1HDN7月17日「パッケージニュース」No.3

子宮頸がん検診はHPV検査単独でも可能か?

この50年にわたって子宮頸がん検診で実施されてきた細胞診(パップテスト)が、過去の検査法になる日は近いかもしれない―。ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)のGina Ogilvie氏らの研究から、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査は単独でも細胞診に比べて、子宮頸部の前がん病変の検出に優れる可能性のあることが示された。詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」7月3日オンライン版に発表された。

Ogilvie氏らは今回、HPV検査単独による子宮頸がん検診の有用性を検討するため、2008~2012年に登録した、過去5年以内に中等度異形性(CIN2)以上の病変が発見されておらず、浸潤性子宮頸がんの既往歴もない25~65歳の女性19万9人(平均年齢45歳)を対象に、ランダム化比較試験(RCT)を実施した。対象女性をHPV検査群(9,552人)または細胞診群(対照群、9,457人)にランダムに割り付けて2016年12月まで追跡した。

HPV検査群では、最初のHPV検査で陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。細胞診群では、最初の細胞診で陰性だった場合には24カ月後に再び細胞診を実施。その時点でも陰性だった場合には48カ月後にHPV検査と細胞診の両方を実施した。

その結果、48カ月後の時点で組織学的に確認された前がん病変(CIN3以上およびCIN2以上)の数は、細胞診群と比べてHPV検査群で有意に少なかった。CIN3以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)は、細胞診群の5.5件に対してHPV検査群では2.3件であり、CIN2以上の前がん病変の罹患率(1,000人当たり)も細胞診群の10.6件に対してHPV検査群では5.0件と有意に低かった。

以上の結果を踏まえて、Ogilvie氏は「今後、子宮頸がん検診はHPV検査が細胞診に取って代わる可能性がある」と話す。ただし、若い女性の多くは既にHPVに感染している可能性が高く、HPV検査により不要な治療が増えることが予想されるため、25歳未満の女性には細胞診が標準的な検査法となるのではとの見方を示している。

なお、子宮頸がん検診に関しては、米国産科婦人科学会(ACOG)は、21~29歳の女性には細胞診を3年ごと、30~65歳の女性には細胞診とHPV検査を5年ごと、あるいは細胞診を3年ごとに受けることを推奨している。一方、米国予防医療作業部会(USPSTF)は、2017年に公表した勧告の草案で29~65歳の女性には3年ごとに細胞診のみ、または5年ごとにHPV検査のみを受けることを勧めており、「細胞診の代わりにHPV検査を実施しても良い」とする見解を示している。

細胞診に代わってHPV検査を導入することについては、専門家の間でも意見が分かれている。米ワシントン大学医学部産婦人科学教授のStewart Massad氏は、同誌の付随論評で、Ogilvie氏らの研究を踏まえてガイドラインにおけるHPV検査の位置付けが高まると予測する。一方、米ニューヨーク・プレスビテリアン/コロンビア大学医療センターのJason Wright氏は、たった1件の研究結果で判断するのは時期尚早だとし、慎重な姿勢を示している。(HealthDay News 2018年7月3日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cervical-cancer-news-95/is-the-pap-smear-on-the-way-out-735448.html

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糖尿病とがん、歯周病、認知症との関連は? 日本人対象の研究をシステマティックレビュー

糖尿病の合併症には、三大合併症(網膜症と腎症、神経障害)が広く知られているが、最近ではがんや歯周病、骨折、認知症、うつ病などが新たな合併症として注目されている。国立国際医療研究センター病院糖尿病情報センター長の大杉満氏と田中宏和氏、井花庸子氏らの研究グループは、日本人を対象に、これらの新たな糖尿病合併症の発症率や有病率を調べた研究のシステマティックレビューを実施。がんと糖尿病との関連を示す強いエビデンスはあるが、その他の疾患については糖尿病の影響は十分に検証されていないことを明らかにした。詳細は「Journal of Epidemiology」6月23日オンライン版に掲載された。

研究グループは今回、日本人の集団を対象に、がんや歯周病、骨折、認知機能障害および認知症、うつ病と糖尿病との関連を検討した研究のシステマティックレビューを実施。PubMedなどのデータベースを用いて、2016年12月までに公表された、これらの新たな糖尿病合併症の発症率と有病率をそれぞれ比較した統合解析やコホート研究、症例対照研究、横断研究の計33件の論文を抽出した。このうち、がんに関する論文は17件、歯周病または骨折はそれぞれ5件、認知機能障害は4件、うつ病は2件であった。

システマティックレビューの結果、がんに関しては多目的コホート(JPHC)研究など質の高い研究を含めて8件のコホート研究のデータを統合して解析が実施されており、糖尿病は全てのがんや大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がんのリスク上昇と関連し、その他のメタ解析でも男女ともに糖尿病は全てのがんのリスク上昇と関連することが報告されていた。

一方で、その他の4つの疾患に関しては、研究の数が限られており、前向きコホート研究はうつ病では1件もなく、その他の疾患でも1件ずつしかみられないなど、糖尿病との関連を検証するのに十分なエビデンスは得られなかった。

以上の結果から、研究グループは「日本では、がんと糖尿病との関連を示す比較的、質の高いエビデンスがそろっているが、歯周病や骨折、認知症、うつ病の発症率や有病率に対する糖尿病の影響は十分に検証されていないことが分かった。今後、質の高い数多くの研究が実施されることに期待したい」と結論づけている。(HealthDay News 2018年7月17日)

Abstract/Full Text
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/advpub/0/advpub_JE20170155/_article

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1HDN7月12日「パッケージニュース」No.3

座りすぎで死亡リスクが上昇する14の疾患

普段の生活の中で、座って過ごす時間が1日当たり6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて早期死亡リスクが19%高いことを示した研究結果が「American Journal of Epidemiology」6月26日オンライン版に発表された。米国がん協会(ACS)のAlpa Patel氏らが実施した今回の研究では、このような死亡リスクの上昇をもたらす14の疾患も明らかになった。

近年、座って過ごす時間が長いと死亡リスクが高まるとする報告が相次いでいる。しかし、死因別では、がんや心血管疾患以外の死因を幅広く検討した研究はほとんど行われていなかった。そこで、Patel氏らは今回、がん予防研究-Ⅱ(Cancer Prevention Study-II)栄養コホートのデータを用いて、余暇を座って過ごす時間の長さと全死亡リスク、さらにさまざまな死因別の死亡リスクとの関連について検討した。

対象は、同コホートの参加者のうち研究登録時に主要な慢性疾患がなかった男女12万7,554人。このうち4万8,784人が21年間(中央値20.3年)の追跡期間中に死亡した。

年齢や性、学歴、喫煙の有無、食生活、運動習慣などを考慮して解析した結果、余暇を座って過ごす時間が1日に6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて全死亡リスクが19%高いことが分かった。また、死因別では、がん、心疾患、脳卒中、糖尿病、腎疾患、自殺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺疾患、肝疾患、消化性潰瘍などの消化器疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、神経障害、筋骨格系障害の14の死因による死亡リスクが上昇することが明らかになった。さらに、死亡リスクの上昇の程度は死因によってばらつきがみられ、がんでは約10%の上昇だったが、筋骨格系障害では約60%の上昇が認められた。

以上の結果を踏まえ、Patel氏は「この研究結果のメッセージは“もっと動くべき”といういたってシンプルなものだ。座位時間は短いほど身体に良い。1時間座って過ごしたら2分間立つだけでも脂質や血糖、血圧の値は改善する」と話している。

Patel氏によれば、座位時間が長いと健康に悪影響を与える原因は明らかではないが、ソファで長時間過ごす人は間食が多いといった他の不健康な習慣がある可能性が考えられるという。また、以前の研究では座位時間が長いと中性脂肪や血糖、血圧、インスリンの値が上昇することが示されており、「これらによって座っている時間の長さと心疾患や肝疾患、腎疾患、がん、糖尿病、COPDなどによる死亡との関連を説明できるかもしれない」と同氏は付け加えている。ただ、自殺やパーキンソン病、アルツハイマー病、神経障害、筋骨格系障害による死亡リスクが上昇した理由は明確には分からないとしている。

今回の報告を受け、専門家の一人で米イェール・グリフィン予防研究センターのDavid Katz氏は「この研究から、長時間座り続けることによる早期死亡リスクの上昇には、心疾患から自殺までさまざまな要因が関与している可能性が示された。これらの関連はさらに研究を進める必要があるが、その対処法は明確で、今すぐにでも取り組める簡単なことだ。つまり、1日に何度も立ち上がって歩き回ることだ」とコメントしている。(HealthDay News 2018年7月2日)

https://consumer.healthday.com/fitness-information-14/misc-health-news-265/sitting-tied-to-raised-risk-of-death-from-14-diseases-735058.html

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1HDN7月5日「パッケージニュース」No.4

「高濃度乳房は乳がんリスク高い」を客観的評価で確認

マンモグラフィの画像データに基づき客観的に乳腺濃度を評価可能なソフトウェアを用いたノルウェーの研究で、乳腺濃度が高い高濃度乳房(デンスブレスト)は乳がんリスクが高い可能性があることが示された。約10万人の女性が受けた乳がん検診の累計30万件のデータを後ろ向きに解析した結果、高濃度乳房と判定された女性では、高濃度乳房ではない女性と比べて要精検率や生検率が高く、乳がんの発見率もわずかに高いことが示された。詳細は「Radiology」6月26日オンライン版に掲載された。

この研究は、ノルウェーがん登録の研究員であるSolveig Hofvind氏らが実施したもの。対象は、2007~2015年にノルウェーで累計30万7,015件の乳がん検診を受けた50~69歳の女性10万7,949人(平均年齢58.7歳)。検診時のマンモグラフィの画像データに基づき高濃度乳房群と非高濃度乳房群に分けて、要精検率や生検率、検診によるがん発見率や定期検診の間に発見される中間期乳がんの発見率などを比較検討した。

その結果、検診のうち8万7,021件(28%)の乳房が高濃度乳房に分類された。非高濃度乳房群と比べて高濃度乳房群では要精検率や生検率が高く(要精検率は2.7%対3.6%、生検率は1.1%対1.4%)、検診による乳がん発見率や中間期乳がんの発見率も高かった(それぞれの乳がん発見率は検診1,000件当たり5.5件対6.7件、同1.2件対2.8件)。

さらに、非高濃度乳房群と比べて高濃度乳房群では検診の感度や特異度が低く(感度は82%対71%、特異度は98%対97%)、がん発見時の腫瘍の平均サイズが大きいことも分かった(15.1mm対16.6mm)。

高濃度乳房はマンモグラフィで撮影すると、乳房の多くの部分が白色で映し出されるため、腫瘍が発見されにくいことが乳がん検診では大きな課題となっている。米イェール大学医学部のLiane Philpotts氏は、論文の付随論評で「自分が高濃度乳房なのかどうかは、マンモグラフィ検査を受けなければ分からない」と指摘する。同氏によれば、世界的には米国放射線学会(ACR)の4つのBreast Density(乳房密度)分類で濃度の高い2つが高濃度乳房と定義される。米国では乳がん検診の対象となる女性の約半数が高濃度乳房と推定されているが、この割合は加齢に伴い低下するという。

ただし、ACRの評価法では、放射線科の医師がマンモグラフィ画像から主観的に乳腺濃度を判断するのに対し、Hofvind氏らの研究では乳腺濃度を自動評価するソフトウェアが用いられた。同氏は「将来的には、乳がん検診時にこうしたソフトウェアを導入することも検討する必要があるかもしれない」と話している。

ただし、Philpotts氏は、今回の研究は比較的高齢で、検診間隔が2年の女性を対象としたことに言及し、この結果は米国人女性全般には当てはまらない可能性があると指摘。今回用いられた自動評価ソフトウェアについてもリスクとベネフィットをさらに検討する必要があるとし、「高濃度乳房の女性はマンモグラフィに加えて超音波検査やMRI検査などの画像検査を追加で受ける必要がある」と付け加えている。(HealthDay News 2018年6月26日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/study-confirms-denser-breasts-are-more-prone-to-cancer-735188.html

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4HDN国内ニュース7月2日配信1

低用量アスピリンにがん予防効果みられず 日本人2型糖尿病患者で検討、奈良医大など

日本人の2型糖尿病患者は、低用量のアスピリンを長期にわたり服用しても、服用しなかった場合とがんの罹患率には差がみられない可能性があることが、奈良県立医科大学循環器内科学教授の斎藤能彦氏らによるJPAD研究グループ(国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏と兵庫医科大学教授の森本剛氏、熊本大学准教授の副島弘文氏ら)の検討で分かった。ただし、65歳未満の2型糖尿病患者に限ると低用量アスピリンの服用によるがん予防効果が示唆されたという。詳細は「Diabetes Care」6月16日オンライン版に掲載された。

近年、糖尿病とがんには密接な関係があるとされ、日本人の糖尿病患者の死因にはがんが第1位を占めることが報告されている。また、心血管疾患予防のために広く用いられている低用量アスピリンには、大腸がんなどのがん予防効果に関する国内外の研究結果も集まりつつある。

研究グループは、2型糖尿病患者2,536人を対象に、低用量アスピリン(81mgまたは100mg/日)による動脈硬化性疾患の一次予防効果を検証したランダム化比較試験のJPAD研究を実施。同試験の登録患者を、2008年の試験終了時からさらに2015年まで追跡するJPAD2研究を行った結果、低用量アスピリンによる動脈硬化性疾患の一次予防効果は認められず、消化管出血リスクは上昇したことを報告している(Circulation 2017; 135: 659-670)。研究グループは今回、JPAD2研究で同時に追跡したがん発症に関するデータを解析し、低用量アスピリンのがん予防効果を検証した。

中央値で10.7年の追跡期間中に318人ががんに罹患していた。その内訳は、低用量アスピリン投与群は149人、非投与群は169人であり、がん罹患率には両群間で有意な差は認められなかった(ハザード比0.92、95%信頼区間0.73~1.14、P=0.4)。

また、男女別、研究開始時の年齢別(65歳未満、65歳以上)に解析した結果、男性と女性、65歳以上の患者群では低用量アスピリンによるがん予防効果は認められなかった。一方で、65歳未満の患者群では、低用量アスピリン非投与群に比べて投与群でがん罹患率が有意に低下していた(同0.67、0.44~0.99、P=0.048)。この結果は、性やHbA1c値(血糖コントロール状況)、喫煙習慣の有無などの因子で調整した解析でも変わらなかった。

以上の結果から、研究グループは「今回の研究では、日本人の2型糖尿病患者に対する低用量アスピリンのがん予防効果は示されなかった。しかし、65歳未満の患者に限定して解析するとがん罹患率は有意に低下する可能性が示された」と結論。今後、がんリスクの高い糖尿病患者を対象に、低用量アスピリンの有効性に関するエビデンスが集積していくことが期待されるとしている。(HealthDay News 2018年7月2日)

http://www.physiciansbriefing.com/Article.asp?AID=734974

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1HDN6月28日「パッケージニュース」No.1

ビタミンDが十分だと大腸がんリスク低下

骨の健康維持に欠かせない栄養素であるビタミンDは、食事から摂取できるだけでなく、紫外線を浴びると体内で生成される。新たな研究で、ビタミンDの血中濃度が高いほど大腸がんになるリスクは低減する可能性のあることが示された。研究によると、これらの関連は特に女性で強かったという。詳細は「Journal of the National Cancer Institute」6月14日オンライン版に掲載された。

米国では、大腸がんはがんによる死亡原因の第3位を占めており、2018年には14万250人が新たに大腸がんと診断され、5万630人が大腸がんにより死亡すると推計されている。また、生涯で大腸がんに罹患する確率は女性では24人に1人、男性では22人に1人といわれている。

米国がん協会(ACS)疫学研究部門長のMarjorie McCullough氏らは今回、17件のコホート研究に参加した計5,706人のがん患者と計7,107人の健康な対照群のデータを用いて、血中25(OH)D濃度と大腸がん罹患との関連を調べた。対象者の約3分の1では、血液サンプルを再分析して新たに血中25(OH)D濃度を測定した。

解析の結果、血中25(OH)D濃度が正常範囲だが低い(50~62.5nmol/L)場合に比べて、ビタミンDが不足または欠乏(血中25(OH)D濃度が30nmol/L未満)していると大腸がんになるリスクが31%高いことが分かった。一方で、血中25(OH)D濃度が十分であると(75~87.5nmol/Lおよび87.5~100nmol/L)、大腸がんになるリスクはそれぞれ19%、27%低下した。

また、血中25(OH)D濃度が25nmol/L上昇するごとに、大腸がんになるリスクは女性では19%、男性では7%低下することも明らかになった。ただし、血中25(OH)D濃度が100nmol/L以上になると、この効果は頭打ちになったという。

しかし、大腸がんを予防するために、わざわざ日焼けをする必要はないようだ。McCullough氏によれば、大腸がんリスクが上昇するほどビタミンDが欠乏している米国人はわずかに過ぎないという。ほとんどの人は普段の生活でビタミンDを十分に取れており、過剰摂取は逆に身体に悪影響を及ぼすためサプリメントの摂取は勧められないとしている。また、紫外線は皮膚がんの強いリスク因子になるため、「ビタミンDの血中濃度を上げるために日焼けすることは勧められない」と同氏は強調している。

ビタミンDは骨の健康に重要なことが知られているが、がんやそれ以外の疾患に対する有効性は十分に検討されていない。2011年の米国医学研究所(IOM、現・米国医学アカデミー;NAM)による食事摂取基準に関する報告書でも、ビタミンDによるがん予防効果については十分なエビデンスはないことが記されている。

なお、ビタミンDががん予防に働く機序は明らかにされていないが、基礎研究で、ビタミンDには細胞の増殖を抑えたり、細胞死を促進する作用があることが示されている。McCullough氏は「ビタミンDはこうした作用により異常ながん細胞の増殖を抑えるように働くのではないか」と話している。(HealthDay News 2018年6月15日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/colon-cancer-news-96/vitamin-d-may-guard-against-colon-cancer-734911.html

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1HDN6月28日「パッケージニュース」No.4

週に1~3杯の少量飲酒に余命延長効果?

飲酒量はどの程度であれば健康に有益なのか―。この問題を検証した最新研究の結果が「PLOS Medicine」6月19日オンライン版に発表された。この研究では、週に1~3杯程度の少量飲酒者は、全く飲酒しない人と比べて長生きする傾向はあるが、ある種のがんに罹患するリスクは飲酒量がわずかでも上昇する可能性があることが示されたという。

クイーンズ大学(英領北アイルランド)のAndrew Kunzmann氏らは今回、米国前立腺がん・肺がん・大腸がん・卵巣がん(PLCO)スクリーニング試験のデータを用いて住民ベースの大規模コホート研究を実施し、生涯の平均飲酒量とがん罹患および死亡のリスクとの関連について検討した。

対象は、同試験に参加した55~74歳の男女9万9,654人(女性68.7%)。83万6,740人年の追跡期間中(中央値8.9年)に約10%(9,599人)が死亡し、約13%(1万2,763人)ががんに罹患した。

解析の結果、全く飲酒しない人の全死亡リスクは、飲酒量が週に1~3杯(1杯はビールで約350mL、ワインで約150mLに相当)の少量飲酒者に比べて約25%高いことが分かった。また、飲酒量が1日に2~3杯未満の大量飲酒者では、少量飲酒者と比べて全死亡リスクは男性で19%、女性で38%高く、飲酒量と全死亡リスクとの間にはJ字型曲線(Jカーブ)の関係が認められた。一方で、がんリスクについては、特に咽頭がんや口腔がん、食道がん、肝がんといったアルコールに関連するがんになるリスクは飲酒量が増えるほど上昇した。

さらに、がん罹患と死亡の複合リスクは少量飲酒者と比べて全く飲酒しない人で9%高く、ほとんど飲酒しない人(週に1杯未満)では8%、大量飲酒者では10%、1日に3杯以上とより大量に飲酒する人では21%それぞれ高く、これらの複合リスクは少量飲酒者で最も低かった。

この結果について、Kunzmann氏は「少量の飲酒が健康に有益であることを証明するものではない」と強調し、少量飲酒者は高収入で、健康的な食生活を送り、運動量が多い傾向がみられ、これらの要因が余命の延長をもたらした可能性を指摘している。

では、適度な飲酒で心疾患リスクが低減したとするこれまでの研究結果をどう解釈すべきなのか? 専門家の一人でビクトリア大学(カナダ)のTimothy Stockwell氏は「多くの研究はある時点の飲酒状況に基づき解析されており、以前は飲酒していたが健康上の理由などで禁酒した人も“全く飲酒しない人”に含まれていた可能性がある」と指摘する。なお、同氏がこのような点を考慮して実施した研究では、中等量の飲酒による健康へのベネフィットは消失したという。Kunzmann氏もこの考えに同意しているが、今回の研究では対象者に尋ねた生涯の飲酒量に基づいて解析したと話している。

少量飲酒の有益性を示した今回の結果について、Kunzmann氏は慎重な解釈を求めており、飲酒習慣のある人は飲酒量を最小限にとどめることや、健康面でのベネフィットを期待して赤ワインを毎晩2杯以上飲むのは止めた方がよいと助言している。Stockwell氏も「少量飲酒の有益性を裏付ける科学的根拠に基づいたコンセンサスはない」と強調し、健康に良いかもしれないという理由で飲酒量を増やしてはならないと話している。(HealthDay News 2018年6月19日)

https://consumer.healthday.com/general-health-information-16/misc-alcohol-news-13/how-much-drinking-is-healthy-or-not-734996.html

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1HDN6月25日「パッケージニュース」No.1

質の高い食事でがんサバイバーの生存率向上

がんサバイバー(経験者)は、野菜や果物、全粒粉や玄米など精製されていない全粒穀物、たんぱく質、低脂肪の乳製品が多く、栄養バランスに富む食事を取ると死亡リスクが低下する可能性のあることが、米フロリダ大学公衆衛生大学院のAshish Deshmukh氏らが行った新たな研究で示された。約1,200人のがんサバイバーを対象に食事の質と死亡リスクとの関係を調べた結果、食事の質が高い人では低い人と比べて、がんによる死亡リスクが65%低減することが分かったという。研究の詳細は「JNCI Cancer Spectrum」6月5日オンライン版に掲載された。

この研究は、1988~1994年の米国民健康栄養調査(NHANES)IIIに参加した約3万4,000人のうち、がんと診断されていた1,191人を対象としたもの。Deshmukh氏らは、対象としたがんサバイバーの食事内容の聞き取り調査や食物摂取頻度調査票のデータを用いて、米国農務省による食生活指針をどの程度守っているかをHealthy Eating Index(健康食指数;HEI)で評価した。なお、この指針では果物や野菜、未精製の全粒穀物、たんぱく質、乳製品、飽和脂肪、コレステロール、ナトリウム(塩分)の推奨摂取量を明示している。

中央値で17.2年の追跡期間中に607人ががんで死亡していた。解析の結果、HEIスコアが高い群では低い群と比べて、全死亡リスクが41%、がんによる死亡リスクが65%低いことが分かった。さらに、がんの種類別にHEIスコアと死亡リスクの関連をみたところ、皮膚がんや乳がんなど一部のがん種で質の高い食事と死亡リスクの低減に強い関連がみられたという。

Deshmukh氏は「がん患者の予後には、特定の栄養成分ではなく食事全体の質が影響するという結果は予想外だった」と話している。ただし、この研究は因果関係を証明したものではなく、食事の質を高めると延命効果がどの程度得られるのかは明らかではない上に、運動などの健康に良い他の習慣が影響した可能性も考慮されていないと強調している。

専門家の一人で米国がん協会(ACS)のMarjorie Lynn McCullough氏は、喫煙の影響が調整されておらず、改定前の食生活指針が用いられているなど、Deshmukh氏らの研究にはいくつかの限界点があるものの、「最近集積されつつある、がんサバイバーに健康的な食事を推奨すべきとするエビデンスと概ね一致するものだ」とコメントしている。ただし、がんの治療中や回復期には必要とされる栄養素が変わることがあるため、がんサバイバーは自分に必要な栄養素や運動について、医療従事者に事前に相談する必要があると付け加えている。(HealthDay News 2018年6月12日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/mis-cancer-news-102/balanced-diet-may-be-key-to-cancer-survival-734725.html

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1HDN6月21日「パッケージニュース」No. 3

新たな遺伝子検査で前立腺がんリスクの予測能が向上

英がん研究所(ICR)などの国際共同研究グループは、前立腺がんを発症するリスクが高い男性をより正確に特定できる遺伝子検査を開発したと「Nature Genetics」6月11日オンライン版に発表した。この検査は、これまでに報告されている100カ所以上の前立腺がんの感受性遺伝子座に加え、新たに同定された63カ所を組み合わせて生涯に前立腺がんを発症するリスクを評価するというもの。研究グループは、従来の検査と比べて前立腺がんの予測能が向上したとしている。

これまでのゲノムワイド関連解析(GWAS)などでは100カ所以上の前立腺がん感受性遺伝子座が同定されている。研究グループは今回、Oncoarrayと呼ばれる遺伝子解析法を用いて、約8万人の前立腺がん患者と約6万人の前立腺がんがない男性を対象に、遺伝子中の50万以上の一塩基多型(SNP)の違いを調べた。その結果、新たに63カ所の前立腺がん感受性遺伝子座を同定できたという。

次に、研究グループは、今回新たに同定した感受性遺伝子座をこれまでに報告されているものと組み合わせて、新たな遺伝子検査を開発した。研究グループによると、この検査法では平均的な男性と比べて生涯の前立腺がんの発症リスクが5.7倍である高リスク者(リスクが上位1パーセンタイルに入る男性)を特定できるという。

ICR教授のRosalind Eeles氏は「数多くの男性の遺伝子をこれまで以上に詳細に調べることで、前立腺がんリスクを高める遺伝的要因について新たな情報を得ることができた。また、150カ所以上もの遺伝子座から得られた情報を組み合わせることで、男性の生まれ持った前立腺がんリスクを読み取れるようになった」と、ICRのプレスリリースで説明している。

なお、今回の研究結果を踏まえ、Eeles氏らはこの遺伝子検査を用いて、前立腺がんの遺伝的リスクが高い男性を検出し、前立腺がんの予防や治療により発症リスクを低減できるかどうかを検討する小規模な研究を行いたいとしている。(HealthDay News 2018年6月11日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/prostate-cancer-news-106/new-dna-test-may-predict-prostate-cancer-risk-734759.html

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1HDN6月21日「パッケージニュース」No. 4

抗レトロウイルス療法でHIV感染者のがんリスク減

HIV感染者はがんを発症するリスクが高いことが知られているが、抗レトロウイルス療法(ART)でウイルス量を長期間にわたって抑制すれば、がんリスクを低減できる可能性のあることが、米スタンフォード大学医学部のLesley Park氏らによる研究から明らかになった。この研究結果は「Annals of Internal Medicine」6月12日オンライン版に掲載された。

HIV感染者は「AIDS指標悪性腫瘍(AIDS-defining cancers ; ADC)」と呼ばれる特定のがんと、いくつかの「非AIDS指標悪性腫瘍(non-AIDS-defining cancers ; NADC)」を発症するリスクが高いことが知られている。ADCにはカポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫、浸潤性子宮頸がんなどが含まれ、HIV患者がこれらのいずれかを発症するとAIDSと診断される。一方、NADCには肺がんや喉頭がん、メラノーマ(悪性黒色腫)、白血病などがあり、これらはAIDSの診断指標とはならないがHIV感染者では特に発症率が高いとされている。

HIV感染者に対する治療の主軸となるのはARTだが、これまでの研究から、ARTでウイルスの増殖を長期間にわたって抑制すると一部のがんのリスクが低減することが報告されていた。しかし、長期間にわたるウイルス量の抑制が全体的ながんリスクに及ぼす影響について検討した研究は限られていたという。

そこでPark氏らは今回、退役軍人コホート研究に参加したHIV感染者4万2,441人と、人口学的な背景因子を一致させたHIV非感染者10万4,712人を対象に、1999年から2015年までのがん発症率を比較検討した。

その結果、HIV非感染者と比べて、がんリスクはウイルス量を抑制できていなかったHIV感染者で最も高く〔罹患率比(RR)2.35〕、リスクの上昇幅はウイルス量を短期間(2年以内)抑制できたHIV感染者ではより低く(同1.99)、2年以上の長期間にわたってウイルス量を抑制できたHIV感染者で最も低かった(同1.52)。

以上の結果を踏まえ、Park氏らは「今回の結果は、感染症を専門とする医師や高齢になったHIV患者を診療する機会がある内科医にとって有用な情報となるだろう」との見解を示している。(HealthDay News 2018年6月11日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/cervical-cancer-news-95/antiviral-treatments-reduce-cancer-risk-for-hiv-patients-734639.html

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