無症候性の高度頸動脈狭窄患者に対し、集中的な薬物療法のみを実施するよりもステント留置術を併用した方が、周術期の脳卒中または死亡、および4年以内の同側性脳卒中からなる複合リスクが低減する一方、頸動脈内膜剥離術の併用には有意なベネフィットが認められないという研究結果が、「The New England Journal of Medicine」に11月21日掲載された。 米メイヨー・クリニックのThomas G. Brott氏らは、5カ国155施設において無症候性の高度(70%以上)頸動脈狭窄患者を対象とする2つの臨床試験を実施した。ステント留置術試験では1,245人を対象とし、集中的な薬物療法のみを実施した薬物療法群と、それに加えて頸動脈ステント留置術を実施したステント留置術併用群を比較した。頸動脈内膜剥離術試験では1,240人を対象とし、集中的な薬物療法のみを実施した薬物療法群と、それに加えて頸動脈内膜剥離術を実施した内膜剥離術併用群とを比較した。 解析の結果、ステント留置術試験における主要アウトカムの4年間のイベント発生率は、薬物療法群で6.0%、ステント留置術併用群で2.8%であり、絶対差は有意であった(P=0.02)。一方、頸動脈内膜剥離術試験における発生率は、薬物療法群5.3%、内膜剥離術併用群3.7%で、絶対差は有意ではなかった(P=0.24)。周術期(ランダム化から0~44日)のイベントについては、ステント留置術試験では、薬物療法群で脳卒中・死亡はいずれも0件、ステント留置術併用群で脳卒中7件、死亡1件が発生した。頸動脈内膜剥離術試験では、薬物療法群で脳卒中3件、内膜剥離術併用群で脳卒中9件が発生した。 Brott氏は、「薬物療法の進歩により、症状のない患者におけるベネフィットとリスクのバランスを再検討する必要が生じている」と述べている。 なお、複数の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年12月2日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/addition-of-stenting-beneficial-in-asymptomatic-high-grade-carotid-stenosis Abstract/Full Texthttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2508800 Editorialhttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe2515725?query=featured_home Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock