妊娠中に抗うつ薬の服用を中止した患者では、自殺企図やオーバードーズなどを含む精神科救急受診のリスクが高いとする研究結果が、米国母体胎児医学会の年次学術集会(SMFM2026、2月8~13日、米ラスベガス)で報告された。 米ペンシルベニア大学のKelly B. Zafman氏らは、ペンシルベニア州の民間保険データベースを用いた横断研究を行い、精神疾患を有し妊娠に至った患者における抗うつ薬の服用中止の実態および転帰を検討した。対象は、うつ病または不安障害を有する患者3,983人のデータであった。 その結果、対象者の36.7%は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の処方を受けている状態で妊娠に至っていた。これらの患者のうち17.8%は妊娠中に一度も処方を受けておらず、64.6%は60日を超える処方の中断期間があった。服用中止率は、妊娠初期、中期、後期でそれぞれ29.7%、31.6%、38.6%で大きな差はなかった。妊娠前の精神科外来受診率および精神科救急受診率は、抗うつ薬の継続群と中止群で同程度であった。一方、妊娠中の精神科救急受診率は中止群で高く、妊娠第1カ月および第9カ月にピークが認められた。具体的には、妊娠第1カ月では1,000人当たり58件対37件、第9カ月では1,000人当たり59件対29件であった。 Zafman氏は、「精神疾患を有する妊婦を診療している医師にとっては必ずしも驚くべき結果ではないが、母子保健政策を検討する上では極めて重要な知見である。妊婦のメンタルヘルスを真摯に捉え、臨床的に適切な場合には薬物療法を含むあらゆる治療選択肢を提示する必要性を強調する結果である」と述べている。(HealthDay News 2026年2月12日) https://www.healthday.com/healthpro-news/pregnancy/smfm-mental-health-emergency-rate-elevated-with-discontinuation-of-antidepressants-in-pregnancy Press Releasehttps://www.smfm.org/news/studydiscontinuingantidepressantsin-pregnancynearly-doublesrisk-of-mental-health-emergencies More Informationhttps://smfm2026.eventscribe.net/ Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock