2HDN糖尿病ニュース7月19日配信2

糖尿病の診断でパートナーの生活習慣も改善

パートナーが糖尿病と診断されると、自分は糖尿病と診断されていなくても健康的な生活習慣を送るようになる可能性のあることが、新たな研究で示された。パートナーが糖尿病と新たに診断された人は、そうでない人と比べて減量プログラムへの参加率が有意に向上したほか、禁煙を試みたり、血糖や血圧、コレステロールの検査を受けるようになるなど健康行動への関心が高まることが分かった。研究の詳細は「Annals of Family Medicine」7月/8月号に掲載された。

米国の糖尿病患者数は2900万人を超えると推定され、そのほとんどを2型糖尿病が占めている。2型糖尿病の発症には遺伝要因のほか、生活習慣が強く関与しており、その管理には食生活の改善や運動、禁煙などの生活習慣の是正が重要になる。2型糖尿病患者の家族は、患者と生活習慣が共通していることが多く、その発症リスクは高いとされている。

米カイザーパーマネンテ北カリフォルニアのJulie Schmittdiel氏らは今回、家族の一人が新たに糖尿病と診断されると、他の家族の生活習慣にも影響が及ぶのかどうかを調べる研究を行った。同氏らは、2007~2011年にカイザーパーマネンテ北カリフォルニアの健康プランに加入していた18万910組のカップルを対象に、パートナーが糖尿病と新たに診断されたグループと診断されていないグループで8種類の生活習慣の変化を比較検討した。

その結果、パートナーが新たに糖尿病と診断された人は、そうでない人と比べて減量の教育プログラムへの参加率が有意に50%向上した。その他にも、パートナーが糖尿病と診断された人では、禁煙補助薬を使う確率が25%高かったほか、血糖や血圧、コレステロールの検査を受ける確率は2~7%、臨床的に有意義な減量の成功率は6%、インフルエンザの予防接種を受ける確率も3%、それぞれわずかだが有意に高いことが分かった。

研究を主導したSchmittdiel氏は「家族が糖尿病と診断されることは、その家庭にとって大きな問題ではあるが、患者だけでなく家族全員の生活習慣を見直すよい機会になると思われる。医療従事者は、糖尿病患者とその家族がともに長期にわたって生活習慣を改善できるように手助けすべきだ」と話している。

また、今回の研究では、パートナーが糖尿病と診断された人が生活習慣を改善した理由については調べていないが、Schmittdiel氏は「糖尿病患者が受ける教育や生活習慣の改善、体重管理の方法などの情報に直接触れることが、パートナーにもポジティブな効果をもたらしたのではないか」と説明している。

専門家の一人で米レノックス・ヒル病院糖尿病研究所のGerald Bernstein氏は「この研究で示されたパートナーが糖尿病と診断された人とそうでない人の差はわずかだったが、臨床的には意味のある数字だ。この結果は、家族が糖尿病の教育や管理に参加する重要性を認識するきっかけになるだろう」と研究を評価。生活習慣の改善は、糖尿病患者だけでなく家族全体、特に子どもが糖尿病になるのを防ぐ予防策にもなると指摘している。(HealthDay News 2018年7月9日)

https://consumer.healthday.com/diabetes-information-10/diabetes-management-news-180/diabetes-diagnosis-silver-lining-other-family-members-health-may-improve-735577.html

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2HDN糖尿病ニュース7月19日配信1

妊娠高血圧で産後の高血圧や2型糖尿病リスク上昇

妊娠高血圧や妊娠高血圧腎症(子癇前症)といった妊娠高血圧症候群になると、出産後の数十年間に高血圧や2型糖尿病、脂質異常症を発症するリスクが高まる可能性のあることが、新たな研究で示された。研究を実施した米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院および米ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院のJennifer Stuart氏らは、今回の結果は、妊娠高血圧症候群の既往がある女性では心筋梗塞リスクが高いことの理由になるかもしれないと話している。研究の詳細は「Annals of Internal Medicine」7月3日オンライン版に掲載された。

妊娠高血圧症候群財団(Preeclampsia Foundation)によると、妊娠中に高血圧がみられると妊娠高血圧、高血圧に加えて蛋白尿が認められると、妊娠高血圧腎症と呼び、重症になると腎臓や肝臓の機能障害や肺水腫などを引き起こすことがあるという。

この研究は、米国の女性看護師を対象としたコホート研究(Nurses’ Health Study II;NHS II)に参加し、ベースライン時に心血管疾患またはそのリスク因子がなかった参加者5万8,671人を対象としたもの。対象女性は18~45歳で出産経験が1回以上あり、初回の出産時から2013年まで平均で25~32年間追跡し、高血圧と2型糖尿病、脂質異常症の診断歴の有無を調べた。

その結果、初回妊娠時には女性の2.9%に妊娠高血圧が、6.3%には妊娠高血圧腎症が認められた。これらの女性は、妊娠中に正常血圧だった女性に比べて、出産後に高血圧を発症するリスクが2.2~2.8倍、2型糖尿病リスクは1.7~1.8倍、脂質異常症リスクは1.3~1.4倍であることが分かった。特に、高血圧の発症リスクは、初めての出産から5年間が最も高いことも明らかになった。

以上の結果を踏まえて、Stuart氏は「妊娠は心臓病の負荷テストとしての役割を果たし、高血圧やその他の心血管リスク因子を来す可能性が高い女性を事前に特定する機会になると考えられる。妊娠中の高血圧や蛋白尿が産後の心血管リスクを高めることを早くから知っていれば、これらの予防に早期から取り組めるようになるだろう。健康的な食生活や運動といった生活習慣の改善を開始するのに遅すぎるということはない」と話している。

また、Stuart氏によれば、この情報はプライマリケア医にとって特に重要なものだという。「プライマリケア医は、妊婦が高血圧や蛋白尿を来すリスクは妊娠直後から高まることを知り、妊婦検診時にはこれらのリスク因子を念頭に置く必要がある」と同氏は強調している。

今回の結果について、ニューヨーク市の心臓医であるPeter Mercurio氏は「妊娠中に高血圧となった女性は、特に産後5年間は高血圧を発症するリスクが高いことが分かった。現行の診療ガイドラインでは、女性には妊娠中の高血圧の既往を尋ねることが推奨されているが、より包括的なチーム医療による健康管理が必要だ」と話している。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/pre-eclampsia-994/preeclampsia-in-pregnancy-can-mean-heart-risks-after-735425.html

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糖尿病とがん、歯周病、認知症との関連は? 日本人対象の研究をシステマティックレビュー

糖尿病の合併症には、三大合併症(網膜症と腎症、神経障害)が広く知られているが、最近ではがんや歯周病、骨折、認知症、うつ病などが新たな合併症として注目されている。国立国際医療研究センター病院糖尿病情報センター長の大杉満氏と田中宏和氏、井花庸子氏らの研究グループは、日本人を対象に、これらの新たな糖尿病合併症の発症率や有病率を調べた研究のシステマティックレビューを実施。がんと糖尿病との関連を示す強いエビデンスはあるが、その他の疾患については糖尿病の影響は十分に検証されていないことを明らかにした。詳細は「Journal of Epidemiology」6月23日オンライン版に掲載された。

研究グループは今回、日本人の集団を対象に、がんや歯周病、骨折、認知機能障害および認知症、うつ病と糖尿病との関連を検討した研究のシステマティックレビューを実施。PubMedなどのデータベースを用いて、2016年12月までに公表された、これらの新たな糖尿病合併症の発症率と有病率をそれぞれ比較した統合解析やコホート研究、症例対照研究、横断研究の計33件の論文を抽出した。このうち、がんに関する論文は17件、歯周病または骨折はそれぞれ5件、認知機能障害は4件、うつ病は2件であった。

システマティックレビューの結果、がんに関しては多目的コホート(JPHC)研究など質の高い研究を含めて8件のコホート研究のデータを統合して解析が実施されており、糖尿病は全てのがんや大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がんのリスク上昇と関連し、その他のメタ解析でも男女ともに糖尿病は全てのがんのリスク上昇と関連することが報告されていた。

一方で、その他の4つの疾患に関しては、研究の数が限られており、前向きコホート研究はうつ病では1件もなく、その他の疾患でも1件ずつしかみられないなど、糖尿病との関連を検証するのに十分なエビデンスは得られなかった。

以上の結果から、研究グループは「日本では、がんと糖尿病との関連を示す比較的、質の高いエビデンスがそろっているが、歯周病や骨折、認知症、うつ病の発症率や有病率に対する糖尿病の影響は十分に検証されていないことが分かった。今後、質の高い数多くの研究が実施されることに期待したい」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月17日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170155/_article

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「尿中糖鎖」が2型糖尿病患者の腎予後予測に有用か――岡山大など

尿中の糖鎖排泄量が、2型糖尿病患者の腎機能低下を予測する指標として有用な可能性があることを、岡山大学大学院腎・免疫・内分泌代謝内科学教授の和田淳氏と三瀬広記氏らの研究グループが突き止めた。和田氏らは「たった1滴の尿を用いるだけで、従来よりも正確に2型糖尿病患者の腎機能悪化を予測できれば、腎不全への進展や透析を導入する患者を減らせる可能性がある」と話している。詳細は「Diabetes Care」6月21日オンライン版に掲載された。

研究グループは今回、共同研究者の株式会社グライコテクニカが開発した「レクチンアレイ」と呼ばれる糖鎖解析技術を用いて、岡山県内8施設の2型糖尿病患者675人を対象に、尿中の糖鎖排泄量を測定する前向きコホート研究を実施した。(HealthDay News 2018年7月9日)

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高齢者のメタボに残存歯の本数と食べる速さが関連か――愛知学院大の研究グループ

日本人の高齢者では、残存歯の本数と食べる速さ、歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃用具を使う頻度がメタボリック症候群と関連する可能性のあることが、愛知学院大学歯学部口腔衛生学教授の嶋﨑義浩氏らの研究グループの検討で分かった。メタボリック症候群のリスクは、残存歯が20~28本の人に比べて0~9本では1.54倍であり、食べる速さが遅い群に比べて速い群で2.06倍だった。詳細は「Journal of Epidemiology」6月16日オンライン版に掲載された。

研究グループは、三重県における75歳および80歳の高齢者2,379人(うち男性960 人)から得た一般健診と歯科健診の横断データを用いて解析した。(HealthDay News 2018年7月9日)

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Patient is telling doctor about his health problems. He is having pain in his chest.

2型糖尿病患者のフォローアップ費用、血糖自己測定の導入で大幅減――フィンランドの研究

フィンランドの2型糖尿病患者では、HbA1cフォローアップ検査費用のうち交通費と時間的コストが約2割を占めており、血糖自己測定の導入で年間コストは大幅に削減できる可能性を示す研究結果が「International Journal of Medical Informatics」7月号に掲載された。

東フィンランド大学(フィンランド)のAapeli Leminen氏らは、地域の医療情報データベースを用いて、フォローアップ検査費用を評価するモデルを開発し、血糖自己測定やオンラインFB導入によるコストへの影響を検討した。その結果、2型糖尿病患者9,070人のフォローアップ検査にかかる年間平均費用は総額で297ドル(約3万3千円)であり、21%が交通費と時間的コストだった。検査の半分を血糖自己測定にすると費用総額は57%減少した。(HealthDay News 2018年7月6日)

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american dollars in the hands

糖尿病医療費は2013年には1996年の約3倍に増大――米研究

米国の糖尿病医療費は、2013年には総計で1010億ドル(約11兆2000億円)と1996年に比べて約3倍に増大したとする研究結果が「Diabetes Care」6月22日オンライン版に掲載された。

米ワシントン大学のEllen Squires氏らは、米保健指標評価研究所のデータベースを用いて1996~2013年の糖尿病医療費を推計した。その結果、糖尿病医療費の総計は、1996年の370億ドル(約4兆1000億円)から2013年には1010億ドルまで増大した。2013年の医療費のうち処方薬関連が最も多く(57.6%増)、外来診療費(23.5%増)が続いた。調査期間中に薬剤費は327%増加し、有病率や受診率の増加、薬剤費の増大などが理由に挙げられた。(HealthDay News 2018年7月5日)

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労働時間が週45時間以上で女性の糖尿病リスク上昇か――米研究

労働時間が週45時間以上の女性は、週35~40時間の女性に比べて2型糖尿病の発症リスクが上昇する可能性があるとする研究結果が「BMJ Open Diabetes Research and Care」7月2日オンライン版に掲載された。一方で、男性ではこうした関連はみられなかった。

カナダ職業衛生研究所のMahée Gilbert-Ouimet氏らは、2003年のカナダ地域保健調査に参加したオンタリオ州に在住する35~74歳の労働者7,065人を対象に12年間追跡して解析した。追跡期間中に10%が2型糖尿病を発症した。年齢や婚姻状況、シフト勤務などの複数の因子で調整して解析した結果、女性では2型糖尿病リスクは週35~40時間に比べて週45時間以上では1.63倍であった。(HealthDay News 2018年7月3日)

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1HDN7月12日「パッケージニュース」No.3

座りすぎで死亡リスクが上昇する14の疾患

普段の生活の中で、座って過ごす時間が1日当たり6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて早期死亡リスクが19%高いことを示した研究結果が「American Journal of Epidemiology」6月26日オンライン版に発表された。米国がん協会(ACS)のAlpa Patel氏らが実施した今回の研究では、このような死亡リスクの上昇をもたらす14の疾患も明らかになった。

近年、座って過ごす時間が長いと死亡リスクが高まるとする報告が相次いでいる。しかし、死因別では、がんや心血管疾患以外の死因を幅広く検討した研究はほとんど行われていなかった。そこで、Patel氏らは今回、がん予防研究-Ⅱ(Cancer Prevention Study-II)栄養コホートのデータを用いて、余暇を座って過ごす時間の長さと全死亡リスク、さらにさまざまな死因別の死亡リスクとの関連について検討した。

対象は、同コホートの参加者のうち研究登録時に主要な慢性疾患がなかった男女12万7,554人。このうち4万8,784人が21年間(中央値20.3年)の追跡期間中に死亡した。

年齢や性、学歴、喫煙の有無、食生活、運動習慣などを考慮して解析した結果、余暇を座って過ごす時間が1日に6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて全死亡リスクが19%高いことが分かった。また、死因別では、がん、心疾患、脳卒中、糖尿病、腎疾患、自殺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺疾患、肝疾患、消化性潰瘍などの消化器疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、神経障害、筋骨格系障害の14の死因による死亡リスクが上昇することが明らかになった。さらに、死亡リスクの上昇の程度は死因によってばらつきがみられ、がんでは約10%の上昇だったが、筋骨格系障害では約60%の上昇が認められた。

以上の結果を踏まえ、Patel氏は「この研究結果のメッセージは“もっと動くべき”といういたってシンプルなものだ。座位時間は短いほど身体に良い。1時間座って過ごしたら2分間立つだけでも脂質や血糖、血圧の値は改善する」と話している。

Patel氏によれば、座位時間が長いと健康に悪影響を与える原因は明らかではないが、ソファで長時間過ごす人は間食が多いといった他の不健康な習慣がある可能性が考えられるという。また、以前の研究では座位時間が長いと中性脂肪や血糖、血圧、インスリンの値が上昇することが示されており、「これらによって座っている時間の長さと心疾患や肝疾患、腎疾患、がん、糖尿病、COPDなどによる死亡との関連を説明できるかもしれない」と同氏は付け加えている。ただ、自殺やパーキンソン病、アルツハイマー病、神経障害、筋骨格系障害による死亡リスクが上昇した理由は明確には分からないとしている。

今回の報告を受け、専門家の一人で米イェール・グリフィン予防研究センターのDavid Katz氏は「この研究から、長時間座り続けることによる早期死亡リスクの上昇には、心疾患から自殺までさまざまな要因が関与している可能性が示された。これらの関連はさらに研究を進める必要があるが、その対処法は明確で、今すぐにでも取り組める簡単なことだ。つまり、1日に何度も立ち上がって歩き回ることだ」とコメントしている。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/sitting-tied-to-raised-risk-of-death-from-14-diseases-735058.html

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2HDN糖尿病ニュース7月12日配信2

腎臓病の「世界的流行」に専門家が警鐘

腎臓病の患者数は世界で8億5000万人に達すると推計され、腎臓病はいまや世界的に流行していると専門家が警鐘を鳴らしている。推計によれば、この数字は糖尿病患者(4億2200万人)の約2倍、がん患者(4200万人)やHIV/AIDS患者(3670万人)の20倍以上に上るとされるが、腎臓病に対する一般の認知度は低く、多くの人はその怖さを十分に理解していないという。

国際腎臓学会(ISN)現会長のDavid Harris氏と元会長のAdeera Levin氏は「腎臓病の世界的な蔓延に目を向けるときが来た」と話している。腎臓病の初期段階では、ほとんど自覚症状がないため患者自身が気づきにくい。また、腎臓病になると感染症、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患、腎不全になるリスクが高まり、入院するリスクも増加するが、これらのリスクは一般にほとんど知られていない。

各国の推計から、世界中で男性の約10%、女性では12%近くが慢性腎臓病(CKD)に罹患していると推定されている。また、透析療法や腎移植を必要とする患者は530万人~1050万人と推定されるが、医療費や臓器不足などの問題で多くの患者は適切な治療を受けていない。さらに、毎年1300万人以上が急性腎障害(AKI)を来たしており、その一部はCKDや腎不全に進行するとされる。

「今現在、得られているあらゆる情報から推定すると、世界の腎臓病患者は8億5000万人に上ることが明らかになった。この数字が腎臓病の世界的な蔓延を意味するのは明らかだ」とLevin氏は述べている。

腎臓は血液中の老廃物や塩分を取り除き、体内の水分量や電解質のバランスを整えるほか、血圧を調節する、赤血球を作る働きを助けるなど生命維持に欠かせないさまざまな役割を担っている。

腎機能が低下した状態が長く続くと、さまざまな合併症をもたらすことにも注意が必要だ。欧州腎臓・透析移植学会(ERA-EDTA)会長のCarmine Zoccali氏は「腎臓病患者は自覚症状がなくても脳卒中や心筋梗塞を発症したり、感染症を起こすリスクは高い」と強調する。

特にCKD患者では心筋梗塞などの心臓病の合併頻度が高く、2013年には、腎臓病の合併症として引き起こされた心血管疾患により120万人が死亡しているという。米国腎臓学会(ASN)会長のMark Okusa氏は「世界の腎臓病患者の数は驚くほど多いが、一般の人々はそうした事実に気づいていない。腎臓病患者の転帰は不良な場合が多く、医療費の増大にもつながっている」と話している。なお、米国では透析患者にかかる年間の医療費は、患者一人当たり8万8,195ドル(約978万円)であるという。(HealthDay News 2018年7月5日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/misc-kidney-problem-news-432/850-million-people-worldwide-have-kidney-disease-735411.html

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