4.1.1

難治性の片頭痛を予防、新規クラス薬で有望な成績

片頭痛に苦しんでいる多くの患者に希望を与える臨床試験の結果が明らかになった。既存の薬剤で治療しても改善しなかった片頭痛を、新規クラスの薬剤でerenumab(商品名Aimovig、国内未承認)と呼ばれる注射薬によって予防できる可能性が示されたという。この試験を率いたシャリテ大学(ドイツ)のUwe Reuter氏によれば、erenumabを投与した難治性片頭痛患者の3分の1近くで1カ月当たりの片頭痛発作の回数を50%以上抑えることができたという。この試験の成績は米国神経学会(AAN 2018、4月21~27日、米ロサンゼルス)で発表される。

Erenumabはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)と呼ばれる神経伝達物質の受容体に対する完全ヒトモノクローナル抗体。既に米国では米食品医薬品局(FDA)に承認申請中だ。

Reuter氏らは今回、同薬を製造するNovartis社の資金提供を受け、同薬の有効性と安全性を検証するためランダム化比較試験を実施した。対象は、治療抵抗性の片頭痛患者246人で、39%は2種類、38%は3種類、23%は4種類の片頭痛治療薬を使用したが効果が得られなかった難治性患者だった。また、対象者が経験していた頭痛発作の回数は1カ月当たり平均9回で、片頭痛の急性期治療薬の使用回数は1カ月当たり5回だった。

対象者をerenumab 140mgまたはプラセボのいずれかを月1回、3カ月間にわたって投与する群に1対1の割合でランダムに割り付け、試験開始から3カ月後の時点で頭痛発作の回数などを評価した。

その結果、1カ月当たりの頭痛発作回数が50%以上減少した患者の割合は、プラセボ群の13.7%に対してerenumab群では30.3%とほぼ3倍だった。また、3カ月間の試験期間中に認められた頭痛発作回数や急性期治療薬の使用回数の減少幅も、プラセボ群と比べてerenumab群でそれぞれ1.6倍、1.7倍だった。さらに、安全性や忍容性はerenumab群とプラセボ群で同程度であることも示され、erenumab群で副作用を理由に同薬の使用を中止した患者もいなかった。

専門家の一人で、この試験には関与していない米レノックス・ヒル病院の神経科医であるRandall Berliner氏は、今回の試験結果について「片頭痛の予防で極めて有望な新たなクラスの薬剤が現れた。erenumabは、このクラスの薬剤として最初に販売されることになりそうだ」と期待を示す。

Berliner氏によると、片頭痛に苦しむ患者を救うための薬剤の開発の道のりは長く、厳しいものだった。約20年前にトリプタンと呼ばれる治療薬が導入され、それ以来、同薬が片頭痛の標準的な治療薬とされてきた。しかし、全ての患者に効果があるわけではなかった。こうした中、新たに開発されたerenumabについて「片頭痛の発生源を標的とした抗体薬であるため、安全に片頭痛を抑えることができる」と同氏は説明している。

また、試験を率いたReuter氏は「今回の結果は、片頭痛の予防は難しいと考えていた患者に、痛みを緩和できる可能性があるという希望をもたらすものだ」と話す。ただし、erenumabを長期間にわたって使用した場合の安全性や有効性について、今後より大規模な研究で評価する必要があると付け加えている。

なお、学会発表された研究結果は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年4月17日)

https://consumer.healthday.com/head-and-neck-information-17/migraine-news-477/new-therapy-may-prevent-tough-to-treat-migraines-733023.html

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UUPW

つらい経験で脳の老化は加速する

離婚や家族の死、金銭トラブル、深刻な健康問題といった人生を左右するようなつらい出来事は、ストレスをもたらすだけでは済まないようだ。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のSean Hatton氏らによる研究から、こうした重大かつネガティブなライフイベントを経験すると脳の老化が加速することが明らかになった。この研究結果は「Neurobiology of Aging」3月8日オンライン版に発表された。

Hatton氏らは今回、1965~1975年に兵役に就いていた男性359人(平均年齢62歳)を対象に、重大なライフイベントと生物学的な脳年齢との関連について検討した。対象者の約88%は白人で、約80%は前線での戦闘の経験はなかった。

対象者には5年の間隔を空けて2回の調査を実施し、家族や友人の死、離婚、離別、流産、経済的な問題、深刻な医療上の緊急事態といったライフイベントの経験の有無のほか、生活習慣や社会経済的状況について尋ねた。また、記憶力の検査やアルツハイマー病のリスクに関連する遺伝子の検査、さらに脳のMRI検査を実施し、全ての情報をアルゴリズムに入力して脳年齢を推定した。なお、このアルゴリズムでは脳の老化に影響する可能性がある心疾患リスクやアルコール摂取量、社会経済的状況、民族などの因子を調整して脳年齢が推定された。

その結果、重大かつネガティブなライフイベントを1回経験するごとに、脳の老化が4カ月早まることが分かった。つまり、「家族の死」と「離婚」の2回のライフイベントを経験すると、脳年齢は8カ月高まることになる。

この研究は因果関係を証明するものではないが、Hatton氏によると、以前からストレスが多くかかる出来事を経験すると染色体の末端にあるテロメアの短縮が加速することが分かっているという。テロメアは染色体を保護する役割を果たし、加齢に伴い短くなる。

今回の研究報告を受け、専門家の一人で米ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校のDaniel Kaufer氏はストレスが炎症を惹起している可能性を指摘。また、「ストレスフルなライフイベントが起こると、食べられなくなったり、眠れなくなったりする人は少なくない。したがって、ライフイベントそのものではなく、ライフイベントが起こった時のこうしたネガティブな反応が脳に悪影響を与えるのではないか」との見方を示している。

なお、今回の研究は主に白人男性を対象としたものだったが、Hatton氏は「この研究結果は女性や他の人種にも当てはまる可能性が高い」としている。また、健康的な生活習慣によって、ネガティブなライフイベントによる脳の老化リスクは抑えられるかもしれないとしている。

Kaufer氏もこれに同意し、「つらい出来事を経験した時の反応には個人差がある。食事などの生活習慣に関連した因子は、脳や身体の反応に長期的な影響を及ぼすと考えられる」と説明。その上で、「精神的な回復力(レジリエンス)を強化することで、ストレスフルな状況でも前向きに対処できるようになる可能性がある。今回の研究結果は、そのような治療的介入についてもヒントを与えてくれた」と話している。(HealthDay News 2018年4月12日)

https://consumer.healthday.com/senior-citizen-information-31/age-health-news-7/tough-times-can-leave-their-mark-on-the-older-brain-732889.html

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Senior Man Relaxing In Bed

たった一晩の睡眠不足でアルツハイマー病リスクが増大?

たった一晩でも睡眠が不足すると、アルツハイマー病との関連が指摘されているアミロイドβ(Aβ)と呼ばれるタンパク質の蓄積量が脳内で増加することが、米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)のEhsan Shokri-Kojori氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」4月9日オンライン版に掲載された。

アミロイドβはアルツハイマー病患者の脳内で認められるアミロイドプラークを構成する主なタンパク質で、アルツハイマー病の発症に関与すると考えられている。また、これまでにマウスやヒトの研究で脳内のAβの蓄積には睡眠不足が関連している可能性があることが示されていた。ただ、ヒトの研究の多くは自己申告による睡眠の質に基づいたものであった。

そこで、Shokri-Kojori氏らは今回、睡眠不足による脳内Aβ蓄積への影響をより正確に評価するため、22~72歳の健康な男女20人(平均年齢39.8歳、10人が女性)を対象とした研究を実施した。

この研究では、対象者が実験室に二晩にわたって宿泊し、一晩目には十分に睡眠を取り、二晩目には一睡もしないよう指示した。また、それぞれ翌朝に対象者の脳内のAβ蓄積量を定量化するためPET(陽電子放射断層撮影)と放射性薬剤(18F-florbetaben)を用いたアミロイドPET検査を実施した。

その結果、十分に睡眠を取った翌朝と比べて一睡もしなかった翌朝には脳内のAβの蓄積量が有意に増加していることが分かった。また、Aβ蓄積量の増大は、記憶に関連する海馬や感覚情報を伝達する視床などの脳領域で認められた。

米マウントサイナイ・ヘルスシステム睡眠医学のAndrew Varga氏によると、一部の専門家の間では神経細胞の「発火(活動電位が発生すること)」がAβの産生に寄与していると考えられているという。「眠らないと神経細胞が発火し続けるため、Aβの蓄積につながる可能性がある。一方、睡眠中は神経細胞が縮小し、細胞間に空間ができるためAβなどの不要な物質が排出されやすくなる」と同氏は説明する。

しかし、睡眠不足がアルツハイマー病リスクに直接的に関連するかどうかを明らかにするためには、さらなる研究が必要だと専門家は口を揃える。今後の研究課題について、Shokri-Kojori氏は「一時的な不眠によってAβが蓄積しても、一晩ぐっすり眠れば消失するのか否かについて検討する必要がある」と指摘。また、Varga氏は「脳内にAβが蓄積した状態が続くと神経細胞が凝集しやすくなるのかどうかを明らかにすべきだ」としている。(HealthDay News 2018年4月9日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/alzheimer-s-news-20/sleepless-nights-show-ties-to-alzheimer-s-risk-732724.html

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4.1.1

世界一辛いトウガラシで激しい頭痛、脳動脈に異常も

トウガラシを食べると救急科を受診しなければならないレベルの激しい頭痛が起こる可能性があることを、覚えておいた方が良いかもしれない―。トウガラシを食べるコンテストに参加した男性が、世界で最も辛いとされている種類のトウガラシを食べた後に「雷鳴頭痛」と呼ばれる激しい頭痛に苦しんだとする報告書が「BMJ Case Reports」4月9日オンライン版に掲載された。CT検査では脳動脈の一部の攣縮が認められ、男性は可逆性脳血管攣縮症候群(RCSV)と診断されたという。

報告書を執筆した米バセット・メディカルセンターのEdward Bischof氏らによると、この男性は34歳。ニューヨーク州で開かれたトウガラシを食べるコンテストで、世界で最も辛いトウガラシとされる「キャロライナ・リーパー」という種類のトウガラシを食べたという。その直後に男性は吐き気を催し、さらに数日間にわたって激しい首の痛みと頭痛が数秒間持続する症状が繰り返しみられた。

男性は救急科を受診し、さまざまな神経症状の検査を受けたが、異常はなかった。しかし、CT検査で脳動脈の一部の攣縮が認められ、RCVSによる雷鳴頭痛と診断された。その後、この男性の症状は自然消失し、5週間後のCT検査では脳動脈が正常に戻っていたという。

RCVSには必ずしも明確な原因があるわけではないが、特定の処方薬や違法ドラッグに反応して発症する場合がある。Bischof氏らによれば、トウガラシの摂取によるRCVS発症例の報告はこれまでなかったが、以前からカイエンペッパーの摂取が冠動脈の攣縮や急性心筋梗塞と関連していることが報告されている。

今回の症例報告について、米ノースウェル・ヘルス頭痛センター所長のNoah Rosen氏は「可逆的だが危険な脳動脈の攣縮に抗うつ薬や精神刺激薬、マリファナが関連することは分かっていたが、今回の報告からカプサイシンも関連する可能性が示された」と説明。その上で「治療は対症療法しかないため、問題を起こしうるこれらの物質の摂取を避けるしかない。したがって、世界一辛いトウガラシを食べようとしているなら、それは考え直した方が良い」と話している。(HealthDay News 2018年4月9日)

https://consumer.healthday.com/head-and-neck-information-17/headaches-health-news-345/one-man-got-a-nasty-surprise-from-world-s-hottest-chili-pepper-732695.html

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高齢になっても脳神経細胞は増え続ける

高齢になると脳細胞は減るばかりで増えることはないと一般的に考えられているが、こうした考えを覆す新しい研究結果が「Cell Stem Cell」4月5日オンライン版に掲載された。14~79歳で急死した健康な男女の脳を剖検した結果、高齢者でも若い人と同様に、記憶や学習に重要な役割を担う脳の海馬で前駆細胞から新しい神経細胞(ニューロン)を生成する能力がある可能性が示唆されたという。

これまでマウスやサルなどを用いた基礎研究では、高齢になると脳細胞を新しく生成する能力は失われることが示されているが、ヒトの脳の研究では異なる結果が得られており、結論には至っていない。

今回の研究では、14~79歳で急死した男女28人の脳の海馬を剖検した。対象者には認知症やその他の神経疾患、精神病性障害の診断を受けた人はいなかった。その結果、高齢者と若者の脳では中間型の前駆細胞と未熟な神経細胞がほぼ同数見つかったほか、海馬の容量に年齢で差はみられないことが分かった。

研究を率いた米コロンビア大学准教授のMaura Boldrini氏は「高齢になっても脳内に(神経細胞に分化する)前駆細胞が存在することを示すこの結果は、高齢者にとって朗報だ」と述べている。

ただし、健康な79歳の脳が29歳の若々しい脳と全く同じというわけではなさそうだ。研究では、高齢者の脳は血管新生が少なく、一部の海馬領域では静止期の前駆細胞プールが小さいことも明らかになった。

専門家の一人で米ウェイル・コーネル医科大学のEzriel Kornel氏は「高齢者の脳でも若い人の脳と同じように新しい神経細胞同士で信号を伝達したり、機能したりするかどうかは分かっていない」と指摘する。一方で、同氏はこの研究結果は有望だとも評価しており、「高齢者の脳で神経細胞を生成させ、細胞同士の信号伝達を促進する因子について、さらに研究を進めていく必要がある」と述べている。

また、Kornel氏は、健康な高齢者と認知症の高齢者の脳を比較することにも興味を示している。Boldrini氏もこの意見に同意し、「これまでの研究で、アルツハイマー病で死亡した人の脳の海馬では神経細胞の数が減ることが分かっている。しかし、この理由が、神経細胞が生成されなくなったためなのか、神経細胞が死滅した結果なのかは明らかになっていない」と話す。同氏は、健康な高齢者の脳と認知症患者の脳を比較することで、高齢でも認知機能が衰えない人がいる理由を突き止められる可能性や新しい認知症治療の開発につながる可能性があるとしている。

さらに、Boldrini氏は「高齢になっても若々しい海馬を維持している人が実践している生活習慣を知ることも大切だ」と強調する。アルツハイマー病協会(Alzheimer’s Association)によると、多くの研究で喫煙をしない、適正体重や正常血圧を維持する、健康的な食生活を送る、定期的に運動するといった生活習慣因子や社会的活動、知的活動が認知症リスクと関連することが報告されているほか、運動によって海馬の神経細胞の生成が促進される可能性も示されているという。(HealthDay News 2018年4月5日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/brain-health-news-80/older-brains-replenish-cells-just-like-young-brains-study-732668.html

(参考情報)
Abstract/Full Text
http://www.cell.com/cell-stem-cell/fulltext/S1934-5909(18)30121-8

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young blond woman having a headache close up

片頭痛予防に携帯型TMS装置が有効か

患者が自宅で使用できる携帯型の単一パルス経頭蓋磁気刺激(sTMS)装置(商品名SpringTMS)が片頭痛の予防に有効であることを示した研究結果が「Cephalalgia」3月4日オンライン版に掲載された。この装置は既に米国で前兆のある片頭痛の治療を目的とした使用が承認されているが、この結果を受け2017年9月に片頭痛の予防にも適応が拡大されている。

これまでにTMS治療は神経疾患や精神疾患の治療や診断で広く使用されてきたが、SpringTMSは2014年5月、米国で初めて片頭痛の治療を目的としたTMS装置として米食品医薬品局(FDA)により承認された。その大きさは8cm×23cm、重さは1.4kgほどで、患者自身による操作が想定されている。発作時に装置を後頭部に当て、ボタンを押すと磁気パルスが発生するという。

当初、SpringTMSは前兆のある片頭痛の治療を目的とした使用が承認されていたが、2017年9月には前兆の有無にかかわらず片頭痛の予防にも適応が拡大された。その根拠とされているのが、今回論文が発表されたESPOUSE Studyの成績だ。この研究は、米メイヨークリニック神経学のAmaal Starling氏らがSpringTMSを製造・販売するeNeura社の資金提供を受けて実施した。

対象は、2014年12月~2017年3月に頭痛専門クリニックで登録された18~65歳の片頭痛患者263人で、前兆のある患者とない患者が含まれていた。対象者は頭痛日誌を1カ月間付け、自宅でSpringTMSを操作できるよう指導を受けた上で3カ月間、この装置を使用した。

同研究では対象者に片頭痛予防のため午前中と夜間に4回ずつSpringTMSを使用し、1分未満の磁気刺激を与えるよう指示した。また、頭痛発作中には磁気刺激を3回与える治療を15分の間隔を空けて最大で3回行うよう指示した。

その結果、研究開始から3カ月後、片頭痛のタイプにかかわらず頭痛発作がみられた日数が1カ月当たり平均で約3日減少した、また、頭痛の頻度が半減した対象者の割合は46%を占めていた。

Starling氏によると、片頭痛患者の脳は過剰に興奮した状態となっており、この興奮を抑えれば頭痛発作を予防できると考えられている。今回の研究で有効性が示されたTMS装置は、磁気エネルギーを用いて神経細胞の電気的環境を変化させ、脳の興奮を抑制するという。「この研究では、SpringTMSの使用によって片頭痛患者の頭痛発作の頻度だけでなく、片頭痛治療薬の使用量も減量でき、忍容性も良好だった」と同氏は説明する。

米国では片頭痛の患者数は3800万人と推定され、男性よりも女性の方が多く、女性の有病率は男性の3倍であることが報告されている。根治療法はなく、抗てんかん薬や抗うつ薬、降圧薬のほかボツリヌス毒素の注射やストレスマネジメント、リラクゼーション法や運動が症状の軽減に役立つ場合がある。

Starling氏の共同研究者の一人で米アルバートアインシュタイン医科大学神経学のRichard Lipton氏は、「この研究は片頭痛に苦しむ患者に新たな治療選択肢を提供することを最終的な目標に掲げ実施したものだ」とした上で、「薬物治療を受けたくない患者や、薬物治療が奏効しないか副作用が問題になる患者にとって、TMS装置を用いた治療は重要な選択肢となるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年4月5日)

https://consumer.healthday.com/head-and-neck-information-17/headaches-health-news-345/magnetic-pulse-device-may-be-new-way-to-prevent-migraines-732606.html

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4.1.1

涙がパーキンソン病リスクを知る手がかりに?

将来、涙でパーキンソン病の発症リスクを評価できる日が来るかもしれない―。米南カリフォルニア大学医学部のMark Lew氏らが実施した研究から、パーキンソン病患者とパーキンソン病がない人で涙に含まれる特定のタンパク質の濃度に差があることが分かったという。同氏らは「涙が信頼性の高い非侵襲的かつ低費用で測定できるパーキンソン病の生物学的マーカーとなる可能性を示した初めての研究だ」としている。この研究結果は米国神経学会(AAN 2018、4月21~27日、米ロサンゼルス)での発表が予定されている。

パーキンソン病は神経変性疾患の一つで、手足のふるえ(振戦)や筋肉のこわばり(固縮)、動きの遅さ(無動)といった症状がみられる。ただ、早期の段階では症状が軽度であるため見過ごされる場合もある。

Lew氏によると、涙には神経の刺激によって涙腺の細胞から分泌されるさまざまなタンパク質が含まれている。また、パーキンソン病は脳の外側の神経の働きにも影響する。これらのことから、同氏らは神経の働きの変化が涙に含まれるタンパク質の濃度に反映するのではないかと考え、今回の研究を実施したという。

対象は、パーキンソン病患者55人とパーキンソン病ではない27人(対照群)。Lew氏らは、全ての対象者から涙の検体を採取して分析した。その結果、パーキンソン病患者群では対照群と比べてα-シヌクレインと呼ばれるタンパク質の濃度が低かった一方、パーキンソン病患者の神経損傷に関与している可能性が指摘されているα-シヌクレインの凝集体(オリゴマー)の濃度は高いことが分かった。

Lew氏は「涙のような簡単に採取できるものが、非侵襲的にパーキンソン病患者とそうでない人を区別するのに役立つ可能性があることが分かり、興奮している。パーキンソン病は症状が現れるまで何十年もかかる可能性があるため、こうした生物学的マーカーは早期診断、さらには早期治療にも役立つ可能性がある」と話す。ただし、涙に含まれるこれらのタンパク質の濃度を測定することで症状が発現する前にパーキンソン病を発見できるかどうかについては、より大規模な研究で検証する必要があるとしている。

なお、学会で発表される研究結果は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年2月22日)

https://consumer.healthday.com/cognitive-health-information-26/parkinson-s-news-526/clues-to-parkinson-s-may-be-shed-in-tears-731328.html

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1-2 HDN3月5日「ヘルスハイライト」No.1

子どもの時に身長が低かった人は脳卒中リスクが高い?

小児期に身長が低かった人は、成人してから脳梗塞や脳出血といった脳卒中を発症するリスクが高い可能性があることが、ビスペビア・フレデリクスベア病院(デンマーク)臨床研究・予防センター准教授のJennifer Lyn Baker氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Stroke」2月15日オンライン版に掲載された。

Baker氏らは今回、1930~1989年に出生したデンマーク人31万1,009人を対象に、7~13歳時に測定された身長と成人期の脳梗塞および脳出血との関連について検討した。このうち成人期に脳梗塞と診断されたのは1万412人、脳出血と診断されたのは2,546人だった。

解析の結果、男女いずれにおいても7歳時の身長が高いほど脳梗塞のリスクが低下するという負の関連が認められ、7歳時の身長が平均レベルだった人と比べ、平均よりも約5cm高かった人では脳梗塞リスクが約10%低かった。一方、脳出血については男性のみにおいて同様の関連が認められ、男性では7歳時の身長が平均レベルだった人と比べ、平均よりも約5cm高かった人で脳出血リスクが約11%低いことが分かった。また、7歳時だけでなく8~13歳のいずれの時点でも身長の低さと脳卒中リスクとの間に同様の関連が認められたとしている。

Baker氏は「小児期に身長が低いことは脳卒中リスクの高さを示すシグナルと考えられる」とした上で、「この研究結果を知ることで、身長以外の修正可能な脳卒中のリスク因子に対する取り組みの強化につなげてほしい」と話している。

また、今回の研究では社会経済的な状況や栄養、感染症、飲酒、喫煙などの因子を考慮してデータが分析されたが、Baker氏は「今回認められた身長と脳卒中リスクとの関連には血圧が関与している可能性がある」との見方を示す。これまでに身長が低い人は血圧が高いとの報告があり、高血圧は脳卒中のリスク因子であるためだという。

ただし、Baker氏は「この研究は身長の低さと脳卒中に因果関係があることを証明するものではない」としている。また、この研究には関与していない米国心臓協会(AHA)脳卒中部門のスポークスパーソンであるE. Steve Roach氏も、「研究の規模が大きく追跡期間も長い点は印象的だ」とした上で、「この研究結果は慎重に受け止める必要がある」と強調。「身長には遺伝や環境、思春期の開始時期など多数の因子が影響する。この知見は脳卒中を詳細に理解する手掛かりとしては重要かもしれないが、身長によって脳卒中リスクを予測することはできない」と説明している。

また、米ニューヨーク大学ウィンスロップ病院のShazia Alam氏も「この研究は興味深いものではあるが、現時点では身長の低い患者に(脳卒中リスクについて)警告する必要はない」との考えを示し、「修正可能なリスク因子を認識しておくことは重要だが、身長による影響がどの程度のものなのかを明らかにするのは難しい。脳卒中リスクには身長そのものよりも、小児に影響するさまざまな因子が関与している可能性が高い」と話している。(HealthDay News 2018年2月15日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/misc-stroke-related-heart-news-360/short-as-a-child-stroke-risk-as-an-adult-731142.html

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4.1.1

大酒飲みは認知症リスクが高い

酒の飲み過ぎ(多量飲酒)はさまざまな疾患のリスクを高めることが知られているが、認知症にもなりやすくさせる可能性があるとの研究結果が「The Lancet Public Health」2月20日オンライン版に掲載された。フランスの認知症患者約110万人のデータを分析したところ、慢性的な多量飲酒が原因のアルコール使用障害が認知症、特に65歳未満で発症する若年性認知症の重要なリスク因子であることが明らかになったという。

この研究はトランスレーショナル・ヘルス・エコノミクス・ネットワーク(THEN、フランス)のMichael Schwarzinger氏らが実施したもの。2008~2013年にフランス都市部の病院に入院した患者のうち、認知症と診断された110万9,343人を対象に後ろ向きに解析した。

その結果、慢性的な多量飲酒が原因とされるアルコール依存症や、アルコール依存症には至らないが飲酒による身体的あるいは精神的、社会的な問題がある「アルコール使用障害」があると、アルツハイマー型認知症を含む全ての型の認知症のリスクが男性で3.36倍、女性では3.34倍に高くなることが分かった。

また、解析対象者のうち5万7,353人は若年性認知症だったが、その56.6%(3万2,453人)にアルコール使用障害があり、多量飲酒は特に若年性認知症のリスク因子として重要であることも明らかになった。

この研究結果を踏まえ、Schwarzinger氏らは「日常診療で多量飲酒のスクリーニングを行い、必要に応じて介入あるいは治療を行うことで、アルコール関連の認知症のリスクを低減できるかもしれない」との見解を示している。

また、同氏は「The Lancet」のプレスリリースで「認知症とアルコール使用障害との関連については引き続き検証する必要があるが、アルコールが脳の構造や機能に永続的なダメージを与えた結果ではないか」と考察。さらに、アルコール使用障害によってリスクが高まるとされている高血圧や糖尿病、脳卒中、心房細動、心不全は血管性認知症のリスクを上昇させる可能性もあること、多量飲酒者に多くみられる喫煙や抑うつ、低学歴も認知症のリスク因子であることを指摘している。

その上で、同氏は「アルコール使用障害に起因した認知症は予想以上に多い。したがって、多量飲酒が全ての型の認知症の主要なリスク因子であることを認識しておく必要がある」と強調。アルコール飲料を入手しにくくするほか、増税や広告および販売への規制といった対策を講じるとともに、アルコール使用障害の早期発見と早期治療を推し進める必要性を訴えている。

一方、英エクセター大学医学部教授のClive Balland氏は、同誌の論評で「極めて重要な研究結果」と高く評価。「今回の研究では、アルコール使用障害、そしておそらくは飲酒が認知症を予防する上で修正可能なリスク因子であることが示された。このエビデンスは極めて強固なものだ。われわれは、アルコール使用障害や飲酒は認知症に関連するという明確なメッセージを人々に伝え、対策を進める必要がある」と記している。(HealthDay News 2018年2月22日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/alcohol-abuse-news-12/heavy-drinkers-put-themselves-at-risk-for-dementia-731281.html

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4.1.1

女性の脳卒中リスクを高める要因とは?

女性は男性と比べて脳卒中を発症するリスクが高いことが分かっているが、女性の中でも特にそのリスクが高い人にはどのような特徴があるのだろうか。米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のKathryn Rexrode氏らは、これまでの研究論文のレビューに基づき女性の脳卒中リスクを高める因子を特定し、「Stroke」2月8日オンライン版に掲載された論文で報告した。

Rexrode氏らによると、米国では脳卒中の年間発症者数は女性が男性を5万5,000人上回る。しかし、女性は男性と比べて脳卒中リスクが高く、死亡率も大幅に高いことはあまり知られていないという。

同氏らは今回、なぜ女性は男性と比べて脳卒中リスクが高いのか、どのような要因が女性の脳卒中リスクを上昇させているのかを調べるため、女性に特徴的なさまざま因子と脳卒中リスクとの関連について検討した複数の研究データを収集し、分析した。その結果、女性の脳卒中リスクに強く関連する複数の因子が浮かび上がったという。

そのリスク因子とは、「初経が早い(10歳未満)」「閉経が早い(45歳未満)」「デヒドロエピアンドロステロン(DHEAS、男性ホルモンの一種)の分泌量が少ない」「避妊用ピルの使用」「更年期障害に対するホルモン補充療法(経口エストロゲン製剤)」「妊娠中/周産期」「妊娠糖尿病」「妊娠中の高血圧/妊娠高血圧腎症」などだった。

Rexrode氏は「これらのリスク因子がある女性は珍しくないが、このうち1つあるいは2つ以上の因子があったとしても、実際に脳卒中を発症する女性は極めて少ない」と強調。ただし、医療従事者に対しては「こうしたリスク因子がある女性は注意深く経過を観察すべき」とした上で、「本人にもリスクが高いことを認識してもらい、高血圧リスクを低下させ脳卒中を予防するために健康的な生活習慣を身につけるよう促すことが望ましい」と助言している。(HealthDay News 2018年2月8日)

https://consumer.healthday.com/cardiovascular-health-information-20/heart-stroke-related-stroke-353/women-who-are-most-at-risk-of-stroke-730891.html

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