冠動脈バイパス術(CABG)を経験豊富な外科医がオフポンプで実施した場合、周術期合併症の発現率および死亡率がわずかに低下するという研究結果が、米国胸部外科学会年次総会(STS 2026、1月29日~2月1日、米ニューオーリンズ)で報告された。 米エモリー大学病院ミッドタウンのJohn Puskas氏らは、単独のオフポンプCABG(OPCAB)およびオンポンプCABG(ONCAB)を、いずれも手術経験豊富な外科医が実施した症例を対象として、短期・中期・長期のアウトカムを比較検討した。主要評価項目は、術後0~15年の全死因死亡率であった。205人の経験豊富なOPCAB術者による18万4,655件のOPCABと、1,566人の経験豊富なONCAB術者による134万404件のONCABを特定し、greedy傾向スコアマッチングにより厳密にマッチさせた18万4,550組の患者ペアを解析対象とした。 その結果、OPCAB群ではONCAB群よりも不完全血行再建が多く認められ(それぞれ14.4%、8.1%)、OPCAB群では使用されたグラフトが平均0.20本少なかった。また、OPCAB群ではONCAB群よりも複数動脈グラフトの使用が多く(それぞれ14.5%、9.6%)、OPCAB群では使用された動脈グラフトが平均0.10本多かった。周術期および術後30日のアウトカムはOPCAB群がONCAB群より有意に良好であり、手術死亡、脳卒中、新規発症心房細動、腎不全、再手術、人工呼吸器管理の延長、輸血実施の各項目で発生率が低かった。ただし、OPCAB群における早期生存率の優位性は、追跡5年までの間に徐々に減弱した。OPCAB群の生存率の優位性は、一枝病変患者では追跡15年時点に再びわずかに認められたが、多枝病変患者では認められなかった。 Puskas氏は、「この研究結果は、外科医の経験、完全血行再建、複数動脈グラフトの使用が、術式にかかわらず重要であることを強調している」と述べている。(HealthDay News 2026年2月6日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/sts-off-pump-cabg-shows-lower-perioperative-morbidity-mortality-than-on-pump-cabg Press Releasehttps://www.sts.org/press-releases/late-breaking-sts-study-finds-pump-cabg-experienced-surgeons-reduces-perioperative-complications Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock