1HDN8月16日「パッケージニュース」No.2

肥満者はインフルエンザを周りにうつす期間が長い?

肥満の人はインフルエンザウイルスに感染すると、肥満のない人に比べて合併症リスクが高いことが知られているが、肥満はウイルスの感染力にも影響を及ぼすようだ。「Journal of Infectious Diseases」8月2日オンライン版に掲載された研究から、インフルエンザに罹患した肥満のある患者は、肥満のない患者に比べてウイルスを排出する期間が長い可能性のあることが示された。

これまでの疫学研究で、肥満者がインフルエンザウイルスに感染すると重症化しやすく、特に高齢者では死亡リスクが上昇することが報告されている。米ミシガン大学公衆衛生学部のAubree Gordon氏らは今回、中米ニカラグアの320世帯、約1,800人の住民を対象に、2015年から2017年にわたるインフルエンザ流行シーズンの家族内伝播に関するデータを収集し、分析した。

その結果、インフルエンザに罹患した肥満の成人患者では、肥満のない患者に比べてA型インフルエンザウイルスを排出する期間が42%長いことが分かった。肥満の有無によるウイルス排出期間の差は、軽症あるいは症状がない場合にはさらに広がり、肥満患者では肥満のない患者に比べてA型インフルエンザウイルスを排出する期間は約2倍であった。

一方で、症状が比較的軽く、大流行(パンデミック)を起こしにくいB型インフルエンザウイルスでは、こうした関連は認められなかった。さらに、5~17歳の小児から思春期の若者では、肥満とインフルエンザウイルスを排出する期間の長さは関連しなかった。

これらの結果から、Gordon氏は「今回の結果は、肥満はインフルエンザの重症度だけでなく、その感染力にも影響することを示したエビデンスとして初めてのものだ」と話している。また、同氏らによると、肥満がインフルエンザの感染リスクや重症度、感染性を増大させる背景には、肥満による慢性的な炎症が亢進すると呼吸困難を引き起こし、必要とする酸素量が増えるといった要因が考えられるという。

米セントジュード小児研究病院のStacey Schultz-Cherry氏は同誌の付随論評で、「今回の研究から、特に過体重や肥満の人ではインフルエンザの感染予防や新たな治療法の開発が重要であることが示唆された」と強調している。しかし、肥満者はインフルエンザワクチンが効きにくいとする報告もあり、予防や治療の強化には困難を伴うとも指摘する。その上で、「インフルエンザの万能ワクチンが開発されれば、感染の予防効果が上がると期待されるが、肥満患者のウイルス排出期間を短縮できるかどうかには疑問が残る」と、同氏は付け加えている。(HealthDay News 2018年8月2日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/flu-news-314/steer-clear-of-obese-friends-with-the-flu-736391.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN8月16日「パッケージニュース」No.3

アルコール消毒が効かない危険な耐性菌が増加?

病院では感染を防ぐために、擦り込み式のアルコールベースのジェルや液体の消毒剤が広く使用されている。しかし、こうしたアルコール消毒剤が効きにくい危険な細菌が増えていることを示唆する研究結果を、メルボルン大学(オーストラリア)の分子微生物学者であるTimothy Stinear氏らが「Science Translational Medicine」8月1日号に発表した。

この細菌はエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)と呼ばれる腸内細菌の一種で、さまざまな抗菌薬への耐性を獲得し、医療関連感染の主な原因となっている。専門家の一人で米ジョンズ・ホプキンス医療安全センターのAmesh Adalja氏は「エンテロコッカス・フェシウムは血流感染から尿路感染まで幅広い感染症をもたらす。米疾病対策センター(CDC)の推計では、バンコマイシン耐性のエンテロコッカス・フェシウムの感染による死亡者数は米国だけで年間1,000人を超える」と話している。

Stinear 氏らは今回、1997~2015年にメルボルンの2カ所の病院で採取したエンテロコッカス・フェシウムの139のサンプルを用いて、濃度70%のイソプロパノール(アルコール)の消毒剤に曝して消毒効果を調べた。その結果、2004年よりも前に採取された菌と比べて、2009年以降に採取された菌は消毒剤に耐性を示す割合が高かった。

次に、Stinear 氏らは、さまざまな菌株のエンテロコッカス・フェシウムをマウスが入ったケージの床に付着させた後に、アルコール消毒剤で拭うという実験を行った。その結果、消毒剤に耐性がある菌は生き残り、ケージの中のマウスの腸内に定着していることが分かった。

さらに、アルコール消毒剤が効かないエンテロコッカス・フェシウムの遺伝子解析から、細胞内代謝に関連する複数の遺伝子変異が認められた。Stinear 氏らによれば、これらの遺伝子変異がエンテロコッカス・フェシウムの細胞膜のアルコール溶剤に対する耐性を強めた可能性が考えられるという。

Stinear 氏は「オーストラリアの病院では、この20年でアルコールベースの手指消毒剤を用いる頻度は10倍になるなど、アルコール消毒を中心とした院内感染コントロールが厳格に行われるようになった」と説明している。今回の結果を踏まえ、こうした環境の変化に適応するためにエンテロコッカス・フェシウムも変化したのではとの見方を示している。

Adalja氏も「エンテロコッカス属の細菌は厳しい環境下でも生き延びるために巧みに進化する。そのため、アルコール消毒剤に耐性を示すようになったこと自体に驚きはない」と話している。しかし、アルコール消毒剤は院内感染予防に重要な役割を果たしており、アルコールに耐性を示す菌が増えているのは極めて重大な問題だとし、アルコール消毒剤に代わる消毒剤や洗浄方法を探す必要性を指摘している。

一方、Stinear氏は、現時点で取りうる対策として、より高濃度のアルコール消毒剤を用いて念入りに手指を消毒するように助言。病院のスタッフは十分な量の消毒剤で、時間をかけて手指を隈なく消毒し、細菌やウイルスを死滅させるようにすべきだと呼び掛けている。(HealthDay News 2018年8月1日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/hygiene-health-news-396/germs-gaining-resistance-to-hand-gels-in-hospitals-736404.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN8月9日「パッケージニュース」No.1

検査キットの郵送で大腸がん検診の受診率が向上

大腸がんの早期発見には便潜血検査などによる検診を受診し、適切なフォローアップを受ける必要があるが、その受診率は十分に高いとはいえない。今回、米ノースカロライナ大学包括的がんセンターのAlison Brenner氏らがメディケイド(低所得者向け公的医療保険)加入者を対象に行った新たな研究から、がん検診の案内書だけでなく便潜血検査キットも同送すると、案内書だけを郵送した場合に比べて検診受診率が向上することが示唆された。詳細は「Cancer」7月13日オンライン版に掲載された。

Brenner氏によると、大腸がんは予防できる疾患として、行政レベルで受診率向上を目指したさまざまな対策が進められている。しかし、米国での検診受診率は63%程度にとどまっており、中でも低所得者層など社会的に弱い立場にいる人では低い傾向にあるという。また、同氏らは、医療保険加入者の中でもメディケイド加入者の受診率は特に低いことを報告している。

今回の研究は、ノースカロライナ州のメディケイド加入者のうち、大腸がん検診を受けていない成人2,144人を対象としたもの。参加者をがん検診の案内書と一緒に免疫学的便潜血検査(fecal immunochemical testing;FIT)キットを郵送する群(1,071人)と案内書だけを郵送する群(1,073人)にランダムに割り付けて、検診受診率を比較検討した。前者のうち便を採取して返送した参加者には検査結果が通知され、結果が陽性だった場合には、後日、大腸内視鏡検査が案内されるようになっている。

その結果、検査キットを受け取った群では21.1%が便潜血検査を受けたのに対し、案内書だけを受け取った群では12.3%に過ぎなかった。また、郵送された便潜血検査を受けた参加者のうち18人に異常がみられ、このうち15人が大腸内視鏡検査が必要と判定された。実際に10人が大腸内視鏡検査を受け、1人に異常(大腸がん)が認められたという。

こうした結果について、Brenner氏は「同州のメディケイド加入者の多くは障害を抱えていることからも、大腸がん検診などの検査をできる限り簡便に、継続的に受けられる環境を整備することはきわめて重要だ。検査を受けるのに多少の障壁があっても、実際には目の前に検査キットがあれば検査を行うようになるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年7月31日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colon-cancer-news-96/to-boost-colon-cancer-screening-use-the-mail-735913.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN8月9日「パッケージニュース」No.4

大多数の米国民が医療用大麻を支持、大麻合法化の意識調査

米国の成人を対象にHealthDayと調査会社のHarris Poll社が実施した意識調査から、約10人中9人が医療用大麻の合法化を支持していることが明らかになった。調査では、嗜好用大麻の合法化を支持する人の割合も半数を超え、米国のオピオイド危機の緩和に大麻合法化が役立つと考えている人が多いことも分かった。

調査は7月12~16日、米国在住の18歳以上の男女2,020人を対象にオンラインで実施された。大麻合法化の是非について尋ねたところ、医療用については85%が、嗜好用については57%が「合法化すべき」と回答した。ただし、医療用大麻の合法化を支持していても「他の医薬品と同様に規制は必要」と考える人が多く、合法化を支持する人の5人中4人は「米食品医薬品局(FDA)の監視下に置き、医療従事者が処方すべきだ」と回答した。

一方、医療用大麻の合法化を支持しなかった人では、反対する理由として「本来使用すべきでない子どもやペットなどが使ってしまう可能性が懸念される」(57%)が最も多かった。嗜好用大麻の合法化に反対を表明した人でも、3人中2人がその理由として同じ懸念点を挙げていた。

また、医療用大麻について、ベネフィットがリスクを上回ると考えている人の割合は69%で、大麻を「自然由来の生薬の一種とみなすべき」と考えている人も同程度の割合でみられた。嗜好用大麻の合法化に関しては特に若い人で支持率が高く、18~34歳で67%、35~44歳では68%だったが、55~64歳では57%、65歳以上では38%と、50歳代以降は徐々に低下した。

さらに、今回の調査では、大麻合法化を支持する人の多くは、米国のオピオイド危機の緩和に大麻の合法化が役立つと考えていることも明らかになった。大麻の合法化でオピオイドの過剰摂取による死亡者数が減ると考えている人の割合は、全ての回答者の53%を占めていた。また、この割合は18~34歳で65%と高く、35~44歳では54%、55歳以上では45%だった。

この調査報告を受け、大麻に関する法改正を目指す非営利団体であるNORMLのPaul Armentano氏は「議員たちは国民的および科学的なコンセンサスに応じて迅速に連邦法の改正に着手すべきだ」と主張している。

その一方で、薬物依存症の子どもや家族の支援団体であるPartnership for Drug-Free Kids代表のFred Muench氏は「大麻の有用性に関して誤解している人が多い」と指摘する。「これまでに医療用大麻の鎮痛効果を、市販の鎮痛薬や処方されるオピオイド系鎮痛薬、理学療法、医療機器を用いた治療などと比較検討した臨床試験は少ない。また、医療用大麻の使用によりオピオイド危機を緩和できるというエビデンスはない」としている。

さらに、Muench氏は「嗜好用大麻を合法化した州では救急外来の受診者や交通事故が増えたことが報告されているほか、青少年の大麻使用は学業成績の低下や中退率の上昇、人生に対する満足度の低下などに関連することも示されている」と説明している。また、大麻の合法化によって利益を得られる人たちが議論を推し進め、国民には不正確かつ不十分な情報しか提供されていない現状に懸念を示している。(HealthDay News 2018年7月30日)

https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/marijuana-news-759/majority-in-u-s-support-medical-pot-think-it-could-fight-opioid-crisis-736216.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース8月6日配信3

メタボ検診実施率、2016年度も目標遠く――厚労省

厚生労働省はこのほど、40~74歳を対象とした特定健康診査(メタボ検診)の実施率が、2016年度には前年度から1.3ポイント上昇し51.4%であったと発表した。2008年度の開始当初(38.9%)から実施率は年々上昇しているが、依然として70%という国が掲げる目標には遠く及ばない状況が続いている。

発表によると、2016年度の特定健診対象者数は約5360万で、このうち約2756万人が受診した。実施率は男女ともに60歳以降になると低下し、女性では男性に比べて全体的に低い傾向が続いていた。また、企業に勤める会社員とその家族が加入する健康保険組合(75.2%)と公務員などが加入する共済組合(76.7%)は目標を達成していたが、全国健康保険協会(協会けんぽ;47.4%)、市町村国民健康保険(36.6%)などは依然として実施率は低かった。

なお、特定健診を受診し、メタボリック症候群やそのリスクが高いと判定され、特定保健指導が必要とされたのは約469万人だった。特定保健指導の実施率についても18.8%と前年度に比べて1.3ポイント上昇したものの、国が掲げる目標(45%)には届かなかった。(HealthDay News 2018年8月30日)

Press Release
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000173038_00001.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース8月6日配信1

自然災害後の血糖管理に影響する因子とは? 熊本地震で被災した糖尿病患者を対象に調査

2016年4月の熊本地震で被災した糖尿病患者を対象とした調査から、被災後の血糖コントロールには、被災直後では迅速なライフラインの復旧と十分な睡眠の確保が、その後の復旧・復興期では糖尿病治療薬や食料の十分な供給が重要となる可能性が示された。熊本大学大学院糖尿病・代謝・内分泌内科講師の近藤龍也氏らの研究グループが「Journal of Diabetes Investigation」7月6日オンライン版に発表した。

大規模な自然災害後には、糖尿病患者の血糖コントロールが悪化することが数多くの研究で報告されており、熊本地震でも余震が続く中、長引く避難所生活や車中泊による健康への悪影響が懸念されていた。研究グループは今回、熊本地震で被災した糖尿病患者を対象に、被災前後のHbA1cやグリコアルブミン(GA)などの血糖指標の変化と血糖コントロールに影響を及ぼす因子について調査を実施した。

研究では、同大学病院を定期的に外来受診していた糖尿病患者727人のうち基準を満たした557人を対象に、熊本地震で被災した前後それぞれ13カ月間の血糖指標などのデータを収集し、解析した。また、自記式質問紙調査により地震に関連した被害や被災後の生活習慣の変化を調べたほか、心的外傷後ストレス障害(PTSD)も評価した。なお、対象患者の内訳は、1型糖尿病患者が55人、2型糖尿病患者が449人、その他の特定の機序や疾患による糖尿病患者が53人であった。

その結果、1型糖尿病およびその他の特定の機序や疾患による糖尿病患者では、観察期間を通して、HbA1c値とGA値には大きな変動はみられなかった。この理由には、約3割の1型糖尿病患者が環境の変化に応じて、自己判断でインスリンの投与量を調節していたことが挙げられたという。

一方で、2型糖尿病患者ではHbA1cの平均値は、被災前の7.33%から被災から1~2カ月後には7.22%へと低下したが、その後は徐々に上昇し、GA値でも同様の傾向がみられた。また、被災後のHbA1c値の低下には「早期のライフラインの復旧」と「十分な睡眠の確保」が、その後の血糖コントロールの悪化には「糖尿病治療薬の供給不足」「食料不足」「家屋の倒壊」「職場環境の変化」が影響していたことも明らかになった。

以上の結果から、研究グループは「糖尿病患者の血糖コントロールには、被災直後では迅速なライフラインの復旧などの環境整備が、その後の復旧・復興期では薬剤や食料の十分な供給が重要な可能性がある。また、被災による被害が長引くほど患者のストレスは増大し、血糖コントロールにも悪影響が出ることから、自宅や職場の環境整備も重要になる」と述べ、これらの因子を管理するには社会全体で包括的なケアを行うことが求められるとしている。(HealthDay News 2018年8月6日)

Abstract/Full Text
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jdi.12891

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN7月30日「パッケージニュース」No.3

サラミやソーセージなどの添加物が躁病の原因に?

サラミやソーセージなどの加工肉に含まれている「硝酸塩」と呼ばれる添加物が、躁病の発症に関連している可能性があることが、米ジョンズ・ホプキンス大学小児科学のRobert Yolken氏らによる研究から明らかになった。硝酸塩は細菌の増殖を抑える目的で加工肉に添加されることが多いが、躁病の入院患者では、精神障害がない人と比べて加工肉を食べていた確率が約3.5倍であることが分かった。米国立精神衛生研究所(NIMH)の一部助成を受けて実施されたこの研究の詳細は「Molecular Psychiatry」7月18日オンライン版に発表された。

躁病は一般には、双極性障害患者でみられることが多いが、統合失調感情障害の患者も経験することがある。躁病状態になると妄想的な思考や危険な行動を取るリスクがあるという。

Yolken氏らは今回、進行中のコホート研究に登録された精神障害がある人とない人を含む18~65歳の男女1,101人を対象に、2007年から2017年にかけて人口学的データや健康状態、食事内容に関するデータを分析した。その結果、多動や気分の高揚、不眠といった躁病エピソードが原因で入院した患者では、重度の精神障害の既往歴がない人と比べて、入院前に加工肉を食べていたが、それ以外の肉や魚の食品は食べていなかった確率が3.49倍であることが分かった。

また、Yolken氏らはラットに硝酸塩が添加された加工肉を2日に1回与える 実験も行った。その結果、加工肉を与えたラットでは、通常の餌を与えたラットと比べて、2週間以内に睡眠パターンが乱れ、多動性が高まるなど、躁病に近い行動がみられるようになった。さらに、加工肉を与えたラットと通常の餌を与えたラットでは腸内細菌叢の構成に違いが認められたという。

今回の研究は、加工肉に含まれる硝酸塩が躁病の原因であることを証明したものではない。Yolken氏らも「たまに加工肉を食べる程度であれば、ほとんどの人では躁病エピソードが引き起こされることはないだろう」と話している。ただし、同氏らは、今後さらなる研究でこの関連性について検証する必要があると強調。「研究を重ねれば将来、双極性障害患者や躁病リスクが高い人において躁病エピソードのリスクを低減する食事介入を行えるようになるかもしれない」と期待を寄せている。

今回、ラットの実験を担当した同大学精神科・行動科学のSeva Khambadkone氏は「双極性障害とそれに関連する躁病エピソードの発症や重症度には、遺伝的な脆弱性と環境要因の両方が関与していると考えられており、躁病は複雑な精神状態だ」と説明している。その上で、「われわれの研究では、硝酸塩が添加された加工肉は躁病の発症に環境要因の一つとして関与している可能性が示された」と結論づけている。

なお、同氏らによれば、硝酸塩はこれまでに一部のがんや神経変性疾患と関連する可能性が報告されているという。(HealthDay News 2018年7月18日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/bipolar-affective-disorder-news-60/nitrates-in-meat-may-be-tied-to-mania-study-735832.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN7月30日「パッケージニュース」No.4

ICUでは不安があっても聞けない家族が多い

集中治療室(ICU)で治療を受ける患者の家族は、治療について不安や疑問があっても医療スタッフに話しかけるのを躊躇する人が多いことが、米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのSigall Bell氏らが実施した調査から明らかになった。Bell氏は「自分の思いや考えを口に出すことは、医療において安全性を最優先する価値観を共有する上で重要な鍵となる。しかし、ICUの患者の家族にとってはそれが難しい状況であることが分かった」と話している。調査結果は「BMJ Quality and Safety」7月12日オンライン版に発表された。

Bell氏らは今回、2014年7月から2015年2月までに米国都市部にある医療センターのICUで治療を受けた患者の家族105世帯を対象に調査を実施した。さらに、最近、ICUで治療を受けた1,050人を対象に、その経験について尋ねるオンライン調査を行った。

医療センターのICUで治療を受けた患者の家族を対象とした調査では、不安や疑問があったときに医療従事者に尋ねることに関して、薬剤について心配なことがある場合には、回答者の約3分の2が「とても話しかけやすかった」と回答していた。しかし、医療従事者の手指衛生への懸念や積極的治療の必要性などについて「話しかけやすかった」と回答したのは約3分の1に過ぎないことが分かった。

また、医療従事者から提供された情報が分かりにくかったり、矛盾している場合や、医療ミスを疑わせることがあった場合に、それらについて「説明を求めやすい」と回答したのは半数にとどまった。なお、こうした場合に患者や家族が医療従事者に話しかけにくい理由として挙げたのは、「トラブルメーカーだと思われたくない」「誰に相談したらよいのか分からない」「医療チームが忙しそうだった」などであった。

このほか、「高齢者」や「女性」、「医療業界で働いた経験がある人」は、ICUで不安感や不信感を持ったときに、率直にそのことを医療スタッフに尋ねる傾向が強いことも明らかになった。

Bell氏らによれば、今回の調査対象者は英語が母国語で、学歴が大卒以上の人や医療業界となんらかの関係がある人が多かった。そのため、実際には、この調査結果で示された以上に問題は深刻な可能性があるとしている。

また、Bell氏は「患者のそばに付き添う家族は、医師が見落としがちな重要な情報を握っている上に、患者の状態の変化に最初に気付きやすい」と指摘する。その上で、「今回の研究では、ICU患者やその家族には、医療ミスが疑われる場面に遭遇したら、その場で発言してもらえるように積極的に働きかける必要があることが明らかになった。それを躊躇させるような状況は安全性に問題をもたらすだろう」と話している。(HealthDay News 2018年7月19日)

https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/hospital-news-393/in-the-icu-patients-relatives-often-mum-about-care-concerns-735773.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース7月30日配信2

「健康寿命をのばそう!アワード」応募受付を開始、厚労省

厚生労働省は7月2日、健康づくりのために優れた取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰する「第7回 健康寿命をのばそう!アワード」(生活習慣病予防分野)の応募受付を開始したと公表した。募集期間は8月31日(金)まで。

この表彰制度は、厚労省が進める国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」が掲げる4つのテーマ(適度な運動、適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診)について、生活習慣病予防の啓発や健康増進を目指した独自の取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰するもの。第7回を迎えた今回から「スポーツ庁長官賞」を新たに設立し、特にスポーツや運動を通じた優れた取り組みを行っている企業などを表彰するとしている。

昨年度は70件の応募の中から18件の企業や団体、自治体が表彰された。生活習慣病予防分野では特に優れた取り組みとして、竹富診療所(沖縄県)の「ぱいぬ島健康プラン21 in竹富島~健康長寿復活を目指した小さな島の取組み~」が厚生労働大臣最優秀賞に輝いた。その他、同大臣優秀賞(3件)や同省健康局長優良賞(12件)などが選ばれた。

表彰式は11月19日に東京都内で行われる予定。実施概要の詳細は厚労省ホームページを参照のこと。(HealthDay News 2018年7月30日)

Press Release
http://www.smartlife.go.jp/award/

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース7月30日配信1

職場のストレスで労働者のメタボリスク上昇か 前向き観察研究のメタ解析

要求度が高いのに裁量権が低い仕事やシフト勤務といった職場のストレスを抱える労働者は、そうでない労働者に比べてメタボリック症候群になりやすい可能性のあることが、北里大学公衆衛生学教授の堤明純氏と東京大学らの共同研究グループの検討で分かった。これらの関連を前向きに検討した観察研究をメタ解析し、職場のストレス要因がメタボリック症候群リスクと関連することを示したのは世界で初めて。研究グループは「労働者のメタボリック症候群を予防するには、職場環境の改善が重要な可能性がある」と話している。詳細は「Obesity Reviews」7月25日オンライン版に掲載された。

これまでの研究で、長時間労働やシフト勤務、仕事の裁量権や自由度、上司や同僚との関係性といった職場のストレス要因はメタボリック症候群の発症リスクを高めることが報告されている。しかし、これらの関連を検討した質の高い観察研究の論文を網羅的に分析した研究は行われていなかった。

研究グループは今回、2016年12月までに公表され、職場のストレス要因とメタボリック症候群の発症リスクとの関連を前向きに検討した観察研究の論文を系統的に検索。抽出した4,664件のうち条件を満たした8件の論文を対象にメタ解析を実施し、これらの関連を検討した。

解析の結果、職場でストレス要因を抱える労働者では、そうでない労働者に比べてメタボリック症候群の相対リスクは1.47倍であり、質の高い論文に限定して解析してもこのリスクは1.4倍であることが分かった。また、対象とした研究では、ストレス要因の中でも、仕事の要求度が高いにもかかわらず裁量権が低い「仕事のストレイン」と「シフト勤務」を検討した研究が多くみられ、これらはメタボリック症候群リスクとの関連も強いことが明らかになった。

研究グループは「今回の結果は、働き盛りの世代でメタボリック症候群の有病率が高く、心血管疾患や2型糖尿病の発症につながりやすいことの説明になるのではないか」と指摘。今後、こうした世代において生活習慣病の発症に職場の心理社会的要因がどのように関与するのか、その機序の解明が進むことに期待を示している。(HealthDay News 2018年7月30日)

Abstract/Full Text
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/obr.12725

Press Release
https://www.kitasato.ac.jp/jp/news/20180719-01.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.