まれな眼腫瘍であり、中枢神経系リンパ腫(PCNSL)と併存することの多い硝子体網膜B細胞リンパ腫の臨床的特徴が報告された。Doctor Peset University Hospital(スペイン)のMara Albert-Fort氏ら、国際硝子体網膜B細胞リンパ腫登録研究グループの研究によるもので、詳細は「Clinical & Experimental Ophthalmology」に3月1日掲載された。硝子体網膜B細胞リンパ腫は眼球に発症する中枢神経系B細胞リンパ腫だが、初期にはぶどう膜炎と誤診されやすく、眼科領域での典型的な仮面症候群として知られている。生命予後不良な疾患であるPCNSLの初発病変として本疾患が出現した場合、迅速な診断が極めて重要となる。しかし本疾患はまれであるため、臨床的な特徴は十分には明らかにされていない。その一方で、本疾患の臨床像は人種/民族による差は少ないと考えられている。これらを背景として、Albert-Fort氏らの研究グループによる国際レジストリを用いた臨床的特徴の解析が行われた。解析対象は、2020年1月~2024年6月に初発の硝子体網膜B細胞リンパ腫と診断された18歳以上の患者138人(平均年齢65.8±12.4歳、男性57人、女性81人)。硝子体網膜非B細胞リンパ腫や非リンパ系眼腫瘍などは除外されている。年齢は、男性が女性よりも若く(62.7±11.5対68.1±12.5歳〔P=0.010〕)、60歳未満の割合が女性は21.0%であるのに対して男性は40.4%を占めていた。地域の分布には性別による有意差がなかった。診断方法は、眼組織検体を用いた細胞ベースまたは分子検査によるものが80.4%と多くを占めており、臨床所見による診断は19.6%だった。患者の65.0%は両眼性であり、硝子体浸潤は90.6%、網膜浸潤は60.1%に認められ、前眼部浸潤は23.9%、視神経浸潤は7.2%だった。リンパ腫のタイプが特定されている101人において、100人(99.0%)はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫であった。37人(26.8%)には、眼局所病変とともに眼外のリンパ腫が認められた。これらの眼外病変の多くは中枢神経系内にあり、脳27人、軟膜7人、脊髄1人であった。中枢神経系以外の眼外病変は7人に認められた。一方、36人(26.1%)は眼局所病変の診断前に眼外リンパ腫が診断されており、その初発病変は主に中枢神経系(30人)だった。全患者の96.4%でOCT(光干渉断層撮影)検査が実施されており、そのうち80.5%に網膜下結節や網膜下色素上皮結節などの所見が記録されていた。227眼で測定されていたスネレン視力は広い範囲に分布し、中央値は6/12だった。論文の責任著者であるフリンダース大学(オーストラリア)のJustine Smith氏は、「得られた研究結果は、診断が遅れると深刻な結果を招くことのある本疾患を早期に鑑別するための実践的な情報を、臨床医に提供するものとなった」と述べている。(HealthDay News 2026年3月6日) https://www.healthday.com/healthpro-news/eye-care/eye-clinicians-identify-features-of-vitreoretinal-lymphoma-presentation Abstract/Full Text(フルテキストの閲覧は有料となることがあります)https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ceo.70067 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock