地域レベルおよび集団レベルにおける大腸がん(CRC)のサーベイランス手法として、wastewater-based epidemiology(下水疫学)の活用が可能であることを示した研究結果が、「Journal of Epidemiology & Community Health」に3月17日掲載された。米Geneoscopy Inc.のElizabeth Wurtzler氏らは、地域の下水からCRC関連RNAバイオマーカーが検出可能かどうかを検討し、その結果を提示した。RNA発現量の定量にはドロップレットデジタルPCR法を用い、ハウスキーピング遺伝子のGAPDHおよび大腸腫瘍関連マーカーのCDH1を測定した。さらに、大腸腫瘍と関連するCDH1領域の発現量の増加を、下水サンプル中のCDH1の濃度全体を反映する指標として評価した。解析対象は、4つの地域クラスター(CRCクラスター3つ、対照クラスター1つ)とした。その結果、正規化された大腸腫瘍関連RNAマーカー(CDH1/GAPDH)の平均値は、CRCクラスター1、2、3でそれぞれ20.0、2.2、4.0、対照クラスターでは2.6であった。著者らは、「がん負荷の把握を目的とした新たな下水サーベイランスの応用に関するこの基礎的な概念実証研究により、CRCと関連するCDH1が下水中で検出可能であることが示された。これは、疫学研究における同分野の発展を加速させる可能性がある。CDH1が検出されたという結果は有望であるが、より確定的な知見を得るためには、研究の拡大および統計的検出力を確保するためのサンプルサイズの増加が必要である」と述べている。なお、複数の著者がGeneoscopy社との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2026年3月18日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cancer/wastewater-surveillance-can-track-potential-colorectal-cancer-burden Abstract/Full Texhttps://jech.bmj.com/lookup/doi/10.1136/jech-2025-224253 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock