2HDN糖尿病ニュース11月16日配信2

肥満患者で膝関節脱臼、血管損傷リスクが上昇

成人の約4割が肥満と推定される米国では、肥満の増加とともに膝関節脱臼も増えており、医療費の増大や下肢切断などを要する血管損傷リスクも高まっていることが新しい研究で示された。詳細は「Journal of Orthopaedic Trauma」10月23日オンライン版に掲載された。

研究を主導した米ブラウン大学ウォーレン・アルパート医学校のJoey Johnson氏は「肥満患者の増加とともに膝関節脱臼の手術件数も増えており、医療コストを押し上げる原因にもなっている。米国の肥満患者は増加し続けており、この問題はますます複雑化するだろう」と指摘している。なお、膝関節脱臼は複数の靱帯損傷を伴う重症なケースもあり、主に交通事故やアメリカンフットボールのような対戦相手と接触するコンタクトスポーツで生じるとされる。

この研究は、全米をカバーする入院患者データベースから2000~2012年に発生した1万9,087件の膝関節脱臼を対象に、肥満と膝関節脱臼および血管合併症との関連を後ろ向きに調べたもの。なお、解析対象とした患者のうち11.9%(2,265人)が過体重または肥満であった。

解析の結果、肥満または重度の肥満と診断された患者における膝関節脱臼の年間発生率は、2000年の8%から2012年には19%へと増加していた。また、膝関節脱臼を伴う肥満患者では、適正体重の人よりも入院期間が長く、入院コストも増大していることが分かった。

さらに、膝関節脱臼に伴って膝の後方にある重要な血管を損傷する確率は、適正体重の人では5.63%だったのに対し、肥満患者では7.2%、重度の肥満患者では11.3%と2倍近くに上昇することが分かった。なお、こうした重度の合併症は「血管損傷」と呼ばれ、治療せずに放置すると下肢切断につながる恐れがあるという。

また、血管損傷を伴う患者の入院期間は平均15日で、血管損傷を伴わない患者よりも約1週間も長いほか、入院費用は血管損傷がない患者の6万ドル(約680万円)と比べて血管損傷がある患者では13万1,000ドル(約1480万円)に上るとの報告もある。

これらの結果を踏まえて、論文共著者の一人である同大学のChristopher Born氏は「膝の痛みを訴える肥満患者では、特に膝関節脱臼を伴う場合には血管損傷を見逃さないように注意深く評価する必要がある」と強調し、「膝関節脱臼リスクの低減を目指すには、まずは肥満率を抑えることが先決だ」と述べている。(HealthDay New 2017年11月10日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/knee-problem-news-436/obesity-to-blame-for-epidemic-of-knee-dislocations-complications-728246.html

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2HDN糖尿病ニュース11月16日配信1

メタボ予防に全粒穀物の摂取が有効

精製された穀物の代わりに全粒粉や玄米といった精製されていない「全粒穀物」を多く摂取すると満腹感が得られやすく減量に効果的なほか、全身の炎症も低減することが、デンマークで行われた研究で報告された。全粒穀物が豊富な食事はメタボリック症候群の予防や進展抑制につながる可能性があるという。詳細は「Gut」11月1日オンライン版に掲載された。

論文の責任著者であるデンマーク工科大学教授のTine Rask Licht氏は「この研究結果は、全粒穀物の摂取を推奨することが科学的根拠に基づくことを裏づけるものだ。また、全粒穀物の中でも特にライ麦を摂取すると全身の炎症低減に効果的なようだ」と述べている。

今回の研究は、血糖異常や脂質異常、高血圧などのメタボリック症候群のリスク因子を1つ以上有する成人男女60人を対象としたもの。参加者は20~65歳で、全員が過体重または肥満であった。

Licht氏らは、参加者をランダムに2つの群に割り付けて、一方の群では、最初に全粒穀物が豊富な食事(1日75g以上)を8週間続け、次に普段の食事を6週間続けるウォッシュアウト期間を設けた後、精製穀物を中心とした食事(全粒穀物の摂取量を1日10g未満に制限)を8週間続けてもらい、もう一方の群では食事の順番を逆にするクロスオーバー試験を行った。参加者には血液検査を行うとともに、採取した糞便試料からDNAを抽出して腸内細菌の組成について解析した。なお、全粒穀物には小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、玄米、乾燥トウモロコシなどが含まれていた。

参加者のうち50人が全粒穀物または精製穀物が中心の食事を終了した。解析の結果、精製穀物と比べて全粒穀物を中心とした食生活を送るとエネルギー摂取量とともに体重も減少することが分かった。この結果について、Licht氏は「全粒穀物を食べると満腹感が得られやすく食べる量も減ったことが減量につながったのではないか」と話している。

また、全粒穀物が豊富な食事を取るとメタボリック症候群のリスク因子とされるインターロイキン(IL)-6やC反応性蛋白(CRP)といった全身性の炎症マーカーが大きく低下することも分かった。一方で、全粒穀物を多く摂取しても腸内細菌叢の組成に大きな変化はみられないとする結果も得られた。

米ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのSamantha Heller氏は、これまでの研究では全粒穀物を摂取すると腸内細菌叢に変化がもたらされ、インスリン抵抗性が改善する可能性も一部で報告されていると指摘しつつ、「Licht氏らの研究は、これらの効果を示すには小規模であったか、摂取する穀物の種類や量、研究期間も結果に影響した可能性もある」と説明している。

また、Heller氏は、全粒穀物はビタミンやミネラルを多く含む健康的な食品であるが食べ過ぎには気をつける必要があるとし、理想的な食事の構成として「でんぷんを含まない野菜を半分、全粒穀物とたんぱく質をそれぞれ4分の1とするのが良い」とアドバイスしている。さらに、同氏は食品を選ぶ際にはパッケージに「全粒穀物でできている」と表示されていても、栄養成分の表示を改めて確認するよう促している。(HealthDay New 2017年11月9日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/dieting-to-increase-fiber-health-news-194/switching-to-whole-grain-foods-could-trim-your-waistline-728375.html

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Portrait of male patient being prepared by nurse before renal dialysis in hospital room

糖尿病患者の腎不全、2000年から2014年には33%減少――米CDC

米国では糖尿病患者のうち末期腎不全(ESRD)に至った患者は2000年から2014年には33%減少したとの報告が、米疾病対策センター(CDC)が発行する「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月3日号に掲載された。

CDCのNilka Rios Burrows氏らが、米国内50州とコロンビア特別行政区、プエルトリコにおける腎臓データシステムと行動リスク因子サーベイランスシステムから2000~2014年のデータを解析した結果、年齢を調整した糖尿病患者におけるESRDの発症率は10万患者当たり260.2件から173.9件に33%減少し、ほとんどの州で有意に減少したことが分かった。(HealthDay News 2017年11月8日)

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4.1.1

生活習慣改善による糖尿病予防効果は介入終了後も持続する――米研究

生活習慣への介入と薬物治療はいずれも糖尿病の一次予防に有効だが、生活習慣の改善による予防効果は介入終了後も持続するとの研究結果が「JAMA Internal Medicine」11月6日オンライン版に掲載された。

米エモリー大学のJ. Sonya Haw氏らは、1990~2015年に公表された43件(生活習慣介入、6カ月超の薬物治療が各19件、両者の併用が5件)の研究(18歳以上の男女4万9,029人が参加)を対象にメタ解析を実施した。その結果、介入終了時点の糖尿病リスクは生活習慣介入で39%、薬物治療で36%低下した。薬物治療の予防効果は治療中止後に消失したが、生活習慣介入では終了後も効果が持続していた。(HealthDay News 2017年11月7日)

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4.1.1

慢性腎臓病患者はカフェイン摂取量が多いほど死亡率が低下する――米国腎臓学会

慢性腎臓病(CKD)患者は、カフェイン摂取量が多いほど死亡率が低下するとの研究結果が米国腎臓学会・腎臓週間(ASN Kidney Week 2017、10月31~11月5日、ニューオーリンズ)で報告された。

Centro Hospitalar Lisboa Norte(ポルトガル)のMiguel Bigotte Vieira氏らは、1999~2010年の国民健康栄養調査(NHANES)データを用いて、CKD患者2,328人のカフェイン摂取量と死亡率との関連を検討した。解析の結果、カフェイン摂取量が最低四分位だった群と比べて、全死亡のハザード比は第2、第3および最高四分位の群でそれぞれ0.88、0.78、0.76とカフェイン摂取量が多いほど死亡リスクが低下した。(HealthDay News 2017年11月3日)

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4.1.1

食事のGI値が高いとマグネシウム摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低下 米研究

食事のグリセミック指数(GI値)が高い人では、マグネシウム摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低下するとの研究結果が「Diabetes Care」10月4日オンライン版に掲載された。

米タフツ大学のAdela Hruby氏らは、医療従事者を追跡した3件の観察研究(NHS、NHS 2、HPFS)に参加した計20万2,743人を対象に4年ごとに行った食事摂取頻度調査票の結果を分析した。28年間追跡した結果、マグネシウム摂取量の最高5分位群では最低5分位群と比べて2型糖尿病リスクが15%低かった。マグネシウム摂取量の増加と2型糖尿病リスク低下との関連は、食事のGI値が高い群や穀類からの食物繊維の摂取量が少ない群でより強かった。(HealthDay News 2017年11月1日)

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4HDN国内ニュース11月13日配信2

飲酒量が多いほどインスリン分泌不全や抵抗性になりやすい 日本人男女2,100人の解析、帝京大

日本人の成人男女は飲酒量が多いほどインスリン分泌不全やインスリン抵抗性になりやすく、2型糖尿病の発症リスクが高まる可能性があると、帝京大学衛生学公衆衛生学の辰巳友佳子氏らの研究グループが発表した。30歳以上の男女2,100人の検査データを解析したもので、これらの関連には性差はみられないことも分かった。詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」10月27日オンライン版に掲載された。

日本人を対象に、飲酒によるインスリン分泌不全とインスリン抵抗性への影響を検討した研究はほとんど行われていない。国外では飲酒量が多いほどインスリン抵抗性のリスクは低いという研究結果が報告されているが、これは過剰な飲酒が2型糖尿病の発症リスクを上昇させるという国内外の多数の報告と合致しない。そこで、辰巳氏らは人間ドックを受けた成人男女を対象に前向きに追跡し、これらの関連を調べる観察研究を行った。

対象は、2008年4月~2009年3月に75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を含む検査を受け、2型糖尿病とインスリン分泌不全、インスリン抵抗性が認められなかった30~74歳の男女2,100人。対象者を純アルコール摂取量で(1)非飲酒群、(2)軽度の飲酒群(週に男性では1~139g、女性では1~69g)、(3)中等度の飲酒群(それぞれ週に140~274g、70~139g)、(4)過度な飲酒群(それぞれ週に275g以上、140g以上)の4群に分けてアルコール摂取量と追跡時に毎年行った75gOGTTで評価したインスリン分泌不全(インスリン分泌指数が51.7以下)またはインスリン抵抗性(HOMA-IRが2.5以上)の発症との関連を調べた。

4.3年(中央値)の追跡期間中に708人がインスリン分泌不全を発症し、5.0年(中央値)の追跡期間中に191人がインスリン抵抗性を発症した。解析の結果、インスリン分泌不全になるリスクは、全く飲酒をしない群と比べて軽度の飲酒群では1.16倍、中等度の飲酒群では1.35倍、過度な飲酒群では1.64倍であり(傾向P<0.001)、インスリン抵抗性のリスクについても同様にそれぞれ1.22倍、1.42倍、1.59倍(傾向P=0.044)であったことから、飲酒量の増加に伴ってこれらのリスクは有意に上昇することが分かった。

また、追跡期間中に89人が2型糖尿病を発症しており、そのリスクは飲酒量の増加に伴い上昇していたが(非飲酒群と比べて軽度群で1.05倍、中等度群で1.46倍、過度な飲酒群で1.83倍、P=0.014)、糖尿病リスクと飲酒量の量反応関係は多変量調整後の解析では消失していた。

以上の結果から、辰巳氏らは「全く飲酒をしない人と比べて、飲酒量が多い人ほどインスリン分泌不全やインスリン抵抗性になるリスクは上昇することが分かった。過度な飲酒は、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方を介して糖尿病の発症に影響を及ぼしている可能性がある」と述べている。(HealthDay News 2017年11月13日)

Abstract/Full Text
www.diabetesresearchclinicalpractice.com/article/S0168-8227(17)31228-7/abstract

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4.1.1

メトホルミンががん予防につながる可能性 マウス実験で検証、岡山大グループ

2型糖尿病の治療薬として世界で最も多く処方されているメトホルミンが、がんに対する免疫反応を抑制する制御性T細胞の増殖と機能を抑えてがんの予防や治療に有用な可能性があることを、岡山大学大学院免疫学教授の鵜殿平一郎氏らの研究グループが突き止めた。メトホルミンにより制御性T細胞の働きを抑えることで、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能を妨げることなく、がんに対する免疫作用を増強する可能性があるという。詳細は「EBioMedicine」10月15日オンライン版に掲載された。

免疫細胞の一種である制御性T細胞は、体に対する過剰な免疫反応を抑える一方で、がんに対する免疫反応を抑制し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の機能も抑えてしまうことが知られている。そのため、がんの予防や治療には、がんの中に存在する制御性T細胞だけを抑制し、がん以外の部分にある制御性T細胞の数や機能には影響を及ぼさないことが理想とされていた。

研究グループは既に、正常なマウスにがん細胞を移植して作製した担がんマウスを用いた検討で、メトホルミンががんを攻撃する免疫細胞の疲弊を回復させ、腫瘍の塊を縮小させることを見出していた。今回の検討でも担がんマウスにメトホルミンを飲料水に混ぜて投与したところ、一般には腫瘍の塊の中で増殖するはずの制御性T細胞(CD4+CD25+T細胞)にアポトーシス(細胞死)が起こり、制御性T細胞の数が著しく減少することを見出した。

また、制御性T細胞が生存するには本来、エネルギー代謝の過程で脂肪酸を取り込んでクエン酸回路と酸化的リン酸化反応(細胞内で起こる呼吸に関連した現象で、高エネルギー化合物のATPを産生する回路の一つ)に依存している。しかし、詳細な解析の結果、糖代謝の改善に働くメトホルミンを投与すると、糖を起点とした解糖系が亢進し、それまで脂肪酸を取り入れて生存していた制御性T細胞の代謝バランスが崩れて、結果的に細胞死に至る可能性が示唆された。

研究グループは、新しいがん治療として注目を集めている免疫療法は進行期のがんでの奏功率が20%弱にとどまり、自己免疫疾患などの副作用の課題が残されている点を指摘しつつ、「メトホルミンは免疫細胞の代謝バランスを変化させることで、がん局所だけの制御性T細胞を抑制する可能性を示した今回の知見は、今後のがん免疫療法に新しい展開をもたらすのではないか」と期待を示している。(HealthDay News 2017年11月13日)

Abstract/Full Text
http://www.ebiomedicine.com/article/S2352-3964(17)30405-X/fulltext

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世界糖尿病デーにレクチャーと皇居ランイベントを開催――日本糖尿病協会

日本糖尿病協会は11月14日の世界糖尿病デーに、楽しみながら糖尿病予防と健康の大切さを考える一般の方向けのイベントを世界糖尿病デー実行委員会・クルソグ実行委員会と共催で開催する。

「World Diabetes Day 11.14 ~明日を変えるために今動こう、皇居スロージョギング®でブルーサークルを繋ごう~」と名付けられたこのイベントでは、東京駅周辺で糖尿病のミニレクチャーを受けた後、ブルーライトアップされた東京駅を眺めながら皇居外周をゆっくり走るもの。同協会は参加者に、世界糖尿病デーのシンボルカラー「青」にちなんで青色のものを身につけるよう呼び掛けている。(HealthDay News 2017年11月7日)

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肥満合併で日本人2型糖尿病患者の医療費が増大する――滋賀医大の研究グループ

肥満を伴う日本人の2型糖尿病患者は、肥満がない場合と比べて主に外来での薬剤費と入院費による医療費が増大することが滋賀医科大学糖尿病内分泌・腎臓内科准教授の荒木信一氏らの検討で分かった。肥満を合併すると血糖や血圧、脂質管理に処方される薬剤の種類が増え、より手厚い治療が必要となるにもかかわらず血糖コントロールが不十分なケースが多くみられたという。「Journal of Diabetes Investigation」10月25日オンライン版に掲載の論文。

研究グループは、2011年4月~2013年3月に経過観察のため外来を受診した2型糖尿病患者402人を対象に肥満(BMI 25以上)の有無で分けて年間の医療費などを比較した。(HealthDay News 2017年11月6日)

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