.25〕)。 一方、LOEの既往がない期間の心筋梗塞発症率は1,000人年当り6.46であり、LOE発症後は同17.68で後者の方が高いが、交絡因子を調整するとリスク差は有意水準に至らなかった(aHR1.99〔同0.98~4.05〕)。ただし、脳卒中以外の血管性疾患による死亡のリスクについては、LOE発症前は1,000人年当たり16.29であるのに対して、LOE発症後は同99.24であり、交絡因子調整後も有意なリスク差が認められた(aHR2.82〔2.09~3.80〕)。 感度分析として、高血圧や高コレステロール血症なども交絡因子として調整した解析でも、同様の結果が示された。Thacker氏らは、「他の集団での検証が必要だが、われわれの研究で観察された双方向性の関連は、LOEが全身性血管イベントのリスクマーカーである可能性を示唆している」と総括。また同氏は、「高齢者が心筋梗塞を発症した場合、臨床医はその後、当該患者のてんかん発症に注意を払う必要があるかもしれない」と付け加えている。(HealthDay News 2025年11月7日) https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/bidirectional-link-seen-for-myocardial-infarction-and-late-onset-epilepsy Abstract/Full Texthttps://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000214292 Editorialhttps://www.neurology.org/doi/full/10.1212/WNL.0000000000214391 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock