社会経済的脆弱性や複数の併存疾患を有することは、がんの長期サバイバーにおける遅発性のうつ病発症のリスク因子であるという研究結果が、「JAMA Network Open」に11月26日掲載された。 米イェール大学医学部のMelissa Taylor氏らは、がんの長期サバイバーにおける遅発性のうつ病に関連し得る、社会人口学的特徴と臨床的特徴を検討した。対象は、うつ病の診断歴がない66歳以上の乳がん、前立腺がん、大腸がんの5年サバイバー計5万3,769人であり、2022年の監視疫学遠隔成績(Surveillance, Epidemiology, and End Results;SEER)とメディケアのデータをリンクして抽出された。 解析の結果、うつ病の5年累積発症率は乳がんサバイバーで最も高く13.3%、前立腺がんサバイバーは8.7%、大腸がんサバイバーは11.8%であった。一部のカテゴリーでは、高齢であることがうつ病リスクの上昇と関連したが(例:90歳以上と71~74歳の前立腺がんサバイバーの比較でハザード比〔HR〕1.57〔95%信頼区間1.10~2.24〕)、他のカテゴリーでは関連は認められなかった(例:90歳以上と71~74歳の大腸がんサバイバーの比較でHR 1.02〔0.84~1.24〕)。メディケアとメディケイドの二重資格者(例:乳がんサバイバーでHR 1.38〔1.22~1.57〕)、不安症の既往(例:前立腺がんサバイバーでHR 2.82〔2.47~3.22〕)、併存疾患の多さ(例:乳がんサバイバーでHR 1.33〔1.12~1.57〕)はいずれも一貫してうつ病のリスク上昇と関連していた。さらに、前立腺がんサバイバーでは、アンドロゲン除去療法の有無にかかわらず放射線療法の施行が、うつ病のリスク上昇と関連していた(HR 1.22〔1.10~1.36〕)。 著者らは、「がんの経過観察から予防ケアへの移行期において、これらのリスク因子を積極的に評価することで、がんサバイバーのケアに必要な情報を把握できる。これにより、うつ病のスクリーニングや治療における社会経済的および人種・民族間の格差が生じるリスクを抑制できる可能性がある」と述べている。 なお、2人の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2025年12月9日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/socioeconomic-factors-comorbidities-tied-to-late-onset-depression-in-long-term-cancer-survivors Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2842068 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock