米マサチューセッツ総合病院のEvy M. Reinders氏らは、脳卒中リスクの地理的・人種的差異を探る前向きコホート研究(Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke;REGARDS)のデータを解析。修正可能な12項目の因子を評価する「脳ケアスコア(Brain Care Score;BCS)」が良好であるほど、脳卒中発症リスクが低いことを見いだした。詳細は「Neurology」に12月18日掲載された。 この研究では、REGARDS参加者のうち、ベースラインで脳卒中の既往がなく、BCSスコア算出に必要なデータに欠落のない1万861人(平均年齢63.2±8.4歳、女性57.4%、黒人30.6%)を解析対象とした。解析に際しては、米国では脳卒中リスクに人種差があることから、黒人と白人を層別化して比較検討した。 BCSスコアは、脳卒中や認知症、老年期うつ病のリスクに関連している、BMI、血圧、血糖値、コレステロール、喫煙・飲酒・食事・運動・睡眠習慣、ストレスなど、修正可能な12項目を評価する。スコア範囲は0~21点で、スコアが高いほど脳ケアが優れていることを意味する。本研究の解析対象者のベースライン値は14.4±2.4で、黒人(13.8±2.5)は白人(14.7±2.3)より低値だった(P<0.001)。 中央値15.9年の追跡で696件の脳卒中(虚血性、出血性、およびくも膜下出血)が発生した。カプランマイヤー解析での脳卒中累積発生率は全体で6.2%であり、人種別でも黒人・白人ともに6.2%であった。交絡因子(年齢、性別、収入、教育歴、医療保険、居住地域など)を調整した解析からは、黒人ではBCSスコアが5点高いごとに脳卒中リスクが53%低い(ハザード比〔HR〕0.47〔95%信頼区間0.36~0.61〕)という有意な関連が認められた。それに対して白人では25%のリスク低下にとどまり(HR0.75〔同0.62~0.92〕)、関連の強さに有意差があった(P=0.0045)。 脳卒中のタイプ別の解析では、虚血性脳卒中では全体解析と同様の傾向が観察された。一方、出血性脳卒中に関しては症例数が少ないため不確実性が大きく、統計学的に有意な関連が見られなかった。 Reinders氏は、「身体的要因、生活習慣要因、および社会心理学的要因を統合して脳の健康状態を測るBCSスコアを用いた検討により、特に黒人などの脳卒中リスクの高い集団で、生活習慣の改善がより大きなリスク抑制につながる可能性が示唆された」と総括している。 なお、1人の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。(HealthDay News 2026年1月2日) https://www.healthday.com/healthpro-news/stroke/higher-brain-care-score-linked-to-lower-risk-of-incident-stroke Abstract/Full Texthttps://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000214488 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock