敗血症性ショックが疑われる小児患者への輸液蘇生において、緩衝化晶質液と0.9%生理食塩水を比較したところ、死亡、新規腎代替療法の開始、または持続性腎機能障害から成る複合主要アウトカムの発生率は同程度であるという研究結果が、米国小児科関連学会の年次学術集会(PAS 2026、4月24~27日、米ボストン)の開催にあわせ、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に4月23日掲載された。米フィラデルフィア小児病院のFran Balamuth氏らは、敗血症性ショックが疑われ、灌流異常を呈する生後2カ月以上18歳未満の小児を対象に、5カ国47カ所の救急部門でプラグマティック臨床試験を実施した。対象者は、最長48時間にわたる輸液蘇生で緩衝化晶質液を使用する群または0.9%生理食塩水を使用する群のいずれかにランダムに割り付けられた(解析に含まれたのはそれぞれ4,235人、4,247人)。主要アウトカムは、登録後30日以内または退院時のいずれか早い時点までに発生した主要有害腎イベント(死亡、新規腎代替療法の開始、持続性腎機能障害から成る複合アウトカム)であった。解析の結果、主要アウトカムイベントは、緩衝化晶質液群の3.4%、0.9%生理食塩水群の3.0%に発生した。登録後28日間における非入院日数の中央値は、両群とも23日であった。高クロール血症は緩衝化晶質液群の31.4%、0.9%生理食塩水群の49.0%に発生し、高ナトリウム血症はそれぞれ1.8%、3.1%、高乳酸血症はそれぞれ19.8%、16.7%に発生した。その他の安全性アウトカムおよび有害事象に差は見られなかった。Balamuth氏は、「救急部門で敗血症が疑われる小児を診療する際には、すぐに使用できるいずれの輸液を用いても治療できる。これは、世界中の小児にとって良い知らせだと考えている」と述べている。なお、複数の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。(HealthDay News 2026年4月29日) https://www.healthday.com/healthpro-news/infectious-disease/pas-balanced-crystalloid-fluid-09-percent-saline-comparable-in-pediatric-septic-shock Abstract/Full Texthttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2601969