4.1.1

脳の老化を遅らせるには緑葉野菜を食べると良い?

ホウレンソウやケール、レタスなどの緑葉野菜を毎日食べている人は、脳が老化する速度が遅い可能性を示唆する研究結果が「Neurology」2017年12月20日オンライン版に掲載された。同研究では緑葉野菜をほとんど、あるいは全く食べない人と比べ、毎日1回以上食べている人では脳年齢が11歳若いことが示されたという。

この研究を実施したのは米ラッシュ大学医療センターのMartha Clare Morris氏ら。高齢者の認知機能などを調査するプロジェクトの参加者のうち、食品摂取頻度について回答し、平均4.7年の追跡期間中に2回以上の認知機能評価を受けた58~99歳の男女960人(平均年齢81歳)を対象に、緑葉野菜の摂取頻度と認知機能の低下度との関連について検討した。

緑葉野菜の摂取頻度で五分位に分けて解析した結果、摂取頻度が最も高い群(1日当たり平均1.3回)では、最も低い群(同0.1回)と比べて認知機能の低下度が小さく、年齢に換算すると11歳若いことが示された。また、このような関連は認知機能に影響する可能性がある喫煙や高血圧、肥満、学歴、身体活動量、認知面の活動量といった因子を考慮しても認められた。

ただ、この研究は緑葉野菜を毎日摂取すれば脳の老化が遅くなるという因果関係を証明したものではない。アルツハイマー協会のKeith Fargo氏は、その点を指摘した上で、「脳の健康には食事などの生活習慣に関連した因子がいかに重要かを裏付けるエビデンスが集積しつつあるが、今回の研究結果もその一つだと言える」と説明している。

一方、研究を実施したMorris氏らは、緑葉野菜に含まれているビタミンKやルテイン、葉酸などの栄養素が脳の老化を遅らせることに関係しているとの見解を示しているが、同氏やFargo氏らはこれらの栄養素をサプリメントで摂取することについては批判的だ。Morris氏は「食品に含まれている栄養素の複雑なバランスはサプリメントでは再現できない」として、これらの栄養素は野菜そのものを食べて摂取すべきだと強調している。

また両氏は今回の研究が因果関係を証明したものではないことは認めつつも、「食事に葉物野菜を追加することによるデメリットは小さいはずだ」と指摘。脳の健康には食事を含めた全般的な生活習慣が影響することを認識してほしいと呼び掛けている。(HealthDay News 2017年12月20日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-aging-news-10/eat-your-greens-and-maybe-boost-an-aging-brain-729581.html

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1-1 HDN1月9日「今日のニュース」No.2

脳異常と犯罪行為の関係を探る

脳に病変が確認された後に犯罪行為に及んだ17人の脳画像データを解析した研究の結果、脳病変の位置はさまざまだが、全ての犯罪者の病変が特定の脳内ネットワークと関係していることが示唆された。この研究を率いた米バンダービルト大学のRichard Darby氏は「脳の異常が犯罪行為に影響するメカニズムの解明を進める一助となる研究結果」としている。詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」2017年12月18日オンライン版に掲載された。

1966年に米テキサス大学オースティン校で発生した銃乱射事件では、13人が死亡し、31人が負傷した。この事件の犯人で、銃撃戦の末に射殺されたチャールズ・ホイットマンは、事件を起こす前から頭痛を訴え、自身の人格が変わったと話していた。また、事件後には脳腫瘍があったことが判明。これをきっかけに研究者の間で脳の異常と犯罪行為との関係について関心が高まった。

Darby氏らは今回、犯行前に脳に病変が確認されていた犯罪者17人の脳画像データを収集し、分析した。その結果、病変はさまざまな脳領域に位置していたが、いずれも特定の脳内ネットワークに関係していた。

Darby氏によると、特定されたネットワークは健康な人では道徳的な意思決定に関与しているという。このことから、同氏は「同ネットワークに異常があると犯罪を起こしやすくなる理由を説明できる」としている。なお、別の犯罪者23人の脳画像データを用いて検証したところ、一致した結果が得られたという。

ただし、このネットワークに関係する領域に病変がある人が必ず犯罪を起こすわけではなく、遺伝や環境、社会的要因も関与している可能性があることをDarby氏らは強調。「これまでの研究でも一部の犯罪者の脳に異常が認められていたが、ほとんどの場合、その異常が犯罪行為の原因であるのか、結果であるのか、単なる偶然なのかは分かっていない」と説明している。

また、同氏は「脳病変のある人に対してその行為の法的責任を問うべきかどうかは、最終的には社会が答えを出すべき問題である」と付け加えている。(HealthDay News 2017年12月26日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/behavior-health-news-56/new-research-probes-the-criminal-mind-729415.html

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1-2 HDN1月9日「ヘルスハイライト」No.1

科学的に証明された認知症の予防法は今のところない?

「認知機能の低下やアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)の予防に役立つことが証明された薬剤やサプリメント、脳トレーニング法は今のところ存在しない」とする4件のシステマティックレビューの論文が「Annals of Internal Medicine」2017年12月19日オンライン版に掲載された。これらの論文では、過去の臨床試験のデータを分析した結果、強いエビデンスに裏付けられた予防法はなかったとしている。

今回の論文を発表したのは、米ミネソタ大学公衆衛生学部のMary Butler氏ら。薬剤やサプリメント、脳トレーニングプログラム、身体活動による認知機能低下およびアルツハイマー病の予防効果について検討した臨床試験に関する文献を調べ、一定の質を満たした研究のデータを分析した。

その結果、認知症治療薬や降圧薬、糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬などの処方薬の臨床試験計51件のデータを分析したところ、いずれについても認知機能が正常あるいは軽度認知障害(MCI)の人の認知機能低下を抑制するとのエビデンスはなかった。また、各種ビタミンやオメガ3系脂肪酸、大豆、イチョウ葉エキスなどのサプリメントについても、認知症を予防することを裏付けるエビデンスは不十分だった(計38件の試験データを分析)。

さらに、脳トレーニング法については11件の試験データを分析したが、「記憶力」や「遂行力」など特定の機能を訓練によって向上させることはできるが、認知機能低下や認知症の予防に役立つとのエビデンスは不十分だった。

一方、身体活動については、健康的な食事や脳トレーニングなど他の要素を組み合わせれば認知機能の低下を遅らせることができるという弱いエビデンスがあった(計11件の試験データを分析)。

Butler氏は「結局のところ、認知症予防に特効薬はないということだ」とした上で、「今のところ最善のエビデンスで裏付けられているのは、健康的な食事や運動習慣に加え、高血圧などの現在抱えている健康問題に対処し、積極的に社会的なつながりを持ち続けることであることが分かった」と説明している。

一方、「これらの論文を読んで失望する必要はない」と話すのは米アルツハイマー協会のDean Hartley氏だ。同氏は「認知症の治療や予防に有効な方法は存在しないことが確定したわけではない。今回は科学的に証明された方法がないことが報告されただけに過ぎない。必要なのは、さらなる研究だ」と強調。日常的な運動を心掛けるなど、生活習慣の是正に一定の効果があることが明らかになった点については前向きに捉えるべきだとの見解を示している。(HealthDay News 2017年12月18日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/misc-aging-news-10/there-s-still-no-proven-way-to-prevent-alzheimer-s-729503.html

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痛みを感じない家族に共通の遺伝子変異、疼痛緩和の手がかりに

イタリアのある家族は、不思議なことに痛みとは無縁の生活を送っている。英ロンドン大学(UCL)ウォルフソン生物医学研究所のJames Cox氏らは、この家族の遺伝子解析を実施し、共通の遺伝子変異があることを突き止めたと「Brain」2017年12月13日オンライン版に発表した。同氏らは「新たな鎮痛薬の開発につながる知見」としている。

Cox氏らが今回、遺伝子解析を実施したのは78歳の女性とその娘2人、さらに孫3人の三世代にわたるMarsili家の6人。Marsili家の人たちは熱傷を負っても骨折しても痛みを感じず、唐辛子の辛さも感じないという。しかし、全身に痛みを感じるための神経が走っていることは確認されている。「ただ、これらの神経は正常に働いていない」とCox氏は説明する。

同氏らがこの家族6人の遺伝子解析を実施した結果、全員にZFHX2遺伝子の変異があることが分かった。また、Marsili家の一家と同様のZFHX2遺伝子の変異があるマウスを作製して高温による痛みを与える実験を行ったところ、痛みに対する感覚が失われていることが明らかになったという。

慢性疼痛の患者数は多く、全人口の10%が中等度から重度の慢性疼痛に苦しんでいると推定されている。治療が難しい場合も多く、中毒性のあるオピオイド鎮痛薬に救いを求める患者もいる。Cox氏らは「Marsili家のように一部の人で痛みを感じにくい原因を解明することで、安全に慢性疼痛を治療できる新薬の開発につなげられるかもしれない」としている。

この研究論文の共著者であるシエナ大学(イタリア)のAnna Maria Aloisi氏は「今回の研究で同定された遺伝子変異が痛みの感じ方にどのように影響しているのか、また他にも痛みの感覚に関与する遺伝子があるのかどうかについて、今後さらなる研究が必要だ。それによって新たな鎮痛薬の開発で何を標的とすべきかが明らかになるだろう」と付け加えている。(HealthDay News 2017年12月14日)

https://consumer.healthday.com/bone-and-joint-information-4/pain-health-news-520/insights-into-pain-relief-from-the-family-that-can-t-feel-pain-729378.html

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1-1 HDN12月18日「今日のニュース」No.1

世界初の両手移植男児、機能回復とともに「脳地図」も変化

2年前、8歳で小児では世界初となる両手の移植手術を受け、目覚ましい機能の回復をみせ話題を呼んだ米国の男児が再び注目を集めている。現在10歳になったZion Harvey君は、2歳の時に重度の感染症のため両手を切断したが、6年間の両手のない期間に変化した「脳地図」が移植後、元に戻りつつあることが明らかになったという。移植手術を実施した米フィラデルフィア小児病院(CHOP)のグループが「Annals of Clinical and Translational Neurology」12月6日オンライン版に掲載された論文で報告した。

論文の筆頭著者であるCHOPのWilliam Gaetz氏によると、身体はあらゆる部位において、感覚刺激を受けるとその部位に応じた脳領域に信号を送る。脳内には、こうした身体の各部位の感覚刺激を知覚する機能局在(脳地図)が存在する。しかし、手を切断した成人患者やヒト以外の霊長類の脳画像を用いた研究では、手からの信号入力が途絶えると脳地図が再構築されることが示されていた。このような脳地図の変化は「大脳皮質再構築(massive cortical reorganization;MCR)」と呼ばれている。

Gaetz氏らはこれまでZion君に対し、唇や指に与えた刺激に対して反応する脳領域や反応の強さ、タイミングなどを調べるために脳内の磁場を測定する脳磁図(MEG)検査を複数回にわたって実施し、脳地図の変化を観察してきた。その結果、両手を切断した後、唇の感覚に対応する脳領域が、以前は手の感覚に対応していた領域の位置まで2 cm移動するなどの脳地図の再構築、つまりMCRが起こっていることが確認された。小児でMCRが確認されたのはこれが初めてだという。

しかし、2年前に新たに移植されたZion君の両手が機能し始めたことは、Gaetz氏らをさらに驚かせた。それだけでなく、移植後のMEG検査では脳地図が正常化しつつあることも示されたという。「Zion君の例では、この(脳地図の再構築の)プロセスは可逆的であることが示された」と同氏は話す。ただ、現状では「感覚の信号が脳の正しい領域に届くようになってはいるが、まだ完全には体性感覚のネットワークに統合されていない」と説明している。

Zion君の両手移植手術を率いたCHOPのLawrence Scott Levin氏は、「Zion君は数多くの“世界初”を成し遂げた子どもであり、これはわれわれ医療チームにとっても、Zion君自身にとっても大きなことだ」と話している。Zion君は現在、一人で着替えたり食事を取ったりすることができ、字も書けるという。

Gaetz氏は「今回の結果から、小児の脳の柔軟性について、期待とともに新たな疑問も浮かび上がってきた」と話す。疑問とは、例えば手の移植に最適な年齢は何歳なのか、手を切断すると誰にでも脳地図の再構築が起こるのか、生まれつき手がない場合の脳地図はどうなっているのかといったことだという。これらの疑問に対する答えを見つけるために、新たな研究も計画されているとしている。(HealthDay News 2017年12月6日)

https://consumer.healthday.com/disabilities-information-11/amputation-news-720/boy-s-double-hand-transplant-changed-his-brain-729122.html

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4.1.1

難治性てんかんに食事療法が有効、2件の研究で明らかに

薬物治療が奏効しない難治性てんかんの小児患者に対し、ケトン食療法と呼ばれる食事療法を実施したところ、発作症状が軽減したとする2件の研究結果が米国てんかん学会(AES 2017、12月1~5日、米ワシントンD.C.)で発表された。AESはプレスリリースで「小児てんかん患者の約5人に1人は薬で発作をコントロールできないのが現状。これらの研究結果はそうした薬剤抵抗性てんかんの患者に希望をもたらす研究結果だ」と紹介している。

ケトン食療法とは糖質を減らし、脂肪を増やす食事療法で、脳内でのエネルギーの使われ方を変化させ、てんかん発作を抑える効果があると考えられている。標準的なケトン食療法では、食事中の脂肪に対する糖質およびたんぱく質の比率が3~4:1となるように厳密に管理することが求められる。脂肪は主にクリーム、バター、ナッツや種子のオイルから摂取する。ケトン食用の食品を除けば、一般的なクッキーやキャンディーなどの菓子類は食べられない。パンや米、イモ類、パスタなどの炭水化物も制限の対象となる。

今回報告された一つ目の研究は、米デル・チルドレンズメディカルセンター・オブ・セントラルテキサスのDave Clarke氏らが生後8カ月~20歳の薬剤抵抗性てんかん患者210人を対象に実施したもの。このうち150人が迷走神経刺激法(VNS)、44人が脳梁離断術と呼ばれる外科手術、98人がケトン食療法を受けた。その結果、50%以上の発作軽減がみられた患者の割合は、VNS群で52%、外科手術群で54%、ケトン食療法群で63%だった。

一方、二つ目の研究ではマクマスター大学(カナダ)のRajesh RamachandranNair氏らが生後5カ月~16歳の薬剤抵抗性てんかん患者40人を対象に比較的緩やかなケトン食療法について検討した。従来のケトン食療法は短期入院により集中的に実施されるが、この研究では脂肪の割合を低め(脂肪に対する糖質およびたんぱく質の比率を0.67~1:1)に設定したケトン食療法を開始。これによって発作がコントロールできるようになった場合には同じ比率のケトン食療法を継続し、効果がみられない場合には2~3週間ごとに脂肪の割合を徐々に高めた。

その結果、6カ月後に約半数の患者で50%以上の発作の低減が認められ、完全に発作がみられなくなった患者も6人(15%)いた。最終的なケトン食療法の脂肪に対する糖質およびたんぱく質の比率は平均で1.5~2:1だった。

AESのスポークスパーソンであるJames Wheless氏は「てんかん治療では薬物治療が主軸となるが、ケトン食療法も極めて効果の高い治療選択肢となりうる」とコメントしている。

ただし、全ての患者で食事療法の効果が得られるわけではない。同氏によると、6週間試せばその患者にケトン食療法が有効かどうかを見極めることができるという。

学会発表された知見は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年12月5日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/epilepsy-news-235/diet-may-help-fight-epilepsy-when-meds-fail-729024.html

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1-1 HDN12月11日「今日のニュース」No.1

米俳優の訴訟で話題のMRI用造影剤、有害性認められず

米国では11月初旬、「MRI検査で使用したガドリニウムを含む造影剤が原因で、妻が重篤な状態に陥った」として俳優のチャック・ノリスが妻とともに訴訟を起こしたことが報じられ、その安全性をめぐって懸念が広がっている。しかし、ガドリニウム造影剤による脳神経への影響は認められなかったとする最新研究の結果が北米放射線学会(RSNA 2017、11月26日~12月1日、米シカゴ)で発表された。

ガドリニウムはMRI検査用の造影剤に含まれている重金属の一種で、通常、静脈投与される。今回の研究を実施した米メイヨー・クリニックのRobert McDonald氏によると、ガドリニウムは1988年以降、長年にわたって使用され、これまでの使用回数は累計で約4億回と推定されているという。

しかし近年、脳内に微量のガドリニウムが蓄積する可能性があるとの報告があったことなどから、米食品医薬品局(FDA)は2017年9月にガドリニウムを使用した造影剤の製品ラベルに、脳など複数の器官にガドリニウムが蓄積する可能性があるとの警告を追記するよう指示した。

ノリスの妻はMRI検査の後、脱力感や疲労感、疼痛発作、灼熱感などに苦しんだとされている。しかし、実際に脳などに蓄積したガドリニウムは健康に悪影響を与えるのだろうか?

McDonald氏らは今回、メイヨー・クリニック加齢研究(MCSA)と呼ばれる前向きコホート研究に登録された50~90歳の正常な認知機能の男女4,261人(平均年齢71.9歳)のデータを用いて、ガドリニウムを含有するMRI用造影剤の使用による神経学的機能および神経認知機能への影響について検討した。

対象者の25.6%(1,092人)にガドリニウム造影剤の使用経験が1回以上あった。使用経験者の使用回数の中央値は2回で、初めてガドリニウム造影剤を使用した日からベースライン時までの期間は中央値で5.6年だった。

年齢や性、教育レベル、ベースライン時の神経認知機能などで調整して解析した結果、ガドリニウム造影剤の使用は認知機能の低下や認知症、神経心理学的能力の低下あるいは運動能力の低下に関連していなかった。また、ガドリニウム造影剤が認知機能の低下を速めたり、認知症への進行を速めたりするとのエビデンスも得られなかった。

今回の研究結果を踏まえ、McDonald氏は「一般的に使用されている用量のガドリニウム造影剤であれば、仮に脳内に蓄積したとしても有害な影響をもたらすとのエビデンスはないことが分かった」としている。

一方、米ケースウエスタンリザーブ大学放射線科准教授のVikas Gulani氏は「今回の研究ではガドリニウムの脳内での蓄積による害は認められなかったが、他の神経学的問題を引き起こす可能性は否定できない」と話す。同氏は「造影剤はMRIによってがんや心疾患、肝疾患などを正確に診断するために重要なものであり、リスクとベネフィットのバランスが大切だ」と強調するとともに、「造影剤を使わずにMRIを実施できる場合には使用を回避すべきだ」と助言している。

なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年11月29日)

https://consumer.healthday.com/health-technology-information-18/mri-scan-news-455/chuck-norris-says-mri-dye-harmed-wife-s-brain-but-study-finds-no-link-728906.html

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Education, friendship, technology and children concept - Sisters teenage girls with smart phone and headphones listening music and ommunicate in social networks

若者の「スマホ依存症」、脳画像で異常を確認

スマートフォン(スマホ)から離れられない若者に脳画像検査を実施したところ、脳内の神経伝達物質の活性のバランスに異常が認められたとする研究結果が北米放射線学会(RSNA 2017、11月26日~12月1日、米シカゴ)で発表された。

この研究は高麗大学(韓国)のHyung Suk Seo氏らが実施したもの。対象は、インターネット依存症またはスマホ依存症と診断された10歳代の男女19人(平均年齢15.5歳)と、年齢および性をマッチさせた依存症のない健康な男女19人(対照群)。依存症患者には、インターネットまたはスマホへの依存症の重症度を測定する標準化された検査を実施した。この検査では主にインターネットやスマホの使用が日常生活や社会生活、生産性、睡眠習慣、感情に与える影響について評価した。

また、依存症患者のうち12人には9週間にわたって認知行動療法を実施したが、その前にMRIの一種であるMRスペクトロスコピー(MRS)を用いて脳機能を評価した。MRSは体内の代謝物を非侵襲的に測定でき、主に脳腫瘍や脳卒中、気分障害、アルツハイマー病などの患者の脳機能評価に使用されている。

その結果、インターネットまたはスマホの依存症患者では、対照群と比べてグルタミン酸-グルタミン(Glx)に対するγアミノ酪酸(GABA)の活性レベルの比が高いことが示された。GlxとGABAはいずれも脳内の神経伝達物質だが、Glxは興奮性、GABAは抑制性の物質とされている。同氏らによると、これまでの研究でGABAは視機能や運動調節、不安などさまざまな脳機能の制御に関与することが明らかにされているという。

また、今回の研究ではクレアチンおよびグルタミン酸に対するGABAの活性レベルの比が、インターネットまたはスマホへの依存レベルや抑うつ、不安と有意に関連することも示された。

この研究結果を受け、米コーエン小児医療センターのSanjeev Kothare氏は「インターネットあるいはスマホへの依存症はギャンブルやポルノへの依存症に匹敵する病態かもしれない」との見方を示している。また、10歳代の子どもを持つ親に対し、同氏は「もしわが子がスマホ中毒ではないかと心配ならスマホやコンピュータの使用を制限すべきだ」と助言している。

なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2017年11月30日)

https://consumer.healthday.com/mental-health-information-25/addiction-news-6/does-smartphone-addiction-show-up-in-teens-brains-728910.html

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4.1.1

適度な飲酒で全死亡リスクが低減 多目的コホート研究から

国立がん研究センターなどの多目的コホート研究(JPHC Study)グループは、適度な飲酒は全死亡のほか、がんや心臓病、脳血管疾患の三大死因による死亡リスクの低下と関連するとの研究結果を「Journal of Epidemiology」11月11日オンライン版に発表した。一方で、男女ともに飲酒量が多過ぎると死亡リスクは有意に上昇したことから、適量飲酒の重要性も再確認された。

研究グループは今回、JPHC研究に参加した一般住民を前向きに約18年間追跡したデータを用いて、飲酒量と休肝日の有無や日数などの飲酒パターンが全死亡や心臓病、脳血管疾患、呼吸器疾患、病気を除いた傷害といった死因別の死亡リスクにどのような影響を及ぼすのかを調べた。

対象は、1990年および1993年にがんや循環器疾患の既往がない40~69歳の住民10万2,849人。平均18.2年の追跡期間中に1万5,203人の死亡が確認された。研究開始時と5年後および10年後の調査時に行った質問紙調査への回答から、週当たりのエタノール換算した飲酒量を算出し、飲酒量で男性は7つの群に、女性は6つの群に分けて各死亡との関連を分析した。また、休肝日の有無や日数で(1)休肝日なし群、(2)週1~2日群、(3)週3~4日群、(4)週5~6日群の4群に分けて分析した。

なお、飲酒量による分類は、男性は(1)飲酒しない群、(2)月に1~3日程度飲む群、(3)1週間当たりエタノール換算量で1~149g飲酒する群、(4)同150~299g群、(5)同300~449g群、(6)同450~599g群、(7)同600g以上群に分け、女性は男性の1週間当たりエタノール換算量で450g以上群をまとめた6つの群とした。エタノール換算した飲酒量の目安は、週150gがビール大瓶では約7本、日本酒では約7合に相当するという。

その結果、全死亡リスクは、男性では飲酒しない群と比べて、月に1~3日程度の少量飲酒する群と中程度(エタノール換算量で週に500g未満)の飲酒をする群で低下したが、飲酒量が多い群(週600g以上)ではリスクは上昇していた。女性でも少量から中程度(エタノール換算量で週に150g未満)の飲酒をする群で全死亡リスクは低下したが、飲酒量が多い群(週450g以上)ではリスクは有意に上昇し、男女ともに飲酒と全死亡はJ字型曲線(Jカーブ)の関係にあること分かった。

また、死因別の分析では、男性はがんと脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にはJカーブの関係がみられたが、心疾患と呼吸器疾患による死亡との間にはU字型曲線(Uカーブ)がみられた。一方、女性はがんと心臓病、脳血管疾患による死亡と飲酒量との間にJカーブの関係がみられた。

さらに、週に1日以上飲酒する男性に限定して週当たりの飲酒量別に3つの群(週150g未満、150~299g、300g以上)に分け、休肝日がない群と比べた休肝日のある群の死亡リスクを分析した。その結果、休肝日を週に1~2日取り、かつ飲酒量が週150g未満の群では全死亡リスクが低下したほか、飲酒量にかかわらず休肝日を週に1~2日取る男性は脳血管疾患による死亡リスクが低下していた。

これらの結果から、研究グループは「今回の研究で、多量飲酒を避けて適量飲酒をすることが健康には重要なことが再確認されたほか、休肝日を取ることが健康に好影響をもたらすことが示された」と述べている。(HealthDay News 2017年11月27日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20160200/_article

Press Release
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8045.html

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Senior man standing reminiscing as he stares out of a window with a faraway expression as he recalls nostalgic old memories

独身男性は脳卒中後の施設入居率が3倍

日常生活で世話をしてくれる人がいない独身男性は、世話をしてくれる人がいる男性と比べて脳卒中後に介護施設に入居する確率が約3倍に上ることが米国の研究で明らかになった。女性の場合は同様の状況でも介護施設への入居率は男性ほど高くないことも分かったという。詳細は「Journal of the American Geriatrics Society」10月26日オンライン版に掲載された。

この研究は米アラバマ大学のJustin Blackburn氏らが実施したもの。同氏らは今回、2003~2013年に実施された調査の参加者のうち、脳卒中の既往歴がある65~100歳の男女560人のデータを分析した。このうち68人が1年以内、119人が5年以内に介護施設に入居していた。

交絡因子で調整して解析した結果、日常生活で世話をしてくれる人がいる人と比べ、いない人では脳卒中を発症後1年以内および5年以内に介護施設に入居するリスクがいずれも約1.7倍であることが示された。また、5年以内の同リスクは世話をする人がいる男性と比べていない男性で3.15倍に上っていたが、女性では37%のリスク増大にとどまっていた。

このほか、年収が5万ドル(約560万円)以上の人と比べ、2万ドル(約225万円)未満の人では介護施設への入居率が高いことなども明らかになった。

Blackburn氏らによると、米国人は施設に入居するよりも家族のサポートを受けながら自宅で生活し続けることを希望する人が多く、7割超が「障害があっても自宅での生活を続けたい」としているのに対し、介護施設への入居を希望している人は3割に満たないという。しかし、希望に反して脳卒中後に介護施設に入居する男性が多いのは、一般的に女性と比べて男性は身の回りのことを自分でする能力が低いためではないかと同氏らは指摘している。

米ノースウェル・ヘルスのMaria Torroella Carney氏もこれに同意し、「伝統的な男女の役割がこの結果に影響している可能性がある」との考えを示している。その上で「女性は自分が介護者になる可能性も高いため、介護の役割と重要性を理解しているが、男性はそれを認識していないことが多い。しかし、男女を問わず脳卒中などの疾患に備えることは重要だ。特に高齢の独身男性が脳卒中を発症した場合、その後どのように自立した生活を送ることができるかについて事前に話し合う機会があると、脳卒中後の人生が違ったものになるだろう」と話している。(HealthDay News 2017年11月3日)

https://consumer.healthday.com/caregiving-information-6/nursing-homes-and-elder-care-health-news-501/nursing-home-often-only-option-for-single-men-after-stroke-728124.html

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