炎症性腸疾患(IBD)患者では、診断の2~3年前から診断後10年まで精神疾患のリスクが上昇するという研究結果が、8月5日付で「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に掲載された。中山大学(中国)のJiangwei Sun氏らは、IBD診断前後における精神疾患リスク上昇の経時的なパターンについて検討した。2007~2023年にIBDと診断されたスウェーデンの患者を、人口ベースコホートではマッチングした対照者と、きょうだい対照コホートではIBDのない実きょうだいと比較した。研究には、IBD患者4万3,862人と対照者17万8,821人が含まれた。その結果、全精神疾患のハザード比(HR)はIBD診断の2~3年前から上昇し始め(診断2年前のHR 1.15)、診断直後にピークに達し(診断後0.5年ではHR 1.50)、その後急速に低下したが、診断後10年経過しても高いままであった(HR 1.19)。HR上昇の主な要因は、うつ病、不安症、物質使用症であった。精神病性障害、パーソナリティ症、注意欠如多動症(ADHD)ではリスク上昇は認められなかった。一方、IBD患者では、診断直後に自閉スペクトラム症が、診断5年後以降に摂食症が認められる可能性が高かった。HRの経時的なパターンはIBDの全てのサブタイプで同様であった。きょうだい対照コホートでも、精神疾患について同様のリスク上昇が認められた。著者らは、「今回の研究結果は、メンタルヘルスに対する認識を高め、IBD管理に心理的ケアを組み込む必要性を示している。また、IBDの診断精査の段階から長期間にわたり、複数の精神疾患に注意を払う必要がある」と述べている。なお、複数の著者がバイオ医薬品企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。(HealthDay News 2026年8月11日) https://www.healthday.com/healthpro-news/digestive-system/risk-for-psychiatric-disorders-begins-to-increase-before-diagnosis-of-ibd Abstract/Full Texthttps://www.cghjournal.org/article/S1542-3565(26)00485-4/fulltext Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock