外傷性脳損傷(TBI)とてんかんはいずれも死亡リスクの上昇と関連していることから、TBI後に発症する外傷性てんかん(PTE)では死亡リスクがより高くなる可能性が想定される。しかし、それを実際に示した臨床報告は乏しい。米ベイラー医科大学のRohan Sri Nagabhirava氏らは、米国退役軍人保健局(VHA)のデータを用いてこの点を検討。結果の詳細が「Neurology」11月25日号に掲載された。 2005~2022年に21万4,193人がてんかんと診断されており、てんかん診断の5年前以降にTBIの記録がある患者を「TBI既往のあるてんかん患者(PWE-PT)」、その記録のない患者を「TBI既往のないてんかん患者(PWE-NT)」とした。てんかん診断の5年以上前にのみ外傷の記録が見られた4,011人は、外傷とてんかん発症との関連の不確実性が高いと判断し解析から除外。残り21万182人のうち、2万8,832人(13.7%)がPWE-PT、18万1,350人(86.3%)がPWE-NTだった。PWE-PT群のてんかん発症平均年齢は52.6歳で女性7.4%、PWE-NT群は同60.9歳で女性8.5%だった。 追跡期間はPWE-PT群が中央値6.4年、PWE-NT群は同6.0年で、計10万3,401人の死亡が記録されていた。年齢、性別、併存疾患指数を調整後、PWE-PT群の死亡リスクはPWE-NT群より有意に高かった(ハザード比〔HR〕1.02〔95%信頼区間1.00~1.04〕)。 TBIの種別による死亡の相対リスクは頭蓋骨骨折・顔面骨折(HR1.18〔同1.09~1.28〕)で最も高い傾向にあり、びまん性脳損傷(HR1.17〔1.07~1.28〕)、局所性脳損傷(HR1.16〔1.07~1.26〕)も有意差が認められた。それに対して脳震盪の場合は、PWE-NT群よりも死亡リスクが有意に低かった(HR0.91〔0.86~0.95〕)。 また、てんかんの発症年齢も相対リスクに影響を及ぼしており、18~39歳の発症では死亡リスクに有意差が見られたが(HR1.16〔1.07~1.25〕)、40歳以上の発症ではPWE-NT群との差が非有意だった。最も顕著なリスク差は、外傷による脳外血腫(くも膜下出血・硬膜下血腫・硬膜外血腫)の後に18~39歳でてんかんを発症した群で認められた(HR2.02〔1.47~2.78〕)。 論文の共著者の1人である同大学のZulfi Haneef氏は、「今後の研究による検証が必要だが、得られた知見に基づけば、PTE患者に対するモニタリングを強化し、治療への反応が十分でない場合には遅滞なく薬剤の変更または外科的治療を考慮することが推奨される」と述べている。(HealthDay News 2025年11月3日) https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/mortality-rates-elevated-for-veterans-with-posttraumatic-epilepsy Abstract/Full Texthttps://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000214344 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock