高齢者では、認知機能低下が心血管疾患(CVD)イベントに先立って認められるという研究結果が、「JAMA Network Open」に4月20日掲載された。モナシュ大学(オーストラリア)のSwarna Vishwanath氏らは、ネステッドケースコントロール研究において、CVDイベント発生前の高齢者における認知機能の推移を、CVDイベントがない対照群と比較した。データは、Aspirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)ランダム化比較試験およびその延長観察研究(ASPREE-XT)から抽出した。対象は、CVDの病歴がない、オーストラリアおよび米国の地域在住高齢者(65歳以上)から成る前向きコホートであった。11年間で、参加者1万9,114人のうち1,934人にCVDイベントが発生した。症例群のうち、判定委員会により確認されたCVDイベントを有する1,887人が、対照群7,548人とマッチングされた。解析の結果、CVDイベントがなかった人と比較して、CVDイベントが発生した人では、イベント発生の3~8年前から認知機能が低下していたことが分かった。CVDイベント発生前の数年間には、対照群と比較して、全般的な認知機能、エピソード記憶、情報処理速度、言語流暢性のより急速な低下が見られた。全般的な認知機能の複合スコア、実行機能の複合スコアについても、より急速な低下が見られたが、記憶の複合スコアでは有意な差は見られなかった。致死的な冠動脈性心疾患、脳卒中、心不全による入院に関して、同様な認知機能の推移が見られたが、このようなパターンは非致死的心筋梗塞では見られなかった。著者らは、「今回の知見は、高齢者における早期の認知機能モニタリングの重要性を強調するものであり、特に多様な集団におけるCVDイベント発生前の認知機能の推移について、さらなる研究の必要性を示唆するものである」と述べている。なお、1人の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2026年4月28日) https://www.healthday.com/healthpro-news/cardiovascular-diseases/deterioration-in-cognitive-function-precedes-cvd-events-in-seniors Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2847956