1HDN10月15日「パッケージニュース」No.1

ビタミンDサプリメントは高齢者の骨の健康に影響しない?

ビタミンDサプリメントの摂取は骨を丈夫にし、高齢者の骨粗鬆症予防に有効とされている。しかし、英アバディーン大学のAlison Avenell氏らが実施した新たな研究から、ビタミンDサプリメントを摂取しても、こうした効果は認められない可能性があることが分かった。過去の研究をレビューした結果、用量にかかわらず、ビタミンDサプリメント摂取が骨折や転倒を予防し、骨密度の増加につながるとするエビデンスは認められなかったという。詳細は「The Lancet Diabetes and Endocrinology」10月4日オンライン版に掲載された。

脂溶性ビタミンの一つであるビタミンDを豊富に含む食品は少なく、ビタミンDは主に紫外線を浴びることによって体内で生成される。Avenell氏によると、ビタミンDサプリメントは多くの人が摂取している身近なもので、北米では高齢者の40%が習慣的に摂取しているとの報告もある。また、ビタミンDサプリメントの摂取は、ビタミンD欠乏を原因とする小児のくる病や成人の骨軟化症の予防や、紫外線に当たる機会が少ない介護施設の入所者などのビタミンD欠乏症リスクが高い人に有用なほか、がんや心疾患を予防するとのエビデンスもあるという。

Avenell氏らは今回、18歳を超える男女を対象に、ビタミンDサプリメント摂取による骨折や転倒の予防、骨密度の増加への有効性を未治療群やプラセボ投与群などと比較検討したランダム化比較試験のシステマティックレビューを実施。基準を満たした81件の研究を対象にメタ解析を行った。

対象とした研究には計5万3,537人が参加した。これらの研究の多くは、ビタミンD単独投与の有効性を検討したもので、カルシウムとビタミンD併用による骨折予防効果は、血中ビタミンD値が極めて低い高齢者を対象とした1件のみで認められた。また、研究のほとんどは、1日に800IU(国際単位)を超えるビタミンDを摂取している65歳以上の女性を対象としたものであった。解析の結果、ビタミンDサプリメント摂取による全ての骨折、特に大腿骨骨折や転倒の予防効果と骨密度の増加は認められなかった。また、ビタミンDサプリメントの摂取量が高用量と低用量でこれらの効果に差はみられないことも明らかになった。

強い骨を維持するには、まずは運動を行い、喫煙をしないこと、痩せすぎないこと以外にも骨粗鬆症治療薬を使用するなどの方法がある。Avenell氏は、今回の結果に基づき、「骨の健康を保つためにビタミンDサプリメントの摂取を推奨する現行のガイドラインの内容を改定する必要がある」と指摘している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院のMinisha Sood氏は、今回の結果について、「医師は、ビタミンDサプリメント摂取は健康な骨を維持する役割を担っていない可能性があることを認識すべきだ」と述べる一方で、「ビタミンDサプリメントの摂取には丈夫な骨を保つこと以外にもベネフィットがある可能性がある」と指摘する。同氏によれば、これまでの研究でビタミンDをカルシウムと同時に摂取すると一部のがんを予防できるほかに、加齢による記憶力の低下を防止できる可能性も示唆されているという。また、「血中ビタミンD値が低い人では、依然としてビタミンD補充は欠かせない」と同氏は述べている。(HealthDay News 2018年10月4日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/vitamin-and-mineral-news-698/vitamin-d-supplements-won-t-build-bone-health-in-older-adults-study-738359.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN10月15日「パッケージニュース」No.2

米国成人36.6%がほぼ毎日ファストフードを食べている、CDC調査

2013年から2016年には、米国成人の36.6%がどの日でもファストフードを食べていたことが、米疾病対策センター(CDC)による調査で明らかになった。調査に関する報告書はCDCが発行する「NCHS Data Brief」10月号に掲載された。

この調査は、CDC傘下の米国立衛生統計センター(NCHS)のCheryl Fryar氏らが、2013~2016年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを分析したもの。調査では、ファストフードを食べた人の割合は、20~30歳代では44.9%、40~50歳代では37.7%、60歳代以上では24.1%と年齢が上がるほど減少傾向にあることも分かった。

また、一般にファストフードは貧困層で食べる頻度が高いと思われがちだが、収入が高いほどその頻度は高いことが明らかになった。例えば、ファストフードを食べていた人の割合は、低所得層では31.7%だったのに対し、中間層では36.4%、高所得層では42.0%であった。

人種別にみると、黒人では42.4%、白人では37.6%、ヒスパニック系では35.5%、アジア系では30.6%であった。さらに、女性よりも男性の方がファストフードを食べる頻度が高かった。

こうした結果を受け、専門家の一人で米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのLiz Weinandy氏は「ファストフードを食べれば食べるほど2型糖尿病や心疾患、メタボリックシンドロームになりやすいことは明らかだ。しかし、米国人の多くはその危険性を十分に認識していない」と警鐘を鳴らしている。

一方、別の専門家で米レノックス・ヒル病院の管理栄養士であるMelanie Boehmer氏は「この調査結果から、ファストフードは一般に健康に悪いと考えられていても、われわれの生活にいかに定着しているかがうかがえる」と指摘する。こうした現状を鑑み、同氏は、政策決定者や医師、健康食推進団体はそれぞれファストフード業界に打ち勝つ方法を模索しなければならないと強調する。その上で、「便利で、手頃な値段で、おいしく健康的な選択肢を幅広く提供できるようになれば、誰にとっても有益だ」と同氏は話している。

Weinandyもこの意見に同意し、「ファストフードを完全になくさなくてもよいが、日常的に食べるのはやめるべきだ。自分がファストフードをどのくらいの頻度で食べているかを意識し、週に1回を超えていれば半分に減らすべきだ」と助言している。(HealthDay News 2018年10月2日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/obesity-health-news-505/what-did-americans-eat-today-a-third-would-say-fast-food-738277.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN10月9日「パッケージニュース」No.4

ファストフード店の“ヘルシー”なキッズメニューに効果なし? 米調査

米国では、ファストフード店に健康的であることを謳った子ども向けのメニューが登場したことで、一時期落ち込んでいた家族連れの利用者が再び増えている。しかし、実際にはほとんどの子どもは、脂肪や塩分、カロリーがたっぷりな不健康なメニューを食べていることが、米コネチカット大学ラッド・センターのJennifer Harris氏らが9月27日に発表した調査から明らかになった。

米国ではマクドナルドやバーガーキング、ウェンディーズ、サブウェイのファストフード4大チェーンが2013年以降、キッズメニューで健康的な飲料やサイドメニューを提供するとの方針を示した。この方針による影響について調べるため、Harris氏らは約800人の親を対象にオンライン調査を実施した。

その結果、過去1週間に、ファストフード4大チェーンのいずれかの店で「子どもの昼食や夕食を購入したことがある」と回答した親の割合は、2010年の10人中8人から2016年には10人中9人に増加していたことが分かった。また、ファストフード店でキッズメニューを食べた子どもの74%で加糖飲料や油っぽいフライドポテトなどのサイドメニューが与えられていた。

2016年には10人中6人の親がキッズメニューのうち低脂肪乳や果汁といったより健康的な飲料を選んでいたが、その割合は2010年から変化はみられなかった。さらに、子どもの年齢層別では、2~5歳の未就学児には3分の2の親がこうした健康的な飲料を選んでいたが、6~11歳の子どもの親では半数にとどまっていた。

サイドメニューについては、約半数がヨーグルトやリンゴのスライスといった健康的なメニューを選んでいた。しかし、一部のファストフード店ではキッズメニューで2種類のサイドメニューを提供しているため、10人中6人はフライドポテトなどを購入していた。

Harris氏によると、大手ファストフードチェーンは、キッズメニューのうち加糖飲料やフライドポテトといったメニューはより健康的なメニューに置き換わり、こうした動きが家族連れの利用客を呼び戻したとしている。しかし、同氏は「健康的とされるメニューが提供されるようになった後も、子どもたちは依然として脂肪や塩分、カロリーがたっぷりと含まれた食事を取っており、こうした傾向は以前からほとんど変化はない」と指摘する。また、「ファストフード店のメニューは健康的だと親たちに思わせるのはマーケティング戦略の一つだ。わが子のために健康的な食事を選択していると親に思わせることができれば、ファストフードチェーンの経営上のメリットになる」と説明している。

この結果を踏まえ、同センターは「カリフォルニア州やコロラド州、ケンタッキー州、メリーランド州といった地域では、全ての飲食店に子ども向けメニューで健康的な飲料やサイドメニューを必ず提供することを求める法律や規制が導入された。政策立案者はこれらの地域に倣うべきだ」と主張している。一方、米国栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)のスポークスパーソンであるMalina Linkas Malkani氏は「親や保護者は子供に糖分や塩分、飽和脂肪酸が多く含まれる食品は避け、たんぱく質やカルシウム、ビタミンD、鉄、健康的な脂肪やビタミンCを積極的に摂取するよう教えるべきだ」と話している。(HealthDay News 2018年9月27日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/food-and-nutrition-news-316/fast-foods-healthier-options-might-not-help-kids-eat-better-738061.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース10月4日配信1

妊娠初期の葉酸摂取で妊娠高血圧腎症リスクは低減しない?

妊娠初期(8~16週)に高用量の葉酸を摂取しても、妊娠合併症である妊娠高血圧腎症(preeclampsia)を予防できないことが大規模なランダム化比較試験で示された。詳細は「BMJ」9月12日オンライン版に掲載された。

妊娠20週以降から分娩12週までの間に高血圧になることを妊娠高血圧症候群と呼び、このうち肝機能や腎機能障害、神経障害、血液凝固障害、胎児発育不全も伴う場合を妊娠高血圧腎症という。これらの妊娠合併症は母体と胎児の双方に悪影響を及ぼし、妊婦死亡ともなり得る。その治療は分娩が第一選択だが、対症療法として降圧治療も推奨される。

一方、ビタミンB群の一種である葉酸は細胞の成長を助ける働きを持ち、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害と呼ばれる胎児の先天異常の予防を目的に、妊娠を計画する女性や妊娠第1トリメスターの妊婦に葉酸摂取が推奨される。これまで妊娠中の高用量の葉酸摂取が妊娠高血圧腎症の予防にも有効とする研究も報告されているが、その結果は一致していない。

オタワ病院(カナダ)のMark Walker氏らは今回、5カ国70施設で登録された妊娠高血圧腎症のリスク因子を有する女性2,460人を対象に、プラセボ対照二重盲検のランダム化比較試験を実施した。リスク因子は、妊娠前からの高血圧や糖尿病、妊娠高血圧腎症の既往、双胎妊娠、BMI 35以上の肥満のいずれか一つ以上と定義した。全ての対象者には、妊娠期間を通して最大1.1mgの葉酸を摂取できるとした上で、妊娠8~16週に高用量(1日4mg)の葉酸を摂取する群(1,144人)とプラセボを摂取する群(1,157人)にランダムに割り付けて比較検討した。

その結果、妊娠高血圧腎症の発症率は、プラセボ群の13.5%に対し、高用量の葉酸摂取群では14.8%と両群間で有意差は認められないことが分かった(相対リスク1.10、95%信頼区間0.90~1.34、P=0.37)。また、死産率は葉酸摂取群で1.1%、プラセボ群で1.9%と両群間で有意差はみられず、その他の母体や胎児の有害な転帰に関しても両群間で差は認められなかった。

専門家の一人で米オレゴン健康科学大学のAaron Caughey氏は「妊娠高血圧腎症リスクが高い妊婦に対しては、小児用アスピリンを処方する場合が多い。また、最近の研究では糖尿病治療薬のメトホルミンが妊娠高血圧腎症のリスク低減に有用とする報告もあるが、今後さらなる研究が必要である」と指摘している。また、同氏によると、妊娠高血圧腎症のリスクを低減するためには計画的な妊娠が重要であり、妊娠する前に減量したり、妊娠中の体重増加について医師に相談し、その指示に従うことを勧めている。

Walker氏の研究チームは、今回の研究に参加した女性から生まれた子供を6年間追跡し、高用量の葉酸が児の健康や脳の発達に影響するかどうかを調べる予定であるという。また、同氏は、妊娠高血圧腎症の発症には遺伝要因のほか、環境面や免疫系の問題が関与している可能性があることを指摘しつつ、「最終的な解決策は個々の患者に合わせた適切な薬物療法になるだろう」と述べている。(HealthDay News 2018年9月13日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/pre-eclampsia-994/folic-acid-won-t-curb-dangerous-pregnancy-complication-737659.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




1HDN10月1日「パッケージニュース」No.1

女性は地中海食で脳卒中リスクが低減する可能性

栄養バランスに優れ、適正体重の維持に有用とされる地中海食を摂取している女性は、脳卒中の発症リスクが低減する可能性があることが、英アバディーン大学のPhyo Myint氏らが実施した研究で明らかになった。ただし、男性ではこうした地中海食の脳卒中に対する有益性は認められないことも分かった。研究の詳細は「Stroke」9月20日オンライン版に掲載された。

地中海食は果物や野菜、魚、ナッツ類が豊富で、肉類や乳製品を控える食事法を指す。Myint氏らは今回、地中海食による脳卒中への影響を調べるため、欧州のがんに関する大規模な観察研究に参加した40~77歳の男女2万3,232人(平均年齢59.1±9.3歳)を前向きに17年間追跡し、これらの関連を検討した。7日間の食事日記をもとに地中海食の遵守度を評価し、その遵守度の高さで対象者を4つの群に分けて脳卒中リスクを比較した。

その結果、追跡期間中に2,009人が脳卒中を発症した。解析の結果、地中海食スコアが最も高かった群では、最も低かった群に比べて脳卒中リスクは17%有意に低いことが分かった。男女別にみると、女性では地中海食スコアが最も高い群で脳卒中リスクは22%有意に低下したのに対し、男性では6%の低下にとどまっていた。

さらに、心血管疾患リスクが高い集団では、地中海食スコアが最も高かった群では、最も低かった群に比べて脳卒中リスクは13%有意に低下したが、これも主に女性でリスクが20%低減したことによるものであることが明らかになった。

これらの結果を受け、Myint氏は「食習慣を少し変えるだけで、女性は脳卒中リスクを低減できる可能性がある」と述べている。ただし、今回の研究では因果関係は明らかになっておらず、男性で脳卒中リスクの低減効果がみられなかった理由も分かっていないという。

しかし、男女では生物学的に大きな差があることは明らかで、「女性では、経口避妊薬の使用やホルモン補充療法といった女性特有の脳卒中のリスク因子があるほか、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病も脳卒中のリスク因子だと考えられている」とMyint氏は説明している。その上で、「地中海食の一部の要素が、男性よりも女性の脳卒中リスクに良い影響をもたらしているのではないか」と同氏は述べている。

専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの臨床栄養士であるSamantha Heller氏によると、地中海食の特徴は食物繊維やビタミン、ミネラルなど抗炎症作用や抗酸化作用のある栄養素を含む食材が豊富であることだという。同氏は「これまでの研究で、地中海食は心疾患や2型糖尿病、一部のがん、思考力の低下などのリスクを低減することが報告されている」と指摘しつつ、ファストフードや加糖飲料などの炎症を促すような食品は避け、健康的な食品を毎日の食事に取り入れることを勧めている。(HealthDay News 2018年9月20日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-stroke-related-stroke-353/mediterranean-diet-may-cut-stroke-risk-for-women-but-not-men-737860.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース10月1日配信2

オメガ3系脂肪酸摂取が不安症状の軽減に有効か 19件の臨床試験のメタ解析結果

青魚などに含まれるオメガ3系脂肪酸を摂取すると不安症状が軽減する可能性があることが、国立がん研究センター社会と健康研究センター健康支援研究部長の松岡豊氏らの研究グループの検討で分かった。特に身体疾患や精神疾患などを抱えている患者で、オメガ3系脂肪酸の摂取による不安軽減効果は高かったという。研究の詳細は「JAMA Network Open」9月14日オンライン版に掲載された。

これまでオメガ3系脂肪酸による不安症状の軽減効果については、数多くの研究が行われてきたが、そのほとんどはサンプル数が少なく、結果も一致していなかった。松岡氏らは今回、2018年3月までに公表された当該論文のシステマティックレビューを実施。基準を満たした19件の臨床試験を対象にメタ解析を実施した。これらの試験には計2,240人が参加し、このうちオメガ3系脂肪酸を摂取した群は1,203人(平均年齢43.7歳、女性55%)、非摂取群は1,037人(同40.6歳、55%)であった。

その結果、オメガ3系脂肪酸を摂取した群では、非摂取群と比べて不安症状が軽減されることが分かった。また、サブグループ解析の結果、身体疾患や精神疾患などの臨床診断された人を対象とした場合に、オメガ3系脂肪酸の摂取による不安軽減効果が大きいことが明らかになった。さらに、オメガ3系脂肪酸の摂取量が2,000mg以上であると不安軽減効果が得られることが示された。

これらの結果を受け、松岡氏らは「今後、身体疾患や精神疾患を抱える患者を対象に、少なくとも2,000mg以上のオメガ3系脂肪酸の摂取による不安症状の軽減効果が検証されることが期待される。また、オメガ3系脂肪酸のうちエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、アルファリノレン酸のどれが不安軽減に有効であるのかも検討する必要がある」と述べている。同氏らは、この結果はがん生存者の再発不安を軽減しうる研究などに応用できると期待を示している。(HealthDay News 2018年10月1日)

Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2702216

Press Release
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2018/0915/index.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース9月27日配信2

慢性腎臓病患者でもコーヒー摂取で寿命が延びる?

コーヒーをよく飲む人では死亡リスクが低いことが知られている。今回、約5,000人の慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした研究により、CKD患者においても、1日当たりのカフェイン摂取量が多い人は、摂取量が少ない人に比べて全死亡リスクが低い可能性のあることが、北リスボン病院(ポルトガル)のMiguel Bigotte Vieira氏らの研究で示された。研究の詳細は「Nephrology Dialysis Transplantation」9月12日オンライン版に掲載された。

研究グループは、1999~2010年の米国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、CKD患者4,863人を対象に、カフェインの摂取量およびカフェインを含む飲料の種類(コーヒー、お茶、清涼飲料水)を評価した。対象患者をカフェインの摂取量の4分位値(1日当たりそれぞれ28.2mg未満、28.2~103.0mg、103.01~213.5mg、213.5mg超)で4つの群に分け、死亡との関係を検討した。

その結果、5年間(中央値)の追跡期間中に1,283人の死亡が確認された。解析の結果、死亡リスクは、カフェイン摂取量が最も少なかった群に比べて、最も多かった群では22%低く、摂取量が2番目、3番目に多かった群ではそれぞれ26%低いことが分かった。

今回の研究では因果関係は明らかになっていないが、カフェイン摂取量が多いとCKD患者の寿命が延びる可能性が示された。こうしたカフェイン摂取量と死亡リスクが反比例する関係は、年齢や性、人種、喫煙習慣、その他の併存疾患、食生活などの因子で調整後も一貫してみられた。また、カフェイン摂取量が多いグループは、白人の男性で学歴が高く、収入が多い人が多かったほか、現在喫煙しているか過去に喫煙歴があり、飲酒量が多い傾向がみられたという。

Vieira氏らによると、米国ではCKD患者は成人の14%を占め、医療費の増大や死亡リスク上昇の一因となっているという。同氏は、コーヒーやカフェインを含む飲料の摂取は、簡便で臨床上有益な選択肢となる可能性があると述べる一方、カフェイン摂取の有効性については今後、ランダム化比較試験で検証する必要があると強調している。

また、専門家の一人で米ニューヨーク・サウスサイド病院のRobert Courgi氏は、今回示されたカフェインの効果の背景には生理学的な要因がある可能性を指摘している。「コーヒーの摂取にはこれまで有益性だけでなく有害性も報告されているが、今回の研究では、コーヒーを飲むCKD患者では死亡リスクが低いことが示された。コーヒーには一酸化窒素を通して血管機能を改善する作用があるのかもしれない」と話している。(HealthDay News 2018年9月14日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/coffee-may-have-another-perk-for-kidney-patients-737668.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース9月27日配信1

妊娠中のグルテン摂取過多で児の1型糖尿病リスク増

妊娠中にグルテン含有量の高い食品を多く摂取すると、生まれた子どもが1型糖尿病を発症するリスクが上昇する可能性があることが、バルトリン研究所(デンマーク)のKnud Josefsen氏らによる研究から明らかになった。グルテンの摂取量が最も少なかった群の妊婦に比べ、摂取量が最も多かった群の妊婦では、子どもが1型糖尿病を発症するリスクが2倍であったという。詳細は「BMJ」9月19日オンライン版に掲載された。

グルテンは小麦やライ麦、大麦などに含まれるたんぱく質の一種で、これらを使用したパンやパスタ、シリアル、クラッカー、クッキーなど幅広い食品に含まれている。自己免疫疾患であるセリアック病では、グルテンを摂取すると免疫反応が引き起こされ小腸に損傷がもたらされる。これまでの研究でセリアック病と1型糖尿病が関連することは既に報告されており、Josefsen氏によると、1型糖尿病患者の約10%がセリアック病を併存しているという。

今回の研究では、1996~2002年に、デンマークの全国出生コホートに登録された妊婦6万3,529人(妊娠は6万7,565件)とその子どもを、2016年まで平均で15.6年間追跡した。妊婦のグルテン摂取量は、妊娠25週の時点で実施した食物摂取頻度調査票の結果から評価した。

その結果、妊婦のグルテン摂取量は1日当たり平均13.0gであった。なお、グルテン含有量は食パン1スライスが約3g、大盛りのパスタ(カップ3分の2程度)が5~10gであるという。

追跡期間中に247人の子どもが1型糖尿病を発症した。解析の結果、妊娠中の母親のグルテン摂取量が多いほど子どもの1型糖尿病リスクは増加することが分かった。母親のグルテン摂取量が1日に10g増えるごとに、子どもの1型糖尿病リスクは1.31倍に増加した。また、母親のグルテン摂取量が1日20g以上と最も多かった群では、1日7g未満と最も少なかった群に比べて、子どもの1型糖尿病リスクは2倍であった。

以上の結果を踏まえて、Josefsen氏は「妊娠中の食生活を少し変えるだけで、子どもの1型糖尿病リスクを低減できる可能性が示唆された」と述べている。ただ、今回の研究は観察研究であるため因果関係が証明されたわけではなく、今後さらに検討を重ねる必要があると強調している。

付随論説の著者の一人でフィンランド国立健康福祉研究所のMaija Miettinen氏も「この研究結果を根拠に妊婦の食生活の変更を推奨するのは時期尚早だ」と話す。同氏によると、母親が妊娠中にグルテンを多く含む食品を摂取する習慣があれば、子どもにもこうした食品を食べさせている可能性があるという。そのため、「母親のグルテン摂取と子どもの1型糖尿病リスクとの関連が、母親の胎内にいるうちにグルテンに曝露した結果なのか、幼少期の食生活の結果であるのか、あるいはその双方が関連しているのかは明らかになっていない」と同氏は付け加えている。(HealthDay News 2018年9月19日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/gluten-975/mom-to-be-s-high-gluten-diet-linked-to-type-1-diabetes-in-baby-737864.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




2HDN糖尿病ニュース9月20日配信2

全粒穀物の摂取量が多いほど2型糖尿病予防に有効か

精製されていない全粒穀物の摂取量が多いほど、2型糖尿病の発症リスクは低減する可能性があることが、デンマークがん学会研究センターのCecilie Kyrø氏らの研究から示唆された。1日1サービング(一食当たりの標準摂取量)の全粒穀物(16g)を摂取すると、男女ともに2型糖尿病予防に有効な可能性があるという。研究の詳細は「The Journal of Nutrition」9月号に発表された。

全粒穀物の摂取は2型糖尿病リスクの低減と関連する可能性が指摘されているが、全粒穀物の種類で効果に差はあるのか、またその適切な摂取量については明らかにされていなかった。Kyrø氏らは今回、デンマークの50~65歳の男女5万5,465人を対象に、食物摂取頻度質問票を用いて全粒穀物の1日当たりの摂取量とその種類を評価し、2型糖尿病の発症リスクとの関連を検討した。

中央値で15年間の追跡期間中に7,417人が2型糖尿病と診断された。解析の結果、1日1サービングの全粒穀物(16g)を摂取するごとに、2型糖尿病リスクは男性では11%、女性では7%低くなることが明らかとなった。

全粒穀物の種類別にみると、男性では小麦とライ麦、オート麦の全てが2型糖尿病リスクの低減と関連したのに対し、女性では小麦とオート麦のみがリスク低減と関連していた。しかし、こうした結果についてKyrø氏は、女性では糖尿病発症率が低いことが解析結果に影響した可能性があると指摘している。

これらの結果を踏まえ、Kyrø氏は「全粒穀物が2型糖尿病予防に重要な役割を果たす可能性が示された。2型糖尿病を予防するには、精製された穀物ではなく全粒穀物の摂取が推奨されるだろう」と述べている。

今回の研究は観察研究であるため、因果関係は明らかになっていないが、全粒穀物が糖尿病予防に有効とされる理由について、専門家の一人で管理栄養士のSamantha Heller氏は「全粒穀物は食物繊維やビタミン、ミネラル、たんぱく質、植物性栄養素を多く含んでいる。また、食物繊維はインスリン抵抗性を改善し、食後血糖値の急上昇や炎症を抑制することが分かっている。これらが2型糖尿病に対して有益な予防効果をもたらしている可能性がある」と話している。

Kyrø氏によると、1サービングの全粒穀物食品には16gの全粒穀物が含まれており、これは全粒粉パン約1枚分に相当するという。また、Heller氏は「米国の栄養ガイドラインでは1日に全粒穀物を3~4サービング摂取することが推奨されているが、これは座りがちな生活の人を対象としたものであるため、活動的な人であればより多く摂取する必要がある」と指摘している。(HealthDay News 2018年9月10日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/type-ii-diabetes-news-183/want-to-avoid-type-2-diabetes-eat-more-whole-grains-737582.html

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.




4HDN国内ニュース9月18日配信1

植物性たんぱく質の摂取量が多いと心血管疾患リスクは低い NIPPON DATA 90データを解析、慶應大

日本人の成人では、植物性たんぱく質を多く摂取するほど心血管疾患(CVD)による死亡リスクが低く、特に高血圧のない人でこの傾向が強いことが、慶應義塾大学衛生学公衆衛生学の栗原綾子氏らの研究グループの検討で分かった。植物性たんぱく質の摂取量が多いと、循環器系の疾患の中でも脳内出血による死亡率が低かったという。詳細は「Journal of Atherosclerosis and Thrombosis」8月9日オンライン版に掲載された。

これまでの疫学研究で植物性たんぱく質の摂取量は血圧と逆相関することが報告されている。しかし、植物性または動物性たんぱく質の摂取や総たんぱく質の摂取と血圧やCVDとの関連については一定の方向性は示されていなかった。そこで、研究グループは今回、30歳以上の一般住民のランダムサンプルを対象とした大規模な前向き疫学研究(NIPPON DATA 90)のデータを用いて、食事からの植物性たんぱく質の摂取とCVDによる死亡率との関連を調べる研究を実施した。

研究では、研究開始時点(1990年)でCVDの既往のない30歳以上の成人男女7,744人(男性3,224人)を対象に15年間追跡し、食事からの植物性たんぱく質の摂取とCVDによる死亡率との関連を調べた。研究開始時に実施した3日間の秤量法に基づく半定量式食事歴法により植物性たんぱく質からの摂取エネルギーが総摂取エネルギーに占める割合(エネルギー比率)を評価した。

平均13.9年の追跡期間中に1,213人が死亡し、このうち29.2%(354人)はCVD死であった。植物性たんぱく質のエネルギー比率で四分位に分けてCVD死との関連を調べた結果、植物性たんぱく質の摂取比率が大きいほどCVD死亡率は低くなる傾向がみられた。また、植物性たんぱく質のエネルギー比率が1%増加するごとにCVDによる死亡リスクは14%低下し(ハザード比0.86、95%信頼区間0.75~0.99)、脳内出血による死亡リスクは42%低下した(同0.58、0.35~0.95)。

さらに、対象者を研究開始時の高血圧の有無で分けて解析したところ、特に高血圧のない群において、植物性たんぱく質の摂取比率とCVDおよび脳卒中による死亡率に有意な逆相関が認められた。

以上の結果を踏まえて、栗原氏らは「日本人は植物性たんぱく質を多く摂取するほどCVDや脳内出血で死亡するリスクが低い可能性がある。こうした植物性たんぱく質の摂取による効果は脂肪や食塩摂取量、BMIとは関係なく、男女差もみられなかった」と結論。「特に高血圧のない人では植物性たんぱく質を多く摂取すると、将来CVDになりにくいことが示唆されたが、ベースライン調査以降に血圧上昇が抑えられた効果が反映されている可能性もある。こうした結果が得られた背景についてはさらなる研究で明らかにする必要がある」と述べている。(HealthDay News 2018年9月18日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jat/advpub/0/advpub_44172/_article

Copyright © 2018 HealthDay. All rights reserved.