先天性サイトメガロウイルス(cCMV)感染症関連の難聴のうち3分の1は、出生からしばらくして難聴を呈するため、全新生児を対象とするcCMV感染症スクリーニングプログラムを実施しなければ見逃される可能性があるとする研究結果が、「Otolaryngology–Head and Neck Surgery」11月号に掲載された。 米テネシー大学健康科学センターのCeline Richard氏らは、2016年3月から2024年5月の間に全新生児を対象にした唾液ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるcCMV感染症スクリーニングのデータを分析した。唾液サンプルは出生後2週間以内に採取された。児は、出生時に、小頭症(頭囲が5パーセンタイル未満)、血小板減少症(血小板数が150,000/mm³未満)、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の上昇(80U/L超)、直接ビリルビンの上昇(2mg/dL以上)、頭部超音波の異常(脳室拡大、頭蓋内石灰化、神経細胞移動異常)、感音性難聴(SNHL)、脈絡網膜炎のうち1つ以上の症状が認められた場合は症候性、それ以外は無症候性とした。 cCMVのスクリーニングを受けた4万8,859人の新生児のうち、252人がCMV陽性であったが、5人が数日以内に死亡したため、247人(男児134人、黒人52.2%)を解析対象とした。陽性児のうち77人が症候性であり、このうち先天性SNHLと診断されたのは16人(生後1カ月時;両側性12人、片側性4人)で、遅発性SNHLを発症したのは3人であった(それぞれ生後6、9、12カ月時、全て片側性)。一方、無症候性の170人からは5人が遅発性SNHLを発症した(片側性の4人は6、6、9、12カ月時、両側性の1人は9カ月時)。つまり、SNHLを発症したのは合計24人で、そのうち3分の1に当たる8人は遅発性であった。 陽性児247人のうち抗ウイルス薬のバルガンシクロビルによる治療を受けたのは58人であった。このうち10人がSNHLを発症したが、うち4人は3〜24カ月の間に聴力が悪化し、1人は治療開始時点ですでに重度難聴であったため、改善が認められなかった。残る5人は追跡不能となった。一方、未治療群からは14人がSNHLを発症し、うち7人で聴力が悪化し、2人では変化が見られず、3人は重度難聴のまま改善せず、2人が追跡不能となった。 cCMV陽性247人の中でSNHLのある児24人とない児223人を比較したところ、SNHL児では在胎不当過小児(SGA)、小頭症、脳内石灰化が高い頻度で認められた。 論文の上席著者であるテネシー大学健康科学センターのMaria A. Carrillo-Marquez氏は、「全新生児を対象とするcCMV感染症のスクリーニングは、症状や新生児聴覚スクリーニングだけでは見逃される恐れのある児を見つけ出すために不可欠だ」と述べている。(HealthDay News 2025年11月13日) https://www.healthday.com/healthpro-news/ear-nose-and-throat/universal-congenital-cytomegalovirus-screening-ids-newborns-at-risk-for-hearing-loss Abstract/Full Texthttps://aao-hnsfjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ohn.1332 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock