地域住民を対象とした心臓スクリーニングツールは、初回の急性冠症候群イベントに関し、リスクのある多くの患者を特定できない可能性があるという研究結果が、「JACC Advances」に11月21日掲載された。 米マウントサイナイ・ウェスト/モーニングサイド病院のAnna S. Mueller氏らは、冠動脈疾患の既往がなく、初回の1型心筋梗塞を発症し受診した65歳以下の患者465人を対象に、後ろ向き解析を行い、ガイドラインが推奨するリスク評価ツールを受診の2日前に適用した場合のツールの性能をシミュレートした。10年間の動脈硬化性心血管疾患(ACVD)リスクを計算するためASCVD Risk Estimator Plusを使用し、比較のためにPREVENT(Predicting Risk of cardiovascular disease EVENTs)計算式も適用した。 解析の結果、ASCVD Risk Estimator Plusを使用すると、患者の33%が低リスク(5%未満)、12%が境界リスク(5%以上7.5%未満)、34%が中リスク(7.5%以上20%未満)、10%が高リスク(20%以上)と判定された。また、リスク分類が低リスクにもかかわらず、10%の患者は低比重リポタンパク(LDL)190mg/dL以上または糖尿病のためスタチンの適応基準を満たしていた。一方、PREVENT計算式を使用すると、患者の45%が低リスク、16%が境界リスク、23%が中リスク、3%が高リスクに分類され、13%がスタチンの適応基準を満たしていた。さらに、発症48時間以内に医療機関を受診した患者の割合は、ASCVD Risk Estimator Plusを使用すると、低リスク/境界リスク61%、中リスク60%、高リスク60%、LDL190mg/dL以上または糖尿病患者58%であった。PREVENTによる分類を使用すると、低リスク65%、境界リスク48%、中リスク63%、高リスク57%、LDL190mg/dL以上または糖尿病患者54%であった。 Mueller氏は、「われわれの研究は、大規模集団の追跡には有用なツールであっても、個々の患者に対する臨床判断の指針としては不十分であるという重大な問題点を明らかにしている」と述べている。 なお、複数の著者がメドトロニック社、ノボノルディスク社、ハートフロー社、Elucid BioImaging社を含む医療機器企業、製薬企業、医療テクノロジー企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年11月25日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/cardiac-screening-tools-fail-to-identify-many-patients-at-risk Abstract/Full Texthttps://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jacadv.2025.102361 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock