炎症性腸疾患(IBD)の最も初期の段階において、腸内微生物叢の変化が見られるという研究結果が、「Gastroenterology」に12月23日掲載された。 シドニー大学(オーストラリア)のPeter Rimmer氏らは、未治療の新規発症IBDにおける腸内微生物叢の特徴を明らかにするため、システマティックレビューを実施した。適格と判断された36件の研究のうち、18件がバイオインフォマティクスによる再解析に、24件が補足的メタ解析に用いられた。解析には、クローン病患者群(CD)678人、潰瘍性大腸炎患者群(UC)399人、健康で症状のない対照群(HC)130人、症状はあるもののIBDでない対照群(SC)405人、総計1,743人のサンプルが含まれた。全サンプルのうち990個は粘膜生検サンプルであった。 解析の結果、糞便サンプルにおいて、小児のUCとSCの比較、成人のCDおよびUCとHCの比較、小児のSCとHCの比較において、α多様性の低下が観察された。また、小児の粘膜生検サンプルにおいて、CDとSCの比較、CDとUCの比較、UCとSCの比較で同様にα多様性の低下が認められた。β多様性については、糞便サンプルと粘膜生検サンプルとで、明確な微生物群集構造の差異が認められた。この差異はUCにおいて最も不明瞭であった。さらに、地理的要因による微生物群集の分離も観察された。多変量解析モデルにおいては、嫌気性菌の減少と、好気性菌および通性嫌気性菌の増加が認められ、加えて、CDおよびUCの両群において口腔内由来菌属の増加が確認された。 Rimmer氏は、「本研究により、IBDのごく初期段階において腸内で何が起きているのかがより明確に示された。腸内の酸素レベルの変化や口腔内細菌の腸管への移行が、炎症の誘発に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。これらの特徴的なパターンは、IBD患者の早期診断や新たな治療法開発につながる可能性がある」と述べている。 なお、複数の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2026年1月5日) https://www.healthday.com/healthpro-news/digestive-system/alterations-in-gut-microbiome-seen-early-in-inflammatory-bowel-disease Abstract/Full Texthttps://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(25)06015-9/fulltext Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock