皮質厚の変化は、陽電子放出断層撮影(PET)で検出可能なアミロイド陽性化に数年先行する可能性があるという研究結果が、8月19日付で「Nature Neuroscience」に掲載された。オスロ大学(ノルウェー)のJames M. Roe氏らは、認知機能が正常な3つのコホートから得られた縦断的な磁気共鳴画像法(MRI)およびアミロイドβ(Aβ)PETのデータを統合し、その後Aβ陽性へ移行した人における皮質厚の推移を検討した。MRI画像は、Aβ陽性への移行の数年前に取得されていた。その結果、後にAβ陽性となった人では、皮質がより厚く、皮質菲薄化の進行が緩やかであった。こうした所見は、Aβ陽性となる最大7年前から検出可能であった。また、Aβの蓄積量を考慮して解析しても、皮質厚の差の多くは依然として認められたことから、皮質厚の変化の一部はAβ蓄積だけでは説明できない可能性が示唆された。さらに、皮質厚の差やその経時的変化が見られる脳領域の分布は、Aβが沈着する領域の分布とある程度一致しており、皮質厚が変化する時期もAβ蓄積の進行とおおむね対応していた。共著者で同大学のAnders M. Fjell氏は、「本研究で最も画期的なのは、アルツハイマー病の最も早期の徴候と考えられているアミロイドプラークの蓄積が確認される何年も前から、脳の構造変化が認められたことである。対象となったのは、認知機能が良好に保たれている高齢者である。本研究の特徴は、最初の画像検査でプラークが確認される前の数年間にわたり、脳構造がどのように変化していたかを検討した点にある」と述べている。なお、本研究で使用されたデータの一部は、バイオ医薬品企業から資金提供を受けているAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiativeから取得されたものである。また、2人の著者が製薬企業および医療技術企業との利益相反(COI)に関する情報を開示している。(HealthDay News 2026年8月24日) https://www.healthday.com/healthpro-news/neurology/cortical-thickness-alterations-can-precede-amyloid-positivity Abstract/Full Texthttps://www.nature.com/articles/s41593-026-02363-4 Copyright © 2026 HealthDay. All rights reserved.Photo Credit: Adobe Stock