痙攣発作は既知のがん合併症の一つであるが、がん未診断の段階で生じた初回発作が、未診断がんの早期徴候となっているのかは明らかでない。オーフス大学(デンマーク)および同大学病院のAndreas Lund Pedersen氏らは、同国の全国医療登録データ(Danish National Patient Registry;DNPR)を用いたコホート研究によりこの点を検討。結果の詳細が「JAMA Neurology」に4月27日掲載された。1996~2022年のDNPRには約690万人のデータが記録されている。このうち初回発作で病院を受診し、先行するがんやてんかんの既往がない18歳以上の成人は4万9,894人(年齢中央値51.5歳〔四分位範囲35.6~67.8〕、女性41.4%)だった。この集団を対象として、国外移住、死亡、または2022年末のいずれか早い時点までがんの罹患を追跡し、絶対リスク(AR)および一般人口を対照とする標準化罹患比(SIR)を、追跡期間別に算出した。がんは神経系原発と非神経系に分類し、神経系への転移がんは原発部位に従って分類した。追跡開始から最初の1年未満に2,022件のがん(神経系のがん1,172件、非神経系のがん850件)が記録されており、1~5年未満では1,313件(同順に87件、1,226件)、5~20年では2,232件(112件、2,120件)が記録されていた。全てのがんのARは、初回発作から1年未満4.1%、1~5年未満3.5%、5~20年13.4%であり、SIRは同順に5.30(95%信頼区間5.07~5.54)、1.18(同1.12~1.25)、1.34(1.28~1.40)であった。このうち神経系のがんのARは、2.4%、0.2%、0.7%であり、SIRは76.1(71.8~80.6)、1.85(1.48~2.28)、1.46(1.20~1.75)、非神経系のがんのARは1.7%、3.3%、12.8%であり、SIRは2.32(2.17~2.48)、1.15(1.09~1.22)、1.33(1.28~1.39)だった。がんの診断は、初回発作後1カ月以内に特に多く、神経系のがんは1,000人年当たり191.4、非神経系のがんは同95.3であり、ともに時間の経過に伴い減少していた。部位別に見た場合に一般人口とのリスク差が最も大きいがんは脳腫瘍であり、SIRは初回発作後1年未満が98.7(92.2~105.6)、1~5年未満が2.20(1.67~2.85)、5~20年では1.59(1.22~2.03)だった。非神経系のがんでも、肺・気管支・気管のがん(初回発作後1年未満のSIR 5.94〔5.27~6.67〕)などのリスク上昇が認められた。Pedersen氏らは、「われわれの研究結果は、初回発作が、未診断の神経系および非神経系のがんの早期臨床兆候である可能性を示唆しており、初回発作を経験した患者に対してより広範な検査の施行を検討することの重要性を強調している」と述べている。(HealthDay News 2026年5月13日) https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/first-time-seizures-linked-to-increased-risk-for-cancer Abstract/Full Texthttps://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/article-abstract/2848080