未熟児網膜症(ROP)による視覚障害の近年の世界的な傾向に関するデータが報告された。1990~2021年にかけてROP関連視覚障害の症例数はあまり変動しておらず、大半は社会人口統計指数(SDI)が低位または低中位の国で発生しているという。香港中文大学(中国)のEmily S. Wong氏らが「世界の疾病負担研究(GBD)」のデータを解析した結果であり、詳細は「JAMA Ophthalmology」に12月26日掲載された。 GBDデータの解析から、1990~2021年のROP関連視覚障害者数は合計879万人(男性457万人、女性422万人)と推計された。1990年は197万3,836人、2021年は205万407人と、経時的な変化は少なかった。SDIカテゴリー別に見ると、低位国と低中位国が大半を占めていた。例えば2021年において、低位国は53万6,899人、低中位国は80万2,078人だった。また2021年の年齢標準化有病率(ASPR)は、世界全体で10万人当たり101.92であり、SDI低位国は同116.66、低中位国は138.33、中位国は83.84、高中位国は63.9、高位国は50.7だった。 世界全体のASPRは1990年の113.49から2021年にかけて低下してきており(推定年平均変化率〔EAPC〕-0.38〔P<0.001〕)、特に2005年以降は低下がより顕著だった(EAPC-0.68〔P<0.001〕)。ただし、SDI高中位国では近年になりASPRの上昇が認められた(1990~2021年のEAPCは-0.06〔P=0.15〕と非有意な一方、2005年以降は0.27〔P<0.01〕と有意)。なお、SDI高位国では1990~2021年にかけてASPRが上昇していたが(EAPC0.03〔P=0.02〕)、2005年以降の変化は非有意だった(同0.02〔P=0.48〕)。 次に、ROP関連視覚障害有病率の医学的および社会経済的な関連因子を、低出生体重や未熟児の発生率、死亡率など既知のリスク因子を調整した多変量回帰分析により検討。その結果、初等教育修了率が低いこと(β=-2.33〔95%信頼区間-3.11~-1.55〕)、医療費自己負担額が高いこと(β=2.61〔同1.86~3.35〕)、社会保険加入率が低いこと(β=-2.79〔-3.76~-1.82〕)、出生前スクリーニング受診率が低いこと(β=-3.91〔-4.63~-3.19〕)、看護職員が少ないこと(β=-2.07〔-3.03~-1.11〕)が、有病率の高さと独立して関連していた。また、視覚障害の重症度別の解析では、重症度が中等度以上の場合、医師数が少ないことも有意な関連があった。 著者らは、「ROP関連視覚障害による疾病負担を軽減するには、社会経済的格差への対処、新生児ケアへのアクセス改善、そしてROPスクリーニングの普遍的な実施が極めて重要である」と述べている。(HealthDay News 2025年12月29日) https://www.healthday.com/healthpro-news/eye-care/study-explores-trends-in-prevalence-of-retinopathy-of-prematurity Abstract/Full Text(フルテキストの閲覧は有料となることがあります)https://jamanetwork.com/journals/jamaophthalmology/article-abstract/2842936 Editorial(フルテキストの閲覧は有料となることがあります)https://jamanetwork.com/journals/jamaophthalmology/article-abstract/2842938 Copyright © 2026HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock