1-1 HDN2月22日「今日のニュース」No.2

ロビン・ウィリアムズの自殺後、後追い自殺が増加か

2014年、人気俳優のロビン・ウィリアムズが自ら命を絶ったとのニュースが報じられ、世界中のファンに衝撃を与えた。しかし、悲劇はそれだけにとどまらなかった。米コロンビア大学公衆衛生学部のDavid Fink氏らによる研究から、ウィリアムズの自殺から4カ月間に米国では自殺者が10%増加していたことが分かったという。同氏らは「ウィリアムズの自殺報道による影響で後追い自殺が多発した可能性がある」との見方を示している。この研究結果は「PLOS ONE」2月7日オンライン版に掲載された。

2014年8月11日、ウィリアムズはカリフォルニア州の自宅で縊死したことが報じられた。彼にはうつ病の既往があったが、そのほかにレビー小体型認知症と診断されていたことが後に明らかになった。

Fink氏らは今回、ウィリアムズの自殺による影響を調べるため、米疾病対策センター(CDC)の1999~2015年の自殺データを予測モデルを用いて解析した。その結果、自殺が報じられた2014年8月から12月の自殺者数は1万6,849人と予測されたが、実際には1万8,690人が自殺しており、予測を1,841人上回っていた。また、ウィリアムズの自殺から5カ月間に死因が「窒息(縊死も含まれる)」に分類される自殺者は32.3%増加していたが、それ以外の死因(切創・刺創や高所墜落、薬物中毒など)に分類される自殺者は3%の増加にとどまっていた。さらに、この間に特に自殺者が増えたのは30~44歳の男性だったことも分かった。

Fink氏は「自殺は極めて複雑な問題で、さまざまな因子が影響して発生する」とした上で、「ウィリアムズのような著名人が自殺した場合、そのことが従来のメディアやソーシャルメディアでどのように伝えられるかが人々の自殺リスクを左右する可能性はある」と指摘している。

ただ、同氏らによると、人気バンドのニルヴァーナのシンガーだったカート・コバーンが1994年に自殺した後には自殺者の増加はみられなかったという。その理由として同氏らは、コバーンの自殺についてはウィリアムズの時のようなセンセーショナルな報じられ方はされず、自殺の詳細も明かされなかったこと、当時はソーシャルメディアがそれほど普及していなかったことが背景にあるのではないかと考察している。

精神疾患の研究などを支援する非営利団体Brain & Behavior Research Foundation代表のJeffrey Borenstein氏は「この研究結果は因果関係を証明したものではないが、家族や学校の同級生、近所の住民、あるいは著名人が自殺したことで周りにもそれが“伝染”する場合があることは誰もが知っている」とした上で、「今回の研究で示された自殺増加の原因が何であれ、自殺を図る人は治療の対象となる精神症状を抱えていることを認識し、適切に対処する必要がある」と指摘している。

さらに、同氏は「自殺リスクのある人と自殺について話すのは危険なことだと考える人もいるが、これまでの研究からは話し合っても安全性に問題はないことが示されている。愛する人が自殺したいと考えていることが分かれば、適切な治療につなげることができる」と強調している。(HealthDay News 2018年2月7日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/suicide-health-news-646/did-robin-williams-suicide-spur-copycat-acts-730895.html

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Blur background : Patient waiting for see doctor at hospital ,abstract background.

病院で薬剤耐性菌が多く潜んでいる場所とは?

病院の排水が薬剤耐性菌の発生に関係している可能性が、米国立衛生研究所(NIH)のグループによる研究で示された。研究では、集中治療室の下水道のパイプと病院排水の下水道につながるマンホールから排水を採取して調べた結果、そのほとんどで細菌に抗菌薬への耐性をもたらす環状のDNAであるプラスミドが認められたという。詳細は「mBio」2月6日号に掲載された。

この研究はNIH臨床センターのKaren Frank氏らが実施したもの。同氏らは今回、病院の排水のほか、カウンターの表面やドアノブ、パソコン、電話など人が触れる機会が多い場所からサンプルを採取し、遺伝子解析を実施した。その結果、下水道のパイプやマンホールから採取したサンプルのほとんどでカルバペネム系薬耐性遺伝子を複数の菌種に伝播させるプラスミドが陽性であることが分かった。カルバペネム系薬は多剤耐性菌に感染した患者に投与する「最後の手段」となる抗菌薬である。

一方、カルバペネム系薬耐性遺伝子を伝達するプラスミドの陽性率は、カウンターの表面やドアノブなどの人が接触する機会が多い場所から採取されたサンプル(計217サンプル)ではわずか1.4%で、シンクから採取されたサンプル(計340サンプル)でも3.2%だった。

近年、病院排水が細菌に薬剤耐性をもたらすプラスミドの「貯留場所」となることを支持するエビデンスが集積されつつあるが、研究グループは「この知見は、病院から出る排水に細菌の耐性獲得をもたらすプラスミドが溜まっていることをあらためて裏付けるもの」と説明している。

ただ、患者が触れる機会が多い院内の各所から採取されたサンプルでは、そのようなプラスミドの陽性率は低かったことから、Frank氏は米国微生物学会(ASM)のプレスリリースで「薬剤耐性菌の院内コントロールを目指した取り組みは成功していることが示唆されたともいえる」との見解を示している。さらに、同氏は「患者には感染しなくても、病院排水に大量のプラスミドが存在するという事実がどの程度重要なのかという新たな疑問も浮かび上がってきた」としている。

なお、一部の専門家は、病院排水にこうしたプラスミドがみられる要因の一つとして、病院で日常的に強力な抗菌薬が使用されていることを挙げている。(HealthDay News 2018年2月6日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/a-hidden-source-of-superbugs-in-hospitals-730760.html

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A doctor makes a vaccination to a child

「インフルワクチン、流行の型に対する効果は25%」米で分析結果

米疾病対策センター(CDC)は2月15日、今シーズンに米国で最も多くの患者をもたらしたH3N2型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの予防効果は25%にとどまるとの分析結果を明らかにした。米国では例年を大幅に上回る規模でインフルエンザの感染が拡大しているが、その一因としてワクチンの効果の低さが指摘されていた。今回の分析結果はそれを裏付けるものとなった。

発表されたワクチンの効果は今シーズンの中間データに基づき推定されたもの。ワクチンの効果分析に関する報告書は米国での今シーズンのインフルエンザの概況に関する報告書とともに「Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)」2月16日号に掲載された。

報告書によると、今シーズンに流行した全ての型のインフルエンザに対するワクチンの効果は36%、今シーズンに大流行しているH3N2型(A型インフルエンザウイルスの亜型の一つ)に対するワクチンの効果は25%と推定された。一方、2009年に大流行し、その後も毎シーズン感染が報告されているH1N1型に対しては67%、B型インフルエンザに対する効果は42%と推定された。6カ月以上8歳未満の小児では、全ての型のインフルエンザウイルスに対するワクチンの効果は59%と推定された。

米国以外にもH3N2型ウイルスに対するワクチンの効果が低かったためにインフルエンザによって大きな打撃を受けている国がある。例えば、オーストラリアではワクチンの効果は10%程度であったと推定されているほか、カナダでもその効果は10~20%だったと報告されている。

今シーズンはワクチンの製造時に予測されたウイルス型と実際に流行したウイルス型との一致率が低かったが、今後はワクチンによる効果が期待できるH3N2型以外のウイルスの感染が広がる可能性があることから、CDCは「ワクチンをまだ接種していない人は、今からでも接種してほしい」と呼び掛けている。

良いニュースもある。CDCは2月16日の記者会見で2月4~10日の一週間にインフルエンザが報告された州は43州で、前週の48州から減少したことを明らかにした。また、米国の医療機関を受診した全患者に占めるインフルエンザ様症状の患者の割合も2月4~10日は7.5%となり、前週の7.7%から減少した。

しかし、依然としてインフルエンザによる入院率は上昇し続けており、2月4~10日の10万人当たりの入院率は67.9人と前週の59.9人から増加した。今シーズンにインフルエンザが原因で死亡した小児は2月10日までに84人となった。(HealthDay News 2018年2月15日、16日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/flu-season-shows-first-signs-of-slowing-731220.html

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強い意志だけでは「減酒」は達成できない?

今年こそは酒量を減らそう―。新年の抱負として、そう心に決めたときの気持ちに偽りはなかったとしても、それだけでは実際に酒量を減らすことにはつながらないようだ。飲酒習慣に問題のある英国の成人約3,000人を対象とした研究から、飲酒量を減らしたいという「減酒」の意欲があっても、その後の飲酒量の減少には結びついていないのが実態であることが分かったという。詳細は「Addiction」1月25日オンライン版に掲載された。

この研究を実施したのは、英ブリストル大学のFrank de Vocht氏ら。英イングランド地方で16歳以上の男女を対象に実施されている調査に回答した飲酒者のうち、飲酒量が標準量をやや上回るレベルから、アルコール依存症の疑いがあるレベルまでを含む高リスク飲酒者計2,928人のデータを分析した。

飲酒量は「アルコール使用障害特定テスト(AUDIT)」の質問票を用いて初回調査時とその6カ月後の電話調査時に評価した。減酒の意欲の程度はMRAC(Motivation to Reduce Alcohol Consumption)と呼ばれる尺度によって評価した。また、2回目の調査時には過去6カ月間に酒量を減らそうと試みた回数についても聞いた。

その結果、初回調査時に約5人に1人が「酒量を減らしたい」と回答し、そうした減酒の意欲のある飲酒者では、意欲を示さなかった飲酒者と比べて2回目の調査時までに実際に減酒を試みた人の割合が高かった。しかし、全体の平均飲酒量は初回調査時と比べて2回目の調査時には減少していたにもかかわらず、初回調査時に減酒の意欲を示した飲酒者では、そのような意欲を示さなかった飲酒者と比べて2回目の調査時の飲酒量はむしろ多いことが分かった。

de Vocht氏は「酒量を減らそうと試みても、結局すぐに“いつものパターン”に戻ってしまうというのはよくある話だ。今回の研究結果はそれに当てはまる」と説明。今回の研究には関与していない米国薬物乱用常習センター(CASA)のLinda Richter氏も、これに同意を示した上で「飲酒行動のきっかけとなるのは生理的な要因だけでなく、社会的あるいは環境的な要因など多様だ。これらに対抗するには意欲や決意だけでなく、家族や友人のサポート、専門家のカウンセリングを含めた具体的な行動計画が必要だ」としている。

今回の研究では対象者全体の平均飲酒量は減少していたが、この点についてRichter氏は「明確な原因は分からないが、研究に参加することで自分の飲酒量を意識するようになったことが影響しているのではないか」との見方を示している。

なお、Richter氏は高リスク飲酒者が専門家に助けを求める前に試すとよい減酒の方法として「自分の飲酒量を記録する」「酒を飲みたい気持ちにさせる人や場所を避ける」「飲酒に代わる趣味や活動を見つける」といった米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)が推奨する対策を紹介。ただし、状態が悪化する前に早めに専門家を頼ることも大切だと強調している。一方、前出のde Vocht氏は「意志の弱い人は友人や家族の協力を得たり、飲酒量を監視するスマートフォンのアプリを利用したりするのも有用だ」と助言している。(HealthDay News 2018年1月30日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/alcohol-abuse-news-12/resolutions-to-cut-drinking-may-be-tough-to-keep-730633.html

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4.1.1

サーファーの腸内には薬剤耐性菌が多い?

サーファーの腸内には抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」が住み着いている確率が通常の3倍に上ることが、英エクセター大学医学部のAnne Leonard氏らによる調査で明らかになった。最近、世界各地で採取された海水から薬剤耐性菌が見つかったとの報告が相次いでいるが、サーファーは海水を飲み込んでしまう機会が多い。同氏らのグループは「因果関係が証明されたわけではないが、このようなリスクがあることは認識しておくべき」としている。調査結果は「Environment International」1月14日オンライン版に掲載された。

薬剤耐性菌の拡大は現在、世界で最も重大な問題の一つとなっている。Leonard氏らによると、特に最近は自然環境でどのように薬剤耐性菌が広がっていくのかについて関心が高まっているという。

今回の研究は、自然環境で人間が薬剤耐性菌にさらされることで腸内細菌にどのように影響するかを明らかにすることを目的に実施された。対象は、英国の沿岸で定期的にサーフィンを楽しんでいるサーファー143人と、サーファーではない130人。なお、Leonard氏らの調べでは、サーファーが飲む海水の量は海で泳ぐ人の約10倍であることが確認されている。

同氏らが対象者の糞便を調べた結果、サーファー群の9%(143人中13人)で第三世代セファロスポリン薬の一つであるセフォタキシムに耐性を示す大腸菌が見つかった。これに対し、非サーファー群ではこうした薬剤に耐性を示す大腸菌が見つかった人の割合は3%(130人中4人)だった。

さらに、細菌に薬剤耐性を獲得させる遺伝子(blaCTX-M)を保有する大腸菌が見つかった人の割合も、サーファー群では非サーファー群の4倍だった。この遺伝子は細菌から細菌へと受け継がれるため、薬剤耐性菌の拡大が促される可能性があるという。

研究責任者で同大学のWill Gaze氏は「われわれは人々が海の中に入ることを阻止したいわけではない。マリンスポーツは良い運動になるだけでなく、自然と触れ合う貴重な機会にもなる。ただ、海水浴やマリンスポーツを楽しむ際には、このようなリスクがあることを理解した上で判断することが重要だ」と話している。なお、今回の調査結果が英国の沿岸地域以外の海水にも当てはまるかどうかについては不明である。(HealthDay News 2018年1月30日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/antibiotics-news-30/surfers-swallow-lots-of-seawater-so-is-it-harmful-730221.html

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A man is working at a standup desk in an office where he works because standing is healthier than sitting all day. Live healthy, don’t sit all day.

「座らずに立って過ごす」だけで痩せられる?

減量したい人は、この研究結果を知れば毎日あと数時間は立って過ごそうという気持ちになるかもしれない―。「European Journal of Preventive Cardiology」1月31日オンライン版に掲載された米メイヨー・クリニックのFrancisco Lopez-Jimenez氏らの論文によると、座って過ごす代わりに立って過ごすだけで、エネルギー消費量が増加することが46件の研究データのメタ解析で明らかになったという。

Lopez-Jimenez氏らは今回、座っている場合と立っている場合のエネルギー消費量を比較検討した46件の研究(対象者は計1,184人)のデータを解析した。対象者の平均年齢は33歳、60%が男性で、平均BMIは24、平均体重は65kgだった。

その結果、座って過ごす代わりに立って過ごすと、エネルギー消費量が1分当たり0.15kcal増えることが分かった。これは、例えば体重65kgの成人が1日6時間のデスクワークをスタンディングデスクでの立ち仕事に変更すれば、1日当たりのエネルギー消費量が54kcal増えることに相当するという。また、その成人が立って過ごす時間をそのまま維持し、食事の量にも変化がなければ、1年以内に2.5kg、4年以内に10kg減量できると推定された。

Lopez-Jimenez氏は「座って過ごす代わりに立って過ごすことで得られるメリットは、体重コントロールだけにとどまらない。立位を保つことに伴う筋力の維持は、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの発症リスクの低減にも関連する」と説明。この研究には関与していない米レノックス・ヒル病院の循環器医であるRachel Bond氏もこれに同意し、「座って過ごすことが心血管疾患のリスク因子に大きく影響ことは明確に分かっている」と指摘している。

さらにLopez-Jimenez氏は、解析の対象となった研究のほとんどが「じっと座っている場合」と「じっと立っている場合」を比べたものであることに言及し、「実際には立っていても小さな動きを伴う場合が多いため、実生活で得られるメリットはより大きい可能性がある」と指摘。「立っていても無意識のうちに左から右へ重心を移したり、体を揺らしたり、前後に足を動かしたりするものだ。また、仕事中に戸棚にファイルを取りに行ったり、ごみ箱にごみを捨てに行ったりするなど、歩く機会もあるだろう」と同氏は説明している。

米サウスサイド病院のAzhar Supariwala氏は「座ってばかりのライフスタイルよりも、体を動かしたり立って過ごしたりする方が良いとするエビデンスは蓄積されつつあるが、この研究もその一つだ」と説明。その上で、「できるだけ座らず立って過ごす、あるいは万歩計を利用して毎日の歩数をカウントする、毎日一緒にウォーキングを楽しむパートナーを見つけるといったことを通じた日常的な身体活動の継続は健康増進に役立つだろう」と話している。(HealthDay News 2018年2月1日)

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4.1.1

流行の「点滴ラウンジ」は安全か?

二日酔いや時差ぼけをすぐに解消できることなどを謳った「点滴ラウンジ(IV Lounges)」が全米各地で人気を集めている。しかし、こうした施設での点滴は効果がないばかりか重篤な疾患や感染のリスクもあるとして、医師らが警鐘を鳴らしている。

点滴ラウンジでは利用客のニーズに応じて生理食塩水やビタミン剤、薬剤が配合されたさまざまな点滴静注液が提供されている。例えば、二日酔い解消用の点滴バッグには通常、制吐薬が含まれている。現在は今シーズンのインフルエンザ流行を受け、多くの点滴ラウンジで「免疫力を高める作用がある」という点滴が提供されている。

点滴サービスは80~875ドル(約9,000~9万6,000円)程度で提供されていることが多い。しかし、米ペンシルベニア大学ペレルマン医科大学院のStanley Goldfarb氏によると、点滴サービスのほとんどは規制の対象外となっているため、安全性が確保されていない中での処置によって利用者が危険にさらされている可能性を懸念する声が医療関係者から上がっているという。

点滴ラウンジの流行は、歌手のリアーナやモデルのシンディ・クロフォード、音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルといった著名人が利用を公言したことがきっかけで加速した。女優のリサ・リナはテレビのリアリティ番組でビバリーヒルズの自宅で娘とともに点滴を受けている姿を見せた。

米レノックス・ヒル病院のRobert Glatter氏によると、点滴ラウンジの先駆けともいえるのが、2012年にラスベガスに登場した移動式の点滴ユニット“二日酔い天国(Hangover Heaven)”だ。酒の飲み過ぎで二日酔いになった利用客が宿泊するホテルの部屋まで出張して点滴するというこの点滴ユニットのサービスは話題を呼び、その後全米に類似したサービスが広がった。点滴の内容も二日酔い解消だけでなく、時差ぼけ解消や美容、免疫力の増強、脱水予防などさまざまな効果を謳ったものが登場した。

しかし、二日酔いを解消するという点滴の効果について前出のGoldfarb氏は懐疑的だ。「点滴で水分を補給してもアルコールが分解されて生じた毒(アセトアルデヒド)が体外に排出されるスピードが速まるわけではないし、尿の量は増えても排出される毒の量は増えない」と同氏は指摘。ただ、嘔吐や下痢で脱水状態になりそうな人には「点滴で水分を補給するメリットはあるかもしれない」としている。

看護師の資格を持つElaine Wozniak氏は、自身が運営する高齢者施設の一画に点滴ラウンジを設けている。このラウンジで提供しているのは猛暑時の脱水症患者や試合を控えたアスリートに対する水分補給のための点滴で、二日酔い解消を目的とした点滴は行っていない。ただ、「二日酔い解消の点滴を受けた経験がある医療関係の知り合いが全員、点滴を受けラウンジを出る頃にはかなり気分が良くなっていたと話していた」との理由で、同氏は二日酔いに対する点滴の効果はあると考えているという。

これに対し、Goldfarb氏は「二日酔いの改善はプラセボ効果」と見る。別の専門家も、特に料金が高くなるほどプラセボ効果が高まることを指摘している。また、Goldfarb氏は「点滴しなくても通常、二日酔いは数時間のうちに改善するものだ。ラウンジで受付を済ませ、点滴を受けて帰るまでの時間に回復し、それを点滴の効果だと思い込んでいるのではないか」と話している。

さらに、看護師であるWozniak氏のラウンジでは点滴の前に病歴聴取や簡単な診察を行っているというが、「そのような良心的な施設ばかりではない」とGoldfarb氏らは警告。特に心疾患や高血圧がある人には塩分を多く含む点滴液が悪影響を与える可能性があることに同氏は懸念を示している。

前出のGlatter氏も、不適切な処置によって空気塞栓や血管外への点滴液の漏出、感染症のリスクが高まるだけでなく、注入速度を誤ると脳浮腫や心不全、腎障害に至る場合もあることを指摘。安全な処置を適正に行うよう点滴ラウンジに対する規制を強化するとともに、消費者の意識を高める必要があるとの見解を示している。(HealthDay News 2018年1月31日)

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米国ではイヌのインフルエンザも流行中

米国ではこの冬、インフルエンザが猛威をふるっているが、インフルエンザによる打撃を受けているのでは人間だけではないようだ。米国の一部の地域でイヌのインフルエンザが流行しているというのだ。イヌからヒトに感染することはないが、ウイルスに曝露したイヌのほとんどが感染するため「一気に地域で感染が広がる可能性がある」として獣医師らが注意を呼び掛けている。

米コーネル大学動物衛生診断センターのAmy Glaser氏によると、これまでにイヌのインフルエンザ感染が報告されているのはフロリダ州、ケンタッキー州、テネシー州、オハイオ州、カリフォルニア州の一部地域。イヌが感染する可能性があるインフルエンザウイルスの型はH3N8型とH3N2型の2種類で、いずれもA型インフルエンザウイルスの亜型だという。

米国獣医師会(AVMA)会長のMichael Topper氏は「イヌのインフルエンザはA型インフルエンザウイルスに感染することで発症する伝染性の高い呼吸器感染症だ。感染してもほとんどは軽症で済むが、ウイルスに曝露したイヌのほとんどが感染する」と説明する。感染経路に関しては「既に感染しているイヌとの接触のほか、ウイルスが付着した餌や飲み水、おもちゃを介して感染する可能性がある」としている。

なお、前出のGlaser氏によると、米国内のイヌはほとんどがインフルエンザウイルスに曝露したことがないため、もし曝露するとすぐに感染して発症してしまい、周りのイヌにも一気に広がる可能性がある。ただ、幸いなことに米疾病対策センター(CDC)は「イヌからヒトに感染した例はこれまで報告されていない」としている。また、イヌの間での感染も一部の地域に限られ、広範囲に拡大する可能性は低いようだ。

イヌのインフルエンザの症状はヒトと同様で、咳やくしゃみ、鼻水、倦怠感、発熱、食欲不振など。また、嘔吐や下痢がみられることもある。多くは軽症のまま2~3週間以内に回復するが、重症例では二次性の細菌感染によって肺炎を起こす場合もあるという。Topper氏によれば、治療は二次性の感染や肺炎、脱水の有無に応じて決定される。妊娠しているイヌや呼吸器あるいは免疫系に基礎疾患を抱えるイヌに対しては、こうした状態を考慮した治療が行われる。Glaser氏は「もしイヌがインフルエンザに感染したら他のイヌへの感染を避けるため21日間は隔離すべき」としている。

Topper氏は「どちらの型のウイルスに対してもワクチンがある。イヌのインフルエンザについて認識しておく必要はあるが、パニックになることはない。イヌのインフルエンザについて気になっていたり、周囲で感染したイヌがいることを耳にしたりした場合には、かかりつけの獣医に自分のペットのイヌの安全を確保するための対策について相談してほしい」と話している。(HealthDay News 2018年1月29日)

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インフルエンザシーズンの旅行

インフルエンザが流行する時期に旅行の予定がある人は、以下の点に注意して感染を予防しましょう。

・ワクチンを接種しましょう。今からでも遅すぎることはありません。
・気分がすぐれないときは旅行を避けましょう。
・具合の悪い人と密に接触するのは避けましょう。
・咳やくしゃみをするときはティッシュペーパーで鼻や口を覆いましょう。
・こまめに石けんで手を洗いましょう。それができないときは、アルコール清浄剤を利用しましょう。
・自分の目、鼻、口をなるべく触らないようにしましょう。

情報元:米疾病対策センター(CDC)(HealthDay News 2018年1月29日)

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A型インフルの「万能ワクチン」開発で前進

インフルエンザシーズンの真っ只中にある米国では、予測とは異なる型のインフルエンザウイルスが流行したためにワクチンの感染防御効果が限定的であることが指摘されている。しかし、毎年の流行予測に基づき製造されたワクチンを接種する代わりに、幅広い型のインフルエンザに対する「万能(universal)ワクチン」を使用できる日は近いかもしれない―。米ジョージア州立大学生物医科学研究所准教授のBao-Zhong Wang氏らは「Nature Communications」1月24日号に掲載された論文で、同氏らが作製したワクチンにさまざまなタイプのA型インフルエンザウイルス株に対する防御効果が認められたとするマウスの実験結果を報告した。

ワクチンの接種はインフルエンザによる死亡を防ぐ最も有効な方法だが、ウイルスは絶えず変化するため、流行が予測されるウイルス株に合わせて製造されたワクチンを毎年接種する必要がある。こうした中、Wang氏らが開発を試みているのは、あらゆるA型インフルエンザウイルスに対する感染防御効果があり、毎年新たに製造し、接種する必要がない万能ワクチンだという。

従来の季節性インフルエンザワクチンは、ウイルス表面にあるタンパク質(ヘマグルチニン;HA)の「頭」の部分に結合するように作製される。しかし、頭の部分は絶えず変化するため、毎年ワクチンの製造で「動く標的」となっている。これに対し、Wang氏らのワクチンはHAのより深い領域にあり、変化しにくい「茎」の部分を標的として作製されたという。「茎の部分はあらゆるインフルエンザウイルスに共通するため、さまざまなウイルス株に対して感染防御効果が得られる」と同氏は説明している。

Wang氏らは今回、HAの茎の部分を標的とした「ナノ粒子」と呼ばれる極めて微小な蛋白質を用いたワクチンを作製し、マウスに接種した。その結果、H1N1型やH3N2型、H5N1型、H7N9型といった幅広いA型インフルエンザウイルス株に対する防御効果が認められたという。ただし、動物の実験で成功したものがヒトでも成功するとは限らないため、さらに研究を重ねる必要がある。同氏らは次の研究段階として、よりヒトに近い呼吸器系を持つフェレットを用いた実験を予定しているという。

米サウスサイド病院のSunil Sood氏は「万能ワクチンにつながるあらゆる技術が待ち望まれている」と話し、「例年、主に流行するのはA型インフルエンザであるため、最終的にヒトを対象とした試験が成功すればインフルエンザの大部分を予防できるようになるのではないか」と期待を寄せている。(HealthDay News 2018年1月24日)

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